各国で新型コロナウイルスワクチンが承認!日本の状況は?

こちらの記事に興味を持って頂きありがとうございます。

キャリアコンサルタントの渡邊です。

今日は、新型コロナウイルスワクチンについて書きたいと思います。

ここ数日、報道されるのは新型コロナウイルスワクチンの接種状況です。

日本ではまだ摂取が始まっていませんが、近いうちに開始されそうですね。

ですが、ワクチンは海外で開発されているものばかりを耳にしますが、国内の開発はどうなっているのかは気になりませんか?

そこで、今日は知っておきたい大人の教養として各国のワクチン開発状況日本の開発状況、そして臨床試験の流れについて調べてみたのでまとめておきます。

新型コロナウイルスワクチンの開発状況

AnswersNewsより引用

アメリカの「ファイザー」、「モデルナ」

イギリスの「アストラゼネカ」、「オックスフォード大」

ドイツの「ビオンテック」

ロシアの「ガマレヤ研究所」

中国の「シノファーム」

インドの「バーラト・バイオテック」

これらが2021年1月段階で承認されている新型コロナウイルスワクチンです。

日本でも、もうすぐ摂取が開始されそうですが、これらの海外製のワクチンを導入する予定です。

日本でのワクチン確保状況

海外で開発されたワクチンを日本での導入に向けて正式契約を締結したのは3社です。

モデルナ社(アメリカ):5000万回分

アストラゼネカ社(イギリス):1億2000万回分

ファイザー社(アメリカ):約1億4400万回分

導入用の契約は済んだようですが、国内使用はまだ承認されておらず、治験データの確認後に承認されます。

生産体制も整えている最中ですし、実際の接種のプロセスも試行錯誤している段階という事で、現状では医療関係の従事者に摂取開始は2月後半一般の高齢者に摂取開始されるのが4月の見通しです。

主要先進国が続々と承認、摂取を進めている中で、日本はまだ海外製のワクチンを確保するにとどまっているわけですね。

では、日本の開発状況はどうなっているのかを見てみると「アンジェス」「塩野義製薬」が臨床試験を進めているようです。

アンジェスと大阪大学が共同開発するDNAワクチンがP2/3試験を実施中で、塩野義製薬の組換えタンパクワクチンがP1/2試験を実施しています。

P2/3とかP1/2とはどういう事なのでしょうか?

臨床試験の流れ

先述のP2/3やP1/2とは、臨床試験の段階を指しています。

臨床試験の中でも、新薬開発の為の治療を兼ねた試験を治験と言います。

治験の承認までは3ステップで行われます。

第Ⅰ相試験(フェーズⅠ)

最初は治験ボランティアに志願した健常者を対象とする事が多く、少量の被験薬から段階的に増量を行い、安全性や効き目を調べます。

第Ⅱ相試験(フェーズⅡ)

次に被験薬の効果があると予想される少人数の患者さんに使用し、有効性や安全性を確認、更に、投与量・投与間隔・投与期間なども調べます。

第Ⅲ相試験(フェーズⅢ)

最後に多数の患者さんを相手に有効性や安全性の最終確認を行います。

現在使われている薬との比較、またはプラセボ(有効成分が入っていない薬)との比較や長期間使用の確認などを行う場合もあります。

先述のP1/2というのは、フェーズ(phase)1と2の間の試験という事を意味するようですね。

「臨床試験の一般指針について」臨床試験に関して詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。(別タブで開きます)↓↓↓

https://career-selection.com/wp-content/uploads/2021/01/428447f2cc7d312618c8bf9d88967052.pdf

では、アンジェスがP2/3試験を実施中で、塩野義製薬がP1/2試験を実施中との事ですが、実際にはどの位かかるのでしょうか?

国内ワクチン開発の進捗状況

厚生労働省発表の2020年12月時点の情報では、次の様な状況です。

P2/3試験を実施中のアンジェスは、大規模P3試験を2021年内に開始の意向を示しています。

2021年中に最終段階の試験が開始されるという事ですね。

そして、P1/2試験を実施中の塩野義製薬は、生産体制の見通しにより2021年末までに3000万人分の生産体制構築を目標としていますが、P2試験以降の見通しはまだ見えていないようです。

「コロナワクチン開発の進捗状況(国内開発)」厚生労働省より引用データ(別タブで開きます)↓↓↓

https://career-selection.com/wp-content/uploads/2021/01/ab39add52bf8283d99519d791d9685cc.pdf

厚生労働省HP「新型コロナウイルス感染症について」(別タブで開きます)↓↓↓

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html

残念ながら、現状の発表を見ている限りでは、2021年度中に国内開発のワクチンが承認される事は無さそうな状況ですね。

何故、多くの先進国がワクチン承認や摂取が進む中で、日本は遅れをとっているのでしょうか?

日本が遅れをとっている理由

日本も50年ほど前までは、ワクチン研究や製造が盛んだったそうです。

それが現在はワクチン開発企業が大きく減少し、感染症ワクチンの国内使用の半分以上が輸入ワクチンとなっています。

理由は、ワクチン開発をして実用化するまでに流行が終息する場合がある事や、摂取をめぐる訴訟リスクの高い事が挙げられるようです。

更に、承認までのスピードよりも安全性を重視する国民性も、ワクチン開発を手掛ける企業の減少に繫がっています。

先日、首都圏に緊急事態宣言が出た際には、ノーベル医学生理学賞を受賞した山中教授ら4名から政府への要望が提言されましたが、そこには「ワクチンや治療薬などの開発原理を生み出す生命科学や産学連携の支援を強化」「ワクチンや治療薬の審査と承認は、独立性と透明性を担保しつつ迅速に行う」という内容が含まれていました。

今後は、方針に見直しが入るのかを期待したいところです。

現実を考えれば、ワクチン開発への投資は、優先順位が低い事なのかもしれません。

ですが、多くの先進国がワクチン開発を承認まで行っているならば「日本にもできるはずでは?」と考えてしまいますね。

いよいよ日本でも海外製ワクチンの接種が始まりますが、国民の国内産のワクチンへの要望も高いのではないでしょうか。

厳しい国内事情の中でも、なんとか国内生産のワクチンを届けようと苦心している企業の事も応援していきたいですし、今後の政府の支援も期待したいですね。

ここまでお読みいただきありがとうございます。

この記事が、あなたのキャリアにプラスになれば幸いです。

それではまた!

国家資格キャリアコンサルタント 渡邊 和真

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