本物の共感のスキルとは?3つの共感とその違いを理解する

この記事に興味をもって頂きありがとうございます。

キャリアコンサルタントの渡邊です。

今日は、キャリアコンサルタントとしても必須のスキル「共感」について書きたいと思います。

共感とは?

一般的に共感とは相手と感情を共有する事を指します。

感情を共有する事で、相手は「この人は自分の気持ちを理解してくれる人だ。」と感じ、信頼関係が生まれます。

クライエントから信頼してもらい、ありのままの本音の話を聞きたいキャリアコンサルタントやカウンセラーにとっては必要なスキルと言えるでしょう。

そんな「共感」ですが、一口に共感と言ってもいくつかの種類があるのはご存知でしょうか?

状況や場面に応じて自然に使い分けている事もあるのですが、スキルとして活用するのであれば、それぞれの違いを知り、活用していく必要があります。

私が考える共感とは以下の3つに分けられます。

3つの共感
  • シンパシー(sympathy)
  • エンパシー(empathy)
  • コンパッション(compasion)

それではそれぞれの意味と違いを理解していきましょう。

シンパシー(sympathy)

シンパシーとは、「思いやり」「同情」「共感」という意味で使用されています。

一般的には、誰かの感情に対して「理解できる」と感じる事です。

上記では、「同情」というニュアンスが一番しっくりくる言葉ではないかと思います。

例えば、友人が災害などで大切な人を亡くしたとして、自分にはその経験が無くても、大切な人を失う事の悲しみはなんとなく想像ができますよね?

その為、「辛かっただろう」「悲しいだろう」と相手に同情するのがシンパシーです。

日本ではポジティブな事に共感する際も「シンパシーを感じる。」と使いますが、本来はネガティブな事に共感する際に使う言葉です。

エンパシー(empathy)

エンパシーとは、「共感」「感情移入」を指します。

シンパシーよりも同調が一歩進んだ状態と言えます。

シンパシーでは、相手の気持ちを察しつつも自分事として捉える訳ではありません。

エンパシーでは、相手に感情移入する為、相手の感情を自分に投影し、一緒に感情を共有する状態になります。

映画やドラマを見て泣く人は「エンパシーが強い人」とも言われています。
登場人物の感情を自分に投影しているんですね。

相手の立場に立って物事を見れる為、それにより相手も救われますし、精神的な援助になります。そこから信頼を得る事にも繋がります。

ただし、強い共感力を持つ人は、相手のネガティブな感情を自分事として捉えてしまい、自分自身が辛い思いをしてしまうというデメリットも備えています。

カウンセラーを目指している方に多く見られる傾向で、共感性が高すぎて、自分が吐き気を催したり気分が悪くなったり、ひどい時にはうつを発症するケースもあります。

更に、相手の個人的な経験によって発生した感情を、経験した事の無い人間が共有するのは無理がある場合もあるのではないでしょうか?

一般的に「共感するスキル」というのはこの「エンパシー」を指すのだと思います。

ですが、私の個人的見解では、精神的に相手を救う絶大な力である反面、人によって使いこなすのが難しいスキルではないかと考えています。

コンパッション(compasion)

コンパッションとは、「思いやり」「慈悲」という意味です。

直訳であれば、共感という意味ではありません。

ですが、このコンパッションこそが「共感するスキル」として目指すべき「共感」ではないかと思い、お伝えさせて頂きます。

コンパッションでは、相手の事を理解しようとして寄り添います。

「気持ちがわかる」や「同じ気持ち」ではなく、その気持ちを「わかろうとする」がコンパッションです。

シンパシーやエンパシーが受動的である事に比べて、コンパッションは思いやりを持って理解しようとする主体的な感情です。

自分が相手と別の立場から理解しようとして寄り添う為、支援する行動をとる事ができます。

そうする事で精神的な救いだけでなく、実際に支援できる内容を見極める冷静な視野を持つ事ができるのです。

相手が、「悲しいです。」と言った場合に、「悲しい気持ち、よくわかります。」ではなく、「今、悲しいのですね。」と相手の立場にならずに、相手の気持ちを理解しようとする事こそが、スキルとして求められる共感ではないでしょうか?

共感力を高めるには?

よく言われるスキルとしては、頷き相づちの様なボディランゲージや、相手の話を繰り返したり要約したりする事が重要とされています。

それらはあくまでも相手に対して「私は貴方の事を理解しています」と伝える為のスキルに過ぎません。

本当の意味で共感力を高めるなら以下の2つを大切にしてください。

  • 相手の事を理解しようとする
  • 相手の話を聴く事だけに集中する

相手の話を聴く時に「どうして欲しい」とか「どうすればいい」とか考えていませんか?

スキルに囚われて、「繰り返さなければ」とか「要約しなければ」とか考えていませんか?

次に「何を質問しようか」とか考えていませんか?

ただただ相手の話に集中し、思いやりを持って相手を理解しようとする。
これを続けるだけで共感力は上がるはずです。

まとめ

さて、今日は共感についてお伝えさせて頂きました。

  • シンパシー
  • エンパシー
  • コンパッション

違いはあれど、どれも相手に救いを与える共感に違いはありません。

ですが、スキルとして共感力を身に付けたいのであれば、「コンパッション」を理解し、習得して頂くのが良いのではないでしょうか。

この記事に少しでも共感して頂けると嬉しいです。

それではまた!

国家資格キャリアコンサルタント 渡邊 和真

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