努力は才能?努力遺伝子【ミュージック・アコンプリッシュメント】とは?

こちらの記事に興味を持って頂きありがとうございます。

キャリアコンサルタントの渡邊です。

今日は努力についてお伝えしたいと思います。

人の能力というものは、「才能×努力」で出来上がるという形で理解されている方も多いと思います。

だからこそ、努力ができずに甘えてしまう事に悩みを抱えている方も多いですよね?

「ダイエットしよう思うけど、運動をサボってしまう、、、」

「テストが近いけど、遊びを優先してしまう、、、」

「読書しようと思って本を買うけど、未読がどんどん積まれていく、、、」

貴方も経験があるのでは?

私も常々感じています。

なので努力とはどうすればできる様になるのかについて考えたり、本を読んだりするのですが、衝撃的な事を知ってしまったのでお伝えしたいと思います。

どうやら、努力ができるのは遺伝の影響だという事です。

遺伝とは?

遺伝とは、親から子に対して受け継がれる特徴の事です。

この遺伝と言うものは、結構広い範囲で影響を与えています。

「目元が母親そっくり。」とか、「身長高いスポーツ選手の親はやはり身長高かった。」の様な身体的特徴はもちろんですが、学習能力性格飲酒や喫煙の習慣にまで及びます。

上記は、行動遺伝学のデータをグラフ化したものですが、体重や身長などは9割位が遺伝で決まるという事です。

どうやら牛乳飲んでも背は伸びないんですね、、、残念です。

身体的特徴だけでなく、IQ、国語、算数等の学力に関わる数字も6~7割程が遺伝、更に1~2割が共有環境(家庭環境)で決まるという事です。

これでは、子供からすると親も家庭環境も選べない立場な訳ですから、努力で解決できる余地が2~3割しかない事になります。

天才とは1%の才能と99%の努力である

トーマス・エジソン

エジソンの名言ですが、一説によると努力の重みを語ったものではないともされていますが、もしもエジソンがこのデータを見たならどう思うのでしょうか、、、

「え~じゃあ、努力の価値がそもそもないじゃん!」と人生をあきらめてしまいそうになりますが、割合(%)のデータである以上、人によって残されている余地が違う訳です。

割合というものの解釈として、平均が2~3割という事は、4割の人もいれば1割の人もいるという事です。

これを1人ひとり正確に計る術がない以上、できる事はシンプルです。

  • できる限り才能がある事をみつける
  • 3割であろうとその努力の余地で能力を磨く

「よし、じゃあ、自分の才能を発見して努力する事で才能を伸ばそう!」となる訳ですが、衝撃的な事に、この残り2~3割だけ残された才能の影響が及ばないであろう部分の「努力すること」にも遺伝が影響しているというのです。

この「努力遺伝子」「ミュージック・アコンプリッシュメント」といいます。

努力遺伝子「ミュージック・アコンプリッシュメント」

努力とは、1つの事に長時間、多量の労力を注ぐことを言います。

その努力に関する実験がアメリカのミシガン州立大学とテキサス大学の研究グループによって行われました。

参考文献

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24957535/

国立バイオテクノロジー情報センター

この研究は、800組を超える双子のサンプルデータで、音楽における楽器の練習を長時間・多量の労力を注げるかを調べる実験でした。

行動遺伝子学では、双子で研究を行う

行動遺伝子学においては、こういった双子が研究に使われる事が多いですね。

本来、遺伝子は父親から半分、母親から半分受け継ぎます。

ですが、組み合わせは多く、同じ両親から生まれた兄弟であっても同じ遺伝子になる事はほとんどありません。

ですから、お兄ちゃんの目元は母親似だけど、妹の目元は父親似という事が起こる訳です。

ですが、一卵性双生児の場合、全く同一の遺伝子を持っています。

この事から、遺伝的要素が同じ一卵性双生児と、遺伝的には兄弟と同じでほぼ別の二卵性双生児を比較対象にする訳です。

なんでミュージック・アコンプリッシュメント?

ミュージック・アコンプリッシュメントという変わった名前は、実験が、音楽の分野で行われたからです。

ミュージック(music)=音楽

アコンプリッシュメント(accomplishment)=成果・業績

音楽での成果を比較した実験なのでミュージック・アコンプリッシュメントという訳ですね。

「才能も遺伝」、「努力も遺伝」それなら私たちのできる事は?

「努力次第で大きな成果を出せる」と信じている人達からすると、大きな失望に変わりそうな内容ですが、私はそうは思いません。

より考え方がシンプルになるのだと思います。

何かで人並み以上の結果が欲しい時に、遺伝的才能のないところで努力を重ねても厳しい上に、努力自体も才能だとわかったという事です。

その上で、私たちが重視すべきは、

  • 無駄を嫌い、合理的に生きるのであれば、やってみて才能が見えない事は、スパッと辞める
  • 才能のありそうなところにだけ努力を注ぐ
  • 自分の才能を探す事に注力する事が大事

割と重要な事がシンプルにまとまった様に感じます。

決して、努力が意味がない訳ではありません。

一定の成功には、努力が不可欠である事は間違いありません。

でも、それ以前に自分の才能を発揮できる分野を探す事が重要なんじゃないかという話でした。

貴方のキャリアに少しでもお役に立てれば幸いです。

それではまた!

国家資格キャリアコンサルタント 渡邊 和真

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