コーチングという言葉も、ひと昔前に比べれば浸透しつつありますよね?
特に日本ではスポーツの分野でのイメージが強いです。
テニスの大坂なおみさんの以前のコーチであるサーシャ・バインさんには注目が集まりました。
ですが、海外ではスポーツだけでなく、ビジネスコーチングやライフコーチング等、幅広い分野でのコーチングが一般化されています。
我々キャリアコンサルタントも、ビジネスや人生の設計を手伝い、目標達成の支援を行う仕事なので、コーチングのお仕事になります。
ですが、世の中には「コーチング」「カウンセリング」「ティーチング」「コンサルティング」等、よく似た言葉がたくさんあります。
その違いを今日はお伝えできればと思います。
アプローチ手法の違い
まずは、クライアントに対してのアプローチ手法に違いがあります。
図にまとめてみました。
「ティーチング」や「コンサルティング」では、知識や技術、目標達成の方法を持っている人が、持っていない人に指導を行う事で、能力の強化や目標達成を目指します。
対して、「コーチング」や「カウンセリング」では、クライアントとの対話により、自発的な気付きを生もうとします。
持っていないものを埋めるのではなく、「答えはクライアント自身が既に持っており、それを引き出す。」という考え方に基づいています。
「コーチング」と「カウンセリング」の共通の姿勢
「コーチング」と「カウンセリング」には共通の姿勢があります。
・クライアントが主役でコーチやカウンセラーは支援者
・クライアントの問題はクライアントの事である
・クライアント(人)は無限の可能性を持っている
・答えは必ず、クライアント自身が持っている
つまり、「コーチング」と「カウンセリング」の手法は基本的に同じです。
では、どこに違いがあるのでしょうか?
目的の違い
「コーチング」と「カウンセリング」の違いは目的の違いと言えます。
「コーチング」の語源はご存じでしょうか?
ハンガリーのコチ(kocs)という町で作られた、四輪馬車のコチ(kocsi)に由来するそうです。
つまり、「コーチング」とは、クライアントを目的地に運ぶ人という意味になります。
コーチングの目的は、「目標」や「夢」の達成。
では、カウンセリングの目的はどうなるのでしょうか?
カウンセリングの目的は「不安」や「問題」の解決。
コーチングよりもネガティブな状態を解決し、より良い状態に導くというのが、カウンセリングとなります。
「カウンセリングは”マイナスから0に導く”、そしてコーチングは”0からプラスに導く”」という表現も良く使われます。
クライアントをポジティブに向かう支援をするという点は同じですが、目的に違いがあるという事ですね。
まとめ
「コーチング」と「カウンセリング」の違いですが、「手法」は同じで「目的」が違うという事をご理解頂けましたでしょうか?
ただ、個人的な意見では、あまり区分けする必要は感じていません。
なぜなら、実際の現場では、カウンセラーもコーチもクライアントの状態に応じて「コーチング」と「カウンセリング」を使い分けます。
例えば、
・コーチングを始めたが、目標達成のプロセスでクライアントが挫折し、悩みや問題を抱えた為にカウンセリングを行った。
・カウンセリングを行う内、クライアントの問題が解決していき、夢や目標を持ち始めた為にコーチングを行った。
とても自然な事ですよね。
今後、我々のようなキャリアコンサルタントも、より広い支援ができる様に精進すべきと記事を書きながら感じました。
それでは、また。