アメリカが【パリ協定】に復帰?知っておきたい地球温暖化と環境問題

こちらの記事に興味を持って頂きありがとうございます。

キャリアコンサルタントの渡邊です。

今日は、「環境問題」について書きたいと思います。

昨年末に盛り上がりを見せたアメリカ大統領選挙も終わり、20日にはバイデン大統領が誕生します。

そのバイデン次期大統領ですが、「新型コロナウイルス」「経済」「気候変動」「人種」の4分野の政策を積極的に打ち出しており、20日の就任から多数の大統領令に署名をするそうです。

初日の20日だけでも、

  • パリ協定への復帰
  • イスラム諸国からの入国制限を破棄
  • 学生ローンの猶予延長
  • 家賃滞納者立ち退き制限の延長
  • 州をまたいで移動する際のマスクの着用を義務化

共和党政権の政策から転換をイメージさせる内容ですが、中でもニュースで度々耳にする「パリ協定」について今日は着目したいと思います。

トランプ大統領が脱退を宣言し、世界中から批判を浴びたのは聞いた事がある方も多いかもしれません。

では、その「パリ協定」とは何なのでしょうか?

パリ協定とは?

パリ協定とは、気候変動問題に関する国際的な枠組みです。

産業革命以降、世界の温室効果ガス排出量が増え、地球温暖化が加速度的に進んでいます。

パリ協定では、この地球温暖化を止める為に、世界各国が協力して温室効果ガス排出量を抑える目標を国ごとに提出して、産業革命前からの世界の平均気温上昇を「2度未満」に抑えるという目標達成を目指しています。

現在では196ヶ国が参加する枠組みとなっており、それだけ地球温暖化の問題に注目が集まっていると言えますね。

そして、パリ協定は京都議定書との関連性も話題に出ますが、どの様な違いがあるのでしょうか?

京都議定書もパリ協定も【気候変動枠組条約】で採択された地球温暖化対策目標

最初に、地球温暖化対策を世界各国で協力しようという事が話し合われたのが、1992年の地球サミットでした。

そこで155ヶ国の署名があり、1994年に「気候変動枠組条約」が発効されます。

条約開始より、地球温暖化を人類共通の課題だと認識し、問題解決を進める為に毎年「気候変動枠組条約締約国会議(COP)」が行われています。

その、第3回締約国会議(COP3)が1997年の京都で行われ、最初の温室効果ガスの削減目標である「京都議定書」が採択されました。

その後、第21回締約国会議(COP21)が2015年のパリで行われ、2020年までの目標を定めた「京都議定書」の後を継ぐ形で、新たな目標「パリ協定」が結ばれました。

つまりパリ協定とは、世界各国が地球温暖化問題に取り組む「気候変動枠組条約国会議」の中で具体的な目標が定められた「京都議定書」の後を継ぐ、次世代の地球温暖化防止目標という事です。

実は、最初に定められた京都議定書には問題があった為にパリ協定ではルールが変わっています。

次はその違いを比べます。

パリ協定と京都議定書の違い

京都議定書では当時の先進国38ヶ国だけが温室効果ガスを排出する目標設定と達成を義務付けられました。

その為、途上国であった中国やインドなどには目標が設定されず、途上国の温室効果ガス排出量は増加し、先進国だけが大変な目標が課せられる事により、不満が溢れ、アメリカとカナダが離脱する結果になりました。

それを踏まえてパリ協定ではルールが変わっています。

京都議定書では、削減目標に達しない場合に、排出量取引で買い取ったり、次期削減義務値に未達分が上乗せになったり、と達成が義務になっていました。

パリ協定では、参加国が削減目標の作成と提出をする義務はあるものの、達成自体を義務化しない事により、途上国を含めた多くの国の参加を合意させる事ができました。

確かに、達成が義務化されないなら「意味があるの?」という議論もあるでしょうが、多くの国が地球温暖化に取り組む機会を作った事は大きな一歩ではないでしょうか?

各国の削減目標

【日本】

2013年比で2030年までに温室効果ガス排出量を26%削減

【中国】

2005年比で2030年までにGDP当たりのCO2排出量を60~65%削減

【韓国】

BAU(自然に放置した場合)比で2030年までに温室効果ガス排出量を37%削減

【EU】

1990年比で2030年までに温室効果ガス排出量を40%削減及び、2013年比で24%削減

【アメリカ】(協定離脱)→(復帰予定)

2005年比で2025年までに温室効果ガス排出量を26~28%削減

【カナダ】

2005年比で2030年までに温室効果ガス排出量を30%削減

では、次に地球の温暖化がどれだけ進んでおり、何が起きているのかをお伝えしたいと思います。

地球温暖化で何が起きているのか

これだけ世界各国が協力して目標達成に力を入れているという事は、それだけ地球温暖化が無視できない状況だという事ですが、日々の生活では実感しづらいものです。

実際に今、何が起きているのか確認しておきましょう。

全国地球温暖化防止活動推進センターによると、このまま地球温暖化が進むと、今世紀末には地球の平均気温が最大で約4.8%上昇すると予測しています。

https://www.jccca.org/

その場合、以下の様な可能性が考えられます。

世界への影響
  • 海水温度の上昇により、氷河が融けて、海面が最大82センチ上昇する
  • マラリアなどの熱帯性の感染症の発生範囲の拡大
  • 乾燥化により砂漠が広がり、台風やハリケーン、サイクロンが多発、併せて洪水や高潮の発生
  • 気候の変化で作物生産の減少から食糧難
  • その他の自然災害、熱波、干ばつ、森林火災、大雨などが多発

思い返してみると、近年はゲリラ豪雨が頻繁に起きる様になったり、毎年の様に最高気温や降雨量が更新されたり、とこのままではひどくなる一方なのかもしれません。

ちなみに今世紀内に最悪の場合で海面が82センチ上昇と言われていますが、海面が1m上昇すれば東京の江東区、墨田区、江戸川区、葛飾区が水没の恐れがあります。

大阪でも、中心部や堺市等も水没する可能性があるという事なので、現実的に大きな問題だと言えますね。

現状の私たちにできる事

国が目標を達成する為には、政治や企業にできる事もありますが、私たち一人ひとりが少しづつ協力する事が必要になります。

温室効果ガス排出量の76%が二酸化炭素です。

そして、家庭での二酸化炭素の排出量の内訳は以下となります。

全国地球温暖化防止活動推進センターより引用 左燃料種別 右用途別

これを見ると、電気からが多くを占めており、照明家電暖房の排出量が多そうですね。

そして、自動車のガソリンでも多く使用しているようです。

少しづつでも削減に協力したいですね。

ちなみに、私もできる事を少しづつやっています。

  • エアコンの温度調整は控えめにしている(昼間は22度で朝晩でも25度まで)
  • 車を売却して基本は自転車移動を心掛けている
  • 部屋の照明を最低限にしている
  • コンビニの袋を極力もらわない様に心掛けている

温暖化防止に興味のある方は一緒にできる事から始めてみませんか?

まとめ

今日は、環境問題について取り上げてみました。

パリ協定とは、世界各国が地球温暖化防止に取り組む目標の事でした。

参加国がそれぞれ温室効果ガス排出量削減の目標を作成・提出し、産業革命以前から比べて世界の平均気温の上昇を2度までに抑える事を目指しています。

現状の世界の温暖化は急速に進んでおり、最大で今世紀末に世界の平均気温が4.8度上昇の可能性があります。

そうなれば、自然災害が多発し、砂漠化や水位の上昇で住めない土地が増え、生態系にも影響が出てしまいます。

そうならない様に、私たちは自分にできる事から協力していく事が目標達成には不可欠ではないでしょうか?

最近はSDGsについてもメディアで取り上げる事も多くなり、17の目標の中には「クリーンエネルギー」「気候変動」の問題も含まれていることもあり、環境問題に関心も高まりつつあります。

SDGsについてはこちらの記事で↓↓↓

積極的に関心を深めておきたい話ですね。

ここまでお読みいただきありがとうございます。

この記事が、あなたのキャリアにプラスになれば幸いです。

それではまた!

国家資格キャリアコンサルタント 渡邊 和真

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