モチベーションコントロール【ハーズバーグの動機づけ・衛星理論】

こちらの記事に興味をもって頂きありがとうございます。

キャリアコンサルタントの渡邊です。

さて、今日はモチベーションについてお伝えさせて頂きます。

日々、仕事をしていると自身や部下のモチベーションコントロールに悩んでおられる方も多いと思います。

そんな方々に少しでも役に立つ情報をお届けしたいと思います。

モチベーションとは?

モチベーションとは、人が行動を起こす為の「要因」や「動機」の事です。

そして、人のモチベーションを引き出す事を「動機づけ」と呼びます。

主にビジネスにおいては、組織で「仕事をする意欲」を意味します。

このモチベーションは、仕事の業績や成果が変動する要因になります。

本来、仕事で業績や成果を上げる為には能力が必要になりますが、実際の成果は能力だけで決まる訳ではありません。

能力にモチベーションの力が作用して、成果となります。

仕事で成果を上げる為の式

成果=能力×モチベーション

その為、能力が高い人でもモチベーションが低ければ成果が出せない事もありますし、逆に能力が低い人でもモチベーション次第で一定の成果を出せる様になります。

非常に大きな効果を持つ「モチベーション」という力。

だからこそ組織のマネジメントを任される方はメンバーのモチベーションをコントロールしていきたいところです。

モチベーションとはどの様なものなのかを理解して頂いたところで、次にモチベーションを実際に引き出す要因についてお伝えしたいと思います。

モチベーションを引き出す要因(動機づけ)は2種類

モチベーションを引き出す要因(動機づけ)は2種類です。

モチベーションを引き出す要因
  1. 外発的動機づけ
  2. 内発的動機づけ

それぞれどの様な要因なのでしょうか?

外発的動機づけ

外発的動機づけとは、「何かのため」に発生するモチベーションを指します。

お金人間関係名誉出世の為にモチベーションを高めます。

わかりやすく、提示しやすい要因なので、コントロールがしやすいというメリットがあります。

ただ、長期的にみれば維持し続ける事が難しいので短期的な効果になってしまう事が多いというデメリットがあります。

人間には慣れというものがあり、同じ内容でモチベーションを引き出し続ける事は難しいのです。

内発的動機づけ

内発的動機づけとは、「やりたい」で発生するモチベーションを指します。

「好きだから」「やりたいから」「やっていて満足感があるから」という要因でモチベーションを高めます。

好きでやっている部活にのめり込んだりするのは内発的動機づけです。

自然に時間や労力をつぎ込もうとするので、成長にも成果にも繋がる強力なモチベーションになりますが、その人に合った内発的動機づけを見つけるのは難易度が高いです。

できれば内発的動機づけを刺激する要因を探していきたいところですね。

次は少し違う視点でモチベーションの理論から見ていきたいと思います。

不満足の反対は満足ではない

例えば給料に不満がある場合に、給料を改善する事ができれば満足に繋がると思っていませんか?

不満を改善しても満足には繋がらない。

この特徴的な切り口のモチベーションを左右する要因の考え方が、「動機づけ・衛生理論」と言い、アメリカの心理学者フレデリック・ハーズバーグが提唱した理論です。

この理論で、人間にはモチベーションを上下させる2つの要因があるとされます。

モチベーションを上下させる2つの要因
  • 不満足感を引き出す衛生要因
  • 満足感を引き出す動機づけ要因

そしてこの2つの要因には以下の特徴があります。

不満足感を引き出す衛生要因をいかに解消しようとしても、不満足感が減少するだけで満足感を増加させるには至らない。

満足感を引き出す動機づけ要因が満たされる事が無くても、不満足感が増加するわけではない。

つまり、不満足感を引き出す要因と満足感を引き出す要因は全く異なる内容だという事です。

では、動機づけ要因と衛生要因にはどのような内容なのかは次の表をご覧ください。

こちらの表で見ると、動機づけ要因は、「仕事への達成感」「周囲の承認」「仕事そのもの」「与えられた責任」「昇進」「成長」となります。

そして衛生要因は、「会社の方針と管理」「監督」「監督との人間関係」「労働条件」「給与」「同僚との関係」「個人生活」となります。

例えば、衛生要因の最大項目である「会社の方針と管理」が整っていない場合は大きく不満足にグラフが動きますが、この要因をいくら満たしてもほとんど満足にグラフは動きません。

つまり「会社の方針と管理」に手を加えても、不満足を解消する事はできても満足度は高まる事はないという事です。

逆に、動機づけ要因の最大項目である「達成」を満たすと大きく満足にグラフは動きますが、満たされなくてもあまり不満足にグラフは動きません。

つまり、「達成」が満たされないとしても大きな不満に繋がる事はないという事です。

モチベーションをコントロールしたいのであれば、この「動機づけ・衛生理論」は非常に役に立つ理論となります。

モチベーションが下がっているならば、衛生要因になんらかの原因があるのでそれを解消します。
更にモチベーションを高めたければ、動機づけ要因にアプローチする事でモチベーションアップに期待が持てるという事です。

また、以前にご紹介した「マズローの5段階欲求」における上位の成長欲求にあたる内容が動機づけ要因に見られます。

そして欠乏欲求にあたる内容が衛生要因に見られます。

こちらの角度からもアプローチしてみるのも良いのかもしれません。

マズローの欲求5段階説の記事はこちら↓↓↓

まとめ

さて、本日はモチベーションコントロールについてご紹介させて頂きました。

モチベーションとは、人が仕事をする為の意欲であり、成果を上げる為の能力の効果を上下させます。

その為にもモチベーションコントロールは非常に大事なスキルになります。

この記事の内容を上手に運用して頂き、モチベーションをコントロールして成果に繋がれば幸いです。

それではまた!

国家資格キャリアコンサルタント 渡邊 和真

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