こちらの記事に興味を持って頂きありがとうございます。
キャリアコンサルタントの渡邊です。
今日は、社会人として求められる基礎能力についてお伝えしたいと思います。
彼を知り己を知れば百戦殆うからず
孫子より引用
これは孫子の一説ですが、「敵情を知ることと、自分の力を知る事で負けない戦いができる」という意味です。
面接において、自己分析などを用いて自分を知る事に力を入れている方も多いと思います。
それに加えて、企業について知る事で勝率を上げる事ができるのではないでしょうか?
社会人基礎能力を知れば、企業がどの様な人材を求めているのかを知る事に繋がります。
就職や転職を考えていない場合でも、自分の市場価値の指標になりますし、自己研鑽の為に足りないところを知る事にもなりますので、チェックしてみると良いのではないでしょうか。
社会人基礎力とは?
社会人基礎力とは、職場や地域社会などで仕事をする上で重要な基礎能力の事です。
経済産業省が有識者を集めて開催した「社会人基礎力に関する研究会」にて、読み書きの様な基礎的な能力、資格などの専門知識に加えての第3の能力として定義された概念です。
経済産業省(社会人基礎力)リンク↓↓↓
https://www.meti.go.jp/policy/kisoryoku/index.html
「人生100年時代」「働き方改革」と時代の変化に合わせて、企業が人材に求めるニーズは変化していく中、教育現場においてのキャリア教育も変化し続けなければなりません。
教育現場の役割と、人材を採用する企業のニーズを合わせる為、わかりやすいように言語化されたのが「社会人基礎力」というわけです。
ただ、残念ながらイマイチ浸透しているとは言い難い、、、
ですが、内容自体は採用する企業のニーズが反映されたものになっているので、就職や転職を考えている方にとってみれば有益な情報じゃないかと思います。
浸透していないという事は、みんなも意識していない情報という事です。
差をつけるチャンスですね!
3つの能力と12の能力要素
社会人基礎力とは、3つの能力と12の能力要素で構成されています。
3つの能力とは、「前に踏み出す力(アクション)」・「考え抜く力(シンキング)」・「チームで働く力(チームワーク)」で、更にそれぞれの「能力要素」が定義されています。
前に踏み出す力
【前に踏み出す力】
(アクション)
- 主体性・・・物事に進んで取り組む力
- 働きかけ力・・・他人に働きかけ巻き込む力
- 実行力・・・目的を設定し確実に行動する力
社会人基礎力、3つの能力の1つめは「前に踏み出す力」です。
前に踏み出す力とは「一歩前に踏み出し、失敗しても粘り強く取り組む力」の事です。
社会に出れば、答えが無いものに取り組む事が多くなります。
その様な環境の中でも、失敗を恐れずに、試行錯誤を繰り返しながら、一歩踏み出す行動が求められているのです。
その、前に踏み出す力の要素が「主体性」「働きかけ力」「実行力」で構成されています。
考え抜く力
【考え抜く力】
(シンキング)
- 課題発見力・・・現状を分析し目的や課題を明らかにする力
- 創造力・・・新しい価値を生み出す力
- 計画力・・・問題の解決に向けたプロセスを明らかにして準備する力
社会人基礎力、3つの能力の2つめは「考え抜く力」です。
考え抜く力とは「疑問を持ち、考え抜く力」の事です。
社会に出れば、常に時代の変化に合わせた物事のアップデートが求められます。
そんな環境において、常に問題意識を持ち、課題を発見し、それを解決する手法やプロセスを自分で考え抜く事が求められるのです。
その、考え抜く力の要素が「課題発見力」「創造力」「計画力」で構成されています。
チームで働く力
【チームで働く力】
(チームワーク)
- 発信力・・・自分の意見をわかりやすく伝える力
- 傾聴力・・・相手の意見を丁寧に聞く力
- 柔軟性・・・意見の違いや立場の違いを理解する力
- 状況把握力・・・自分と周囲の人々や物事との関係性を理解する力
- 規律性・・・社会のルールや人との約束を守る力
- ストレスコントロール力・・・ストレスの発生源に対応する力
社会人基礎力、3つの能力の最後は「チームで働く力」です。
チームで働く力とは「多様な人々と共に、目標に向けて協力する力」の事です。
社会に出て、大きな結果を出す為にはチームでの協力が不可欠です。
チームには、多様な能力や価値観を持った人達が集まり、同じ目的に向かいます。
多様な人々に対して、自分の意見をわかりやすく伝えつつ、価値観の違う考えも取り入れるという質の高いコミュニケーションが求められるのです。
その、チームで働く力の要素が「発信力」「傾聴力」「柔軟性」「状況把握力」「規律性」「ストレスコントロール力」で構成されています。
社会人基礎力の中でも重要な項目
3つの能力、12の要素を高めるとなれば中々大変です。
特に企業側が重視している項目はどれでしょうか?
社会人基礎力の優先順位
社会人基礎力のセミナー参加企業でのアンケートが行われました。
そのアンケート結果を参考にすると、1位が「主体性」2位が「実行力」でした。
どちらも「前に踏み出す力」の能力要素ですね。
物事を、自らが積極的に取り組む行動的な人物が求められている様です。
企業と学生の意識のギャップ
身に付けておいて欲しい能力水準にも企業と学生で大きなギャップがあります。
学生に、自分たちに不足していると思う能力を聞くと、「ビジネスマナー」「専門知識」「PCスキル」等が挙がります。
しかし、企業はこれらの項目を入社時点ではそれほど重要視はしていません。
逆に、自分たちが既に身に付けていると思う能力を聞くと、「主体性」「粘り強さ」「チームワーク」「コミュニケーション力」が挙がります。
しかし、企業はこれらの項目を足りていないと考えているのです。
まさに、社会人基礎力に当てはまる要素ですね。
改めて自分の社会人基礎力を見つめ直して高めていく事が、企業のニーズを満たす事に繋がりそうです。
まとめ
今日は、社会人基礎力についてお伝えさせて頂きました。
社会人基礎力とは、職場や地域社会などで仕事をする上で重要な基礎能力の事で、3つの能力と12の能力要素で構成されます。
前に踏み出す力(アクション)
- 主体性
- 働きかけ力
- 実行力
考え抜く力(シンキング)
- 課題発見力
- 創造力
- 計画力
チームで働く力(チームワーク)
- 発信力
- 傾聴力
- 柔軟性
- 状況把握力
- 規律性
- ストレスコントロール力
実際に企業が採用する人材のニーズとも一致しており、就職や転職をする際にはチェックをしておくべき重要項目ではないかと思いました。
特に前に踏み出す力の需要は高そうなので、自信のある方は積極的にアピールのが良さそうです。
是非、この内容を就職活動や転職活動に活かしてくださいね。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
この記事が、あなたのキャリアにプラスになれば幸いです。
それではまた!
国家資格キャリアコンサルタント 渡邊 和真