知っておくべき大人の教養【資本主義・社会主義・共産主義】違いを解説

こちらの記事に興味を持って頂きありがとうございます。

キャリアコンサルタントの渡邊です。

今日は「資本主義」「社会主義」「共産主義」の違いについてお伝えしたいと思います。

社会の授業で一度は習った事のある○○主義ですが、きちんと内容を理解できていない事も多いのではないでしょうか?

これらは、経済システムの違いを指す言葉ですが、大人になれば、教養としてそれぞれの違いを理解しておきたいところです。

今日は、それらの「資本主義」「共産主義」「社会主義」の違いを図を交えながらわかりやすく解説していきたいと思います。

資本主義とは?

資本主義とは、個人や企業が労働力に応じてモノやお金を得られる制度自由に経済活動を行う事を指します。

ただし、基本的には自由競争ではあるものの、土地や設備を持った資本家が労働者を雇う事で大きな利益を得る事が出来る為、労働者との格差は広がってしまいます。

明治維新以降の日本もこの資本主義を採用しており、アメリカ欧州諸国の多くも取り入れているスタンダードな経済システムと言えます。

共産主義とは?

共産主義では、モノやお金の様な財産を国民全員で共有する事で、貧富の差のない社会を実現する経済システムです。

土地や車や設備なども全て誰かのものではなく、みんなのモノとなるので資産家は消滅します。

資本主義で発生するような格差が無くなり、みんな平等、人々が分かち合い協力し合う事で実現する理想郷と言えますが、歴史上で共産主義を実現した国はありません。

社会主義とは?

社会主義は、共産主義を目指す過程で生まれた経済システムです。

国民全員が手を取り合い、モノやお金の分配が平等な世界を目指す共産主義を実現する為に、前段階として、一旦、国家が全てのモノやお金を所持し、そこから公正に国民に分配するシステムです。

中国北朝鮮キューバなどが取り入れている経済システムです。

資本主義の課題から共産主義を目指した19世紀

19世紀の資本主義社会は、今より資本家と労働者の貧富の差も大きく、この問題点からドイツのカール・マルクスが「資本主義が成熟した後の到達点」として共産主義を掲げました。

この考えが徐々に浸透し、最初に共産主義を目指して社会主義国家となったのがソビエト連邦(現ロシア)です。

丁度この頃、資本主義の国々でアメリカ発の世界恐慌が起きましたが、計画経済を取り入れた社会主義のソ連は影響を受ける事はありませんでした。

これにより、東欧諸国や北朝鮮、中国、ベトナム、インドなどの国々が理想を掲げて社会主義国家となりました。

社会主義国家の問題点

こうしてソ連を中心とした社会主義国家欧米諸国を中心とした資本主義国家に世界は2分されていきます。

しかし、社会主義国家では、人より頑張っても報われる事はありませんし、効率的に働く意味もなくなってしまいました。

平等な社会の実現というビジョンだけでは人は努力し続けられないという事ですね。

その為、徐々に生産性が低下する事で経済が停滞し、資本主義国家との経済発展の差が生まれていきました。

更に公平にコントロールするはずの国家に属する者達が、実は富を独占しているという事態も発生し、社会主義国家の崩壊が始まります。

やはり、「人より良い暮らしをしたい!」という欲望がある以上、共産主義や社会主義の「みんな平等」という理想を目指すのは難しいのかもしれませんね。

ベルリンの壁崩壊

この頃のドイツは、社会主義国家の東ドイツ資本主義国家の西ドイツに2分されていました。

首都ベルリンを東西に分ける壁が有名な「ベルリンの壁」です。

先述の通り、社会主義国家の東ドイツと資本主義国家の西ドイツの間でも経済の発展に大きな差が生まれ、東ドイツの国民は不満を爆発させます。

「なぜ、同じ国民なのに自分たちは貧しい思いをしないといけないのか?」

こうして東ドイツの国民は次々に西側に流出、歯止めが効かなくなり、国境検問所が解放され、ついには壁が破壊されました。

こうして東西ドイツが統一された事を皮切りに、東欧諸国の社会主義国家が次々に崩壊する事になりました。

結局、資本主義と社会主義のどちらが良いのか?

資本主義の格差問題から共産主義が掲げられ、その理想を実現する段階として社会主義が生まれました。

しかし、社会主義においても、経済発展の鈍化や国家の独裁や腐敗という問題が起きてしまいました。

では、どの様な経済システムが理想なのでしょうか?

資本主義では福祉を充実させて格差をなくす

現在の資本主義国家では格差問題に対して、自由経済は維持しつつ、国家が一定の税金を集めて福祉に予算を投じる事で格差問題を減らすようにバランスを取るようになりました。

ただ、バランスを取ると言っても個人によって適度なバランスは違います。

「もっと税金を減らして競争させた方が良い」と考える人もいれば「まだ格差は大きいのだから税金を増やして福祉を充実させた方が良い」と考える人もいます。

最適化は今後も課題になりそうですね。

社会主義では経済の自由化を取り入れて経済発展を目指す

そして、社会主義国家では、基本的に国家主導で政治を行う事は維持しつつ、経済のみ自由化するという形で経済の発展を促進させています。

中国の「社会主義市場経済」は、国家主導というスピード感自由経済の経済発展というバランスを取った結果、世界第二位の経済大国になりました。

しかし、国家主導の弊害として、情報規制人権侵害と言われる様な問題が残されています。

まとめ

さて、今日は「資本主義」「共産主義」「社会主義」経済システムの違いについてお伝えさせて頂きました。

【資本主義】

自由競争で資本家が大きく利益を得るのが資本主義

【共産主義】

全てのモノやお金を国民全員が共有する事で平等な世界を目指す理想が共産主義

【社会主義】

共産主義を目指す過程で、国家主導でモノやお金を国民に公平に分配するのが社会主義

資本主義の格差問題から共産主義の理想が生まれ、共産主義の理想を実現する過程で社会主義が生まれました。

しかし、残念ながら、社会主義にも経済の停滞と国家の独裁や腐敗という問題で上手くいきませんでした。

これらの反省を踏まえて、現在は各国がバランスを取るような経済システムを採用していますが、今後も現在進行形で最適な経済システムを模索し続けている状態だという事を頭に入れておく必要がありそうです。

ここまでお読みいただきありがとうございます。

この記事が、あなたのキャリアにプラスになれば幸いです。

それではまた!

国家資格キャリアコンサルタント 渡邊 和真

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