【PDCAは古いのか?】時代に合った効果的な回し方とOODAやPDRと比較

こちらの記事に興味を持って頂きありがとうございます。

中卒キャリアコンサルタントの渡邊です。

今日は、ビジネスの基本であるPDCAサイクルについてお伝えしていきます。

「仕事の基本はPDCA」なんて良く聞きますが、最近では「PDCAなんてもう古い!」という話も聞くようになりました。

PDCAはもう古い?それとも活用するべき?

今日はそのような疑問に答える為にもPDCAについて改めて内容を確認し、PDRやOODAとの比較についてもお知らせしていこうと思います。

PDCAサイクルとは?

PDCAサイクルとは、PLAN(計画)・DO(実行)・CHECK(評価)・ACT(改善)を繰り返す事によって、業務の改善を行う事です。

このPDCAサイクルは、第二次世界大戦後のアメリカで統計学者のデミング博士によって提唱された歴史あるプロセスです。

元々は製造業を中心とした生産技術や業務品質を改善する為の手法でしたが、現在では様々なビジネスシーンで使われています。

私も仕事でもプライベートでもあらゆる事をこのPDCAを実践しております。

個人的には「課題解決の全てはPDCAサイクルを回せば解決できる」と考えているほどです。

PLAN(計画)

PDCAのPはPLAN(計画)です。

目標を決め、その為のプロセスを計画する段階です。

いつ、誰が、どの様にと具体的に計画を立てるのが基本です。

DO(実行)

PDCAのDはDO(実行)です。

計画を立てた通りに実行し、記録を残します。

必ず計画を立てた通りに実行する事、記録を残す事が重要です。

CHECK(評価)

PDCAのCはCHECK(評価)です。

実行した結果を踏まえて行動の分析を行います。

計画通りに実行する事で進捗状況を評価する事ができます。

ACTION(改善)

PDCAのAはACT(改善)です。

評価した内容を元に計画の改善を行います。

この改善を行う事により、次のPDCAサイクルがより良いものになります。

  1. まずは、目標とプロセスを計画
  2. 計画通りに実行
  3. 実行結果を分析
  4. 分析評価を元に改善し、次のサイクルへ

このサイクルを繰り返す事でより良い商品を開発したり、より良い業務プロセスを模索したり、より良いサービスを追求したり、ビジネス全般に使用できるプロセスです。

PDCAサイクルの問題点

最近では「PDCAサイクルはもう古い!」なんて意見もあります。

その基本的な理由はPDCAのPのPLAN(計画)にあります。

「綿密な計画を立てる事に時間を掛け過ぎてなかなか行動に移れない。」

「せっかく時間を掛けて計画を立てたのに、状況や環境の変化で計画通りにいかない。」

これらがPDCAにありがちな失敗例です。

さらに、今の時代は「VUCAな時代」と呼ばれています。

VUCAな時代とは?

VUCAとは予測困難という意味

予測困難を表す4つのキーワードの頭文字を取った言葉

  • V−Volatility:変動性
  • U−Uncertainty:不確実性
  • C−Complexity:複雑性
  • A−Ambiguity:曖昧性

こうして予測困難で変化の早い時代に綿密な計画を立ててもその通りに実行するのが困難で、計画通りに実行し、終了するまで検証しなければサイクルも遅いというのが否定的な意見です。

PDCAサイクルの効果的な回し方

先述の否定的な意見は、元々PDCAサイクルが製造業で改善を行う為のプロセスとして利用されていた事から、綿密な計画を立てる事をスタートに考えられている事が要因と言えます。

PDCAサイクルは1年などの長期スパンで回すものの様なイメージで考えている方も多いのですが、解釈の違いで、私のイメージでは小さなサイクルと大きなサイクルが混在しているイメージです。

1日単位から数年単位まで様々なPDCAを複数行いながら仕事をするのが一般的です。

  • 一年間の事業計画に沿ったPDCAサイクル
  • 一か月の目標達成の為のPDCAサイクル
  • 一週間毎のタスクスケジュールを管理するPDCAサイクル

仕事をする人なら誰しもこうした大小の様々なPDCAを複数重ねながら仕事をします。

この中で、長期的なスパン、大きなPDCAサイクルは効果的に回しづらい時代だと言えます。

ですが、小さなPDCAサイクルは時代に合わせたアップデートで充分に機能します。

その為に必要なポイントは2つです。

  • PLANを短めに
  • CHECKのタイミング

それぞれの内容を解説していきます。

PLANは短めに

私はPDCAサイクルは速く多く回せばそれだけ大きな結果が生まれると考えています。

その為、PLANを短く抽象的にしてしまう事でサイクルを早めるのが効果的です。

特に1周目のPLANは短くし、早めに行動に移すのが良いと思います。

そもそも計画とは、綿密なものだけが計画なのでしょうか?

旅行計画の例
  1. 日程、目的地、宿泊地、交通手段、観光スケジュールの全てを決める
  2. 日程、目的地、宿泊地、交通手段は決めて、観光場所はその日の気分で決める
  3. 目的地だけ決めて、今すぐ旅に出る

上記の1・2・3は全て計画だと私は考えます。

綿密に練られて完璧な計画が全てではないという事です。

ケースバイケースで計画の密度を変更する。

特に今の時代は予測困難な時代なので、計画は短く立てる事が現代のPDCAサイクルを効果的に回すポイントの1つだと言えます。

CHECKのタイミング

もう一つのポイントがCHECKのタイミングです。

製造業の場でPDCAサイクルを利用していた時代では、計画を立てて、一定期間実行し、期間が終了してから評価、改善を行うのが基本でした。

しかし、私は評価のタイミングは場合によって実行中でも問題は無いと考えています。

先述の旅行計画1を実行した場合の例
  1. 全ての計画通りに観光を行った結果、思いがけない出会いが少ない事やタイムスケジュールが大変な事が課題として感じられ、次回の旅行では、日程、目的地、宿泊地、交通手段だけを決めて旅行する事にした。
  2. 旅行2日目で、課題に気づき、3日目からは観光スケジュールをキャンセルして自由に回る事にした。

1と2の違いは、評価と改善を実行の途中に入れた事です。

計画通りに全て実行してから評価した方が良い事もありますが、こちらもケースバイケースで実行途中でも評価や改善を行う事でPDCAサイクルを早める事ができます。

他のサイクルとの比較

最後にPDCAと比較されがちなプロセスをご紹介していきます。

PDRとの比較

PDRは、ハーバード・ビジネス・スクールのリンダ・A・ヒル氏が提唱したサイクルです。

PDCAの「PLAN」が「PREP」に置き換わり、PDCAの「CHECK」と「ACT」が「REVIEW」にまとめた様な印象です。

これにより、PDCAより早くサイクルを回せるというのがPDRの考え方です。

比較のポイントは2つです。

  • 「PLAN」を「PREP」にする事で早いサイクルになるのか?
  • 「CHECKとACT」を「REVIEW」にして短縮されるのか?

「PLAN」と「PREP」の違い

PLAN=計画PREP=準備です。

似た意味を持つ内容ですが、「計画」は実行の前段階での思考を指し、「準備」は計画を元に実行に必要な要素を揃える行動となります。

計画と準備の違い

旅行に行く日程、場所、持ち物を決める(計画)

ホテルの予約、持ち物をキャリーバックに詰める(準備)

こう考えると準備って計画ありきじゃないかと思うのですが、、、

これもやはり、「計画=時間を掛け綿密に立てるもの」とされている結果、計画は省略し、「さっさと準備して行動に移れ!」という事を伝えたいのだと思います。

なので、PDCAにおける「計画=抽象的で短いものでも良い」とするならば、PDRと同じ事ではないかと思います。

「CHECKとACT」を「REVIEW」にして短縮されるのか?

「CHECK」と「REVIEW」は両方「評価」と訳す事ができます。

私の英語力が壊滅的なので、英語が得意な友人に聞いてみたところ、大差は無いという事でした。

「CHECK」と「REVIEW」で差が無いのであれば、「ACT(改善)」が抜けた分でPDRの方が早いのでは?となりますが、PDRでサイクルを回す際であっても「評価」した後、前回よりも「改善」した状態で次のサイクルに以降するのではないでしょうか?

前のサイクルより次のサイクルが改善されている事は必須です。

そうでなければサイクルを回す意味がないですからね。

結果、PDCAとPDRは、解釈の違いで本質的には同じことを言っているのではないかと私は考えています。

より現代風にシンプルな構造に見せているものと言えるのかもしれませんね。

OODAループとの比較

OODAループとは、アメリカの軍事戦略家であるジョン・ボイド氏が提唱した意思決定方法です。

「予測困難な時代では綿密な計画を立てられない」その為、状況に適した最速の意思決定のプロセスが重要で、PDCAよりもOODAの方が優れていると言われています。

こうして「PDCAサイクル」と「OODAループ」は比較される事も多いのですが、私は比較対象では無いと考えています。

理由は、そもそも使用用途が違うからです。

PDCAサイクル=改善のプロセス

OODAループ=意思決定のプロセス

OODAは、商談中に判断をしながら成約に繋げる状況やクレーム発生時など、今ある材料で判断をしなければならない状況にこそ真価を発揮できるプロセスだと思います。

確かに実際にビジネスをする上で、短い時間で意思決定すべき場面は非常に多いのは事実です。

しかし、PDCAサイクルとOODAループは比較対象では無く、適切な場面で使い分けるべきプロセスです。

まとめ

今日はPDCAサイクルについてや、PDRやOODAとの比較を行いました。

PDCAに対する批判は、「遅い」と言われるものが大半です。

その要因は、元々の使用目的から、綿密な計画と長期的スパンでサイクルを回すものとしてPDCAを捉えている事でした。

PDRやOODAとの比較においても、やはり今の時代にはスピード感が大事な事は間違い無さそうです。

どの様な優れたノウハウも時代に合わせてアップデートは必要です。

PDCAも従来の使い方ではなく、今の時代に合わせた形でアップデートさせているかが重要です。

今日お伝えした効果的なPDCAの回し方を利用して頂ければ、PDCAサイクルは非常に効果的な仕事のプロセスとなります。

是非とも活用してくださいね。

ここまでお読みいただきありがとうございます。

この記事が、あなたのキャリアにプラスになれば幸いです。

それではまた!

中卒キャリアコンサルタント 渡邊 和真

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