こちらの記事に興味を持って頂きありがとうございます。
キャリアコンサルタントの渡邊です。
今日はジョブカードについてお伝えしたいと思います。
ジョブカード制度はご存知でしょうか?
日本政府主導で開始したジョブカード制度ですが、今一つ認知度が高くありません。
ですが、実際に内容を確認してみると個人のキャリアプランニングに役に立つ内容が盛り込まれている印象です。
プロモーションの問題で浸透はしておりませんが、有効活用すれば良いシステムだと思いますのでご紹介させて頂きます。
ジョブカードとは?
ジョブカードとは、個人の学習歴や職務経歴、職業訓練、免許・資格などを書類にとりまとめ、その後の就職・転職活動やキャリアプランニングに活用するものです。
「生涯を通じたキャリアプランニング」と「職業能力証明」の機能を持ちます。
履歴書や職務経歴書、エントリーシートなどを、より詳細にまとめたものをイメージして頂くと近しいと思います。
日本政府が人材能力戦略として2008年より実施していますが、残念ながらいまいち浸透していません。
その理由はハローワークやジョブカフェを利用した方のみに個別で作成を推進している為です。
現在の就職活動や転職活動は、転職サイトや転職エージェントやSNSやアプリを利用する事が一般化した為に、ハローワークなどで案内をしている現状ではなかなか広まらないのも無理がないかもしれませんね。
ですが、内容としては個人がキャリアデザインしていく為のツールとしてはよくできている内容ですので、もう少し広まっても良いのではと考えています。
ジョブカード活用の3つのメリット
ジョブカードは基本的にキャリアコンサルティングと併せて活用します。
ジョブカードを作成し、キャリアコンサルティングを受け、完成したジョブカードを定期的に見直すという形で使用します。
キャリアコンサルティングを受けながらジョブカードを作成していくことにより、3つのメリットがあります。
自分の大事にしたい価値観に気づく
仕事を選んだ理由や今後望んでいるキャリアなどを、整理、振り返る事で自分の大事にしている「価値観」に気づく事ができます。
自分の事なので理解していると思いがちですが、深く掘り下げて考えていく事で自分でも気づいていなかった価値観に気づく事があるかもしれませんよ。
自分の強みに気づく
「強みは何ですか?」と聞くと1つ2つは答えられる人も多いと思います。
ですが、意外と皆さんが当たり前だと思っていた事が強みだという事に気づいていない人も多いものです。
それぞれが積んできたキャリアにその強みという財産が隠れているかもしれません。
未来のキャリアを明確化させる事ができる
気づいた「価値観」や「強み」に加えて「世の中のニーズ」を踏まえて、将来のキャリアプランを描いていきます。
すると、将来の目標に到達する為に必要な「経験」「資格」「知識」が具体的になり、やるべき能力開発が明確化されます。
ジョブカード活用場面
では、実際にジョブカードを活用する場面にはどの様なものがあるのでしょうか?
就職活動
まずは就職活動のエントリーシート作成時に使用します。
学校の過程で学んだ事や関心の方向性、サークルやボランティアの活動、留学やアルバイトやインターンシップまであらゆる活動の記録を残しておく為、いざエントリーシートを作成する際にはジョブカードから必要な内容を抜き出して作成する事ができます。
さらに面接の際も、ジョブカードの中から伝えるべきエピソードを抜粋して使用する事もできます。
転職活動
転職活動の履歴書や職務経歴書を作成する際にも同じように活用する事ができます。
会社の就業時の職務内容はもちろん、職務で学んだ知識や技能、異動や出世の記録、社内講習で学んだ内容なども記載しておく為、必要書類の作成や面接時のエピソードに使用できます。
在職時のキャリアプランニング
例え在職時であっても、ジョブカードは利用できます。
在職中の会社でどの様な経験をしてきたのか、今後はどの様になっていきたいのか、その為に必要な習得すべき能力などを定期的に振り返る事で在職中の方にも目標に向かう建設的なキャリアプランニングに役立てる事ができます。
在職労働者の実務能力の証明にも活用でき、企業全体で使用する事により、人材育成に活用する事も可能です。
職業訓練・社内訓練
訓練内容を実施団体から記入してもらう事により、その訓練の内容や意義が証明されます。
社内訓練の場合であれば、受講履歴などを人事評価に結び付けて利用する事もできそうですね。
また訓練内容によっては助成金が対象となり提出書類にジョブカードを利用する事ができます。
転職エージェントやキャリアコンサルタントに相談をする時
キャリア相談にあたり、学習歴や職務経歴、訓練歴などがまとめられている書類があればスムーズに進行ができます。
エージェントやキャリアコンサルタント側もヒアリングすべき対象が絞れる為、より深堀りをしてもらいやすくなります。
ジョブカードの活用ガイド(厚生労働省)PDF(別タブ)
https://career-selection.com/wp-content/uploads/2021/02/1fb69689a6b8dd2415421d8d3b01be86.pdf
ジョブカードのデメリット
そんなキャリアデザインに有用なジョブカードですが、注意点もあります。
作成が大変
ジョブカードは、個人の学習歴や職務経歴、職業訓練歴、免許・資格、キャリアプランなどを詳細にとりまとめる為、作成に時間も手間もかかります。
自分の人生設計を行う大切な書類なので腰を据えてじっくりと作成する覚悟は必要になります。
キャリアカウンセリングは有料
ジョブカードの作成サポートは、ハローワークの「キャリア形成相談」に行けば無料で対応してもらえます。
ですが、民間のキャリアコンサルタントに依頼をすれば有料、数千円~数万円かかりますので定期的な振り返りに費用が掛かってきます。
キャリアコンサルタントにかかる費用はこちらの記事で↓↓↓(別タブ)
ジョブカードの作成
ジョブカードの作成方法は3つです。
ジョブカード作成支援WEB/ソフトウェアを使って作成 | ソフトウェアを利用する事で、作成支援機能や履歴書出力機能などを使用できます。 |
PDFデータを使って作成 | プリントアウトして手書きで作成します。 |
Excelデータを使って作成 | ソフトウェアをダウンロードせず、Excel入力で作成します。 |
【ジョブカード作成支援WEB/ソフトウェア】ソフトウェアダウンロードはこちら(別タブ)
https://jobcard.mhlw.go.jp/katuyo/download/electronizedsoft.php
【厚生労働省 ジョブカード制度 総合サイト】 PDFやExcelのダウンロードはこちら(別タブ)
https://jobcard.mhlw.go.jp/job_card.html#jobSample
まとめ
今日は、ジョブカードについてお伝えしました。
ジョブカードとは、個人の学習歴や職務経歴、職業訓練歴、免許・資格、キャリアプランをとりまとめ、その後の就職・転職活動やキャリアプランニングに活用する書類です。
「生涯を通じたキャリアプランニング」と「職業能力証明」の機能を持ちます。
ジョブカードは以下の様な場面で活用する事ができます。
- 就職、転職活動時
- 在職時のキャリアプランニング
- 職業訓練や企業内研修
- 転職エージェントやキャリアコンサルタントに相談時
認知度が高くないという事は取り組んでいる人が少ないという事です。
その為、時間と手間を惜しまず作成すれば、それだけで一つのレア人材になるという事です。
しかも作成自体に自己理解のきっかけになる効果が期待できますので、興味を持った方は是非とも作成してみて下さいね。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
この記事が、あなたのキャリアにプラスになれば幸いです。
それではまた!
国家資格キャリアコンサルタント 渡邊 和真