知っておきたい大人の教養【神社とお寺】【神道と仏教】

こちらの記事に興味を持って頂きありがとうございます。

キャリアコンサルタントの渡邊です。

さて今日は、神社とお寺の違いについて書きたいと思います。

日本人は無宗教と言われますが、正月は神社に初詣に行き、結婚すれば教会で式を挙げ、亡くなればお寺で供養される。神社にも寺にも必ずお世話になります。

更に昨今では御朱印ブームも相まって、観光地として神社やお寺を訪れる方も多いのではないでしょうか?

こんな不思議な文化を持つ日本人だからこそ、神社とお寺の違いについて一般教養ぐらいは知っておきたいと思い、勉強しましたのでまとめてご紹介したいと思います。

神社は神道、お寺は仏教

神社と寺の違いは宗教の違いで、神社は神道お寺は仏教です。

双方の違いを表にまとめてみました。

神社
神道宗教仏教
八百万の神々が住む場所場の意義僧侶が修行を積む場所
二礼二拍手一礼参拝方法合掌
神主、巫女職員の呼び名僧侶、尼僧
鳥居
鈴を鳴らす
注連縄
ご神体は観れない
その他の特徴数珠
鐘を突く
お墓
仏像などを拝観可能

神社・神道

日本固有の宗教である神道の祭祀施設です。

八百万(やおよろず)の神々を崇拝しており、神道の世界ではあらゆるものに神が宿ると言われています。

山や川や岩などの自然や、使い続けた道具、太宰府天満宮の菅原道真や日光東照宮の徳川家康などの実在の人物が神格化される事もあります。

神社って○○神宮とか、○○大社とか、社号がそれぞれ違いますが、これにも意味があります。

古事記によると、高天原(たかあまはら)から降り立った天津神(あまつかみ)が天皇家の子孫だとされており、その天津神や皇族が祀られているのが「〇〇神宮」の社号で呼ばれています。

○○神宮の例としては、伊勢神宮(天照大御神あまてらすおおみかみ)、明治神宮(明治天皇)、平安神宮(桓武天皇、孝明天皇)などが挙げられます。

対して、地に現れた神や土着の神を国津神(くにつかみ)と言い、これらの国津神が祀られているのが「〇〇大社」や「○○神社」と呼ばれています。

これらの例は、出雲大社(大国主命おおくにぬしのみこと)、多賀大社(伊邪那岐命いざなぎのみこと)、八坂神社(須佐之男命すさのおのみこと)などが挙げられます。

ちなみに、数ある神宮の中でも伊勢神宮は別格。
伊勢神宮とは通称で【神宮】が正式名称なんです。

太宰府天満宮や北野天満宮など【天満宮】には菅原道真が祀られています。

お寺

世界三大宗教である、インド発祥の仏教を信仰する僧侶達の修行を行う施設がお寺です。

釈迦(仏陀ブッダ)の教えに従い、修行を重ねて悟りを開き、仏になる事を目的としています。

出家して修行を積むことでのみ悟りが開けるという、主に東南アジアに伝播した上座部仏教に対して、修行者以外にも釈迦の教えを伝えようとする大乗仏教が東アジアに伝播します。

その大乗仏教が日本にも伝わり、日本の文化と適合する中で様々な宗派に分かれたものが今の日本の仏教です。

本来の仏教では、生が苦難とされ、輪廻転生の輪から抜け出し、極楽浄土へ行く解脱(げだつ)を目指していましたが、日本では現世利益(げんせりやく)が求められ、仏に祈れば救われるという教えが強くなりました。

東南アジアのお寺は華やかな印象で、日本のお寺は質素なイメージはありませんか?
それは、伝わった仏教の考え方が大きく違うからなんですね。

神道と仏教

日本では、長らく神仏習合(しんぶつしゅうごう)と言って、奈良時代の頃から日本固有の神道と海外から伝わった仏教が融合し、一つの信仰体系として再構成された宗教が信仰されてきました。

それが明治時代に神仏分離が行われるまで、1000年以上続いていたのですから多くの部分で融合していたからこそ区別がつきづらくなっているのかもしれませんね。

あと、ちょっとした知識としてご紹介したいのが、神葬祭と仏前式です。

神葬式

お葬式って仏教のイメージがありませんか?

実はお葬式にも神道式があるようです。

仏教における葬式では、故人を極楽浄土に送るために行いますが、神道における葬式では、故人を家に留めて守護神とするために行います。

マナーも少し違いますのでこの機会に覚えておくと良いかもしれません。

ちなみに数珠は仏教のものなので持ちません。

そして、お焼香の代わりに玉串奉奠(たまぐしほうてん)という儀式があります。

  1. まず玉串を受け取り根元を自分に向けて持ち、遺族に一礼します。
  2. 玉串を時計回りに回転させ、根元を祭壇側に向けて置きます。
  3. 二礼、しのび手(無音の拍手)を二拍、一礼。
  4. 一歩下がって遺族に一礼します。

仏前式

また、結婚式はキリスト教式がメジャーで次に神前式をイメージすると思いますが、仏前式というのもある様です。

ちなみにゼクシィトレンド調査2019によると、2019年に実施された挙式形式は以下の割合の様です。

実施した挙式形式(ゼクシィトレンド調査2019)

キリスト教式・・・52.2%

神前式・・・17.7%

人前式・・・27.8%

仏前式・・・0.5%

その他・・・0.5%

無回答・・・1.3%

仏前式は0.5%なので、ほとんど行われていないんですね。

「人前式って何?」って方もおられるかもしれません。

人前式とは、宗教にとらわれずに挙式の場所や進行を自由に決める挙式です。

神や仏ではなく、参列者に誓いを立てます。

十字架を外した教会や、イベント会場など様々な場所で行われるそうです。

仏前式はあまり行われていませんが、実は、市川海老蔵さんや、東貴博さん等の有名人も仏前式で挙式を行ったそうです。

神社と寺の数

神社の数はおよそ81000以上

そのうち神社の多い都道府県はこちら

  • 1位 新潟県 約4700社
  • 2位 兵庫県 約3800社
  • 3位 福岡県 約3400社
  • 4位 愛知県 約3300社
  • 5位 岐阜県 約3200社

そして、寺の数はおよそ77000以上

そのうち寺の多い都道府県はこちら

  • 1位 愛知県 約4500社
  • 2位 大阪府 約3400社
  • 3位 兵庫県 約3300社
  • 4位 滋賀県 約3200社
  • 5位 京都府 約3000社

神社とお寺を合わせておよそ160000社もあるんですね。

日本のコンビニがおよそ55000店舗だそうです。

コンビニよりも身近な存在だという事ですね。

まとめ

さて、今日は神社と寺についてご紹介させて頂きました。

実は調べてみると、神社とお寺の歴史は、その時代の政治体制と深く関わっている事がわかりました。

政治に合わせて宗教も姿を変えていき、今に至るという形が理解でき、非常に面白かったです。

この辺りもいずれ記事に書こうと思います。

私も何かの宗教を信仰しているかと問われれば、「無宗教」だという事にはなるのだと思います。

ですが、観光や祭事においての関りは持ちますし、神社やお寺の数を見ても身近な存在であることは間違いありません。

無自覚ながらも確実に繋がりのある神社やお寺について、より深く知りたいと感じる様になりました。

それではまた!

国家資格キャリアコンサルタント 渡邊 和真

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