京都の世界遺産は【古都京都の文化財】全17ヶ所をご案内

こちらの記事に興味を持って頂きありがとうございます。

キャリアコンサルタントの渡邊です。

今日は京都の世界遺産について書きたいと思います。

先日なんとなく点けていたテレビで「京都の人は、意外と京都の事を知らない」というテーマで番組をやっていました。

その中で「京都に世界遺産が何か所あるか知ってますか?」という街頭アンケートをやっていたのですが、「こ、、答えられない、、、」

愛する地元の京都について、せめて世界遺産の場所と概要位は聞かれて答えられるようにしておかないとと思い、まとめてみました。

世界遺産とは?

そもそも世界遺産とはなんでしょうか?

世界遺産とは、世界中の文化財や景観や自然などの中から「顕著な普遍的価値」を持つ土地や建造物で、ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)の世界遺産委員会の審議を経て決定されます。

世界遺産の登録件数は世界中で1000件を超えて、現在も増え続けていますが、「顕著で普遍的価値」が失われたとされる場合には抹消される事もあります。

世界遺産だからという訳ではありませんが、貴重な文化財や土地は大切にしていかなければなりませんね。

では、その「顕著で普遍的な価値」とはなんでしょうか?

世界遺産登録基準10項目

世界遺産登録の基準は次の10項目のうち1つ以上の基準が適用される必要があります。

世界遺産登録基準10項目
  1. 人類の創造的才能を表現する傑作
  2. 文化交流(ある期間や文化圏において、人類の価値の重要な交流を示すもの)
  3. 文明の証拠
  4. 建築・科学技術が結集されたもの
  5. 伝統的集落
  6. 出来事や宗教、芸術に関連するもの
  7. 自然の景観美に優れたもの
  8. 地球の歴史の見本
  9. 固有の生態系がみられる
  10. 絶滅危惧種

これを見ると、地球や人類の歴史にとって非常に貴重な価値のあるものだという事がわかります。

分類

世界遺産はその内容によって文化遺産自然遺産複合遺産の3種類に分かれています。

先述の登録10項目のうち、1~6は文化遺産の登録基準で、7~10は自然遺産の登録基準、両方を満たしているのが複合遺産となります。

文化遺産は、「建造物」「遺跡」「産業遺産」「文化的景観」などを言い、自然遺産は、「自然の風景地」「自然の地域」を言います。

建造物といっても、1つの建造物を指す場合もあれば、同一の歴史や文化に属する複数の資産群をひとまとめに登録することもあります。

例を挙げると、日光では「東照宮」「二荒山神社」「輪王寺」を合わせて「日光の社寺」という1つの世界遺産として登録されています。

日本の世界遺産は23件

日本の世界遺産は、文化遺産が19件自然遺産が4件合計23件が登録されています。

日本の世界遺産

【文化遺産】

  • 法隆寺地域の仏教建造物(奈良県:1993年)
  • 姫路城(兵庫県:1993年)
  • 古都京都の文化財(京都府・滋賀県:1994年)
  • 白川郷・五箇山の合掌造り集落(岐阜県・富山県:1995年)
  • 原爆ドーム(広島県:1996年)
  • 厳島神社(広島県:1996年)
  • 古都奈良の文化財(奈良県:1998年)
  • 日光の社寺(栃木県:1999年)
  • 琉球王国のグスク及び関連遺産群(沖縄県:2000年)
  • 紀伊山地の霊場と参詣道(和歌山県:2004年)
  • 石見銀山遺跡とその文化的景観(島根県:2007年)
  • 平泉ー仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群(岩手県:2011年)
  • 富士山ー信仰の対象と芸術の源泉(静岡県・山梨県:2013年)
  • 富岡製糸場と絹産業遺産群(群馬県:2014年)
  • 明治日本の産業革命遺産ー製鉄・製鋼、造船、石炭産業(山口県・福岡県・佐賀県・長崎県・熊本県・鹿児島県・岩手県・静岡県:2015年)
  • ル・コルビュジエの建築作品ー近代建築運動への顕著な貢献(東京都:2016年)
  • 「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群(福岡県:2017年)
  • 長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産(長崎県・熊本県:2018年)
  • 百舌鳥・古市古墳群ー古代日本の墳墓群(大阪府:2019年)

【自然遺産】

  • 屋久島(鹿児島県:1993年)
  • 白神山地(青森県・秋田県:1993年)
  • 知床(北海道:2005年)
  • 小笠原諸島(東京都:2011年)

恥ずかしながら、世界遺産と知らずに訪れていた場所もありました。

皆さんはいかがでしょうか?

こうして調べてみると、日本の世界遺産を巡ってみたいと思うようになってきますね。

京都の世界遺産は【古都京都の文化財】

京都の世界遺産は1件で「古都京都の文化財」として登録されています。

京都と滋賀県にまたがって点在する17ヶ所の寺社と城郭を、まとめて1件の世界遺産として1994年に登録されました。

17ヶ所全てが、「国宝建造物」「庭園が特別名勝に指定されているもの」で構成されています。

  • 賀茂別雷神社(上賀茂神社)
  • 賀茂御祖神社(下鴨神社)
  • 教王護国寺(東寺)
  • 清水寺
  • 延暦寺(比叡山)
  • 醍醐寺
  • 仁和寺
  • 平等院
  • 宇治上神社
  • 高山寺
  • 西芳寺(苔寺)
  • 天龍寺
  • 鹿苑寺(金閣寺)
  • 慈照寺(銀閣寺)
  • 龍安時
  • 西本願寺
  • 二条城

評価された基準は、先述の2番と4番により登録されました。

2.文化交流(ある期間や文化圏において、人類の価値の重要な交流を示すもの)

4.建築・科学技術が結集されたもの

京都は、8世紀から17世紀の間、建築や庭園の進化にとっての中心地であり、文化交流において重要な役割を果たした事と、その建築や庭園設計の技術が評価されての登録という事です。

更に拡大登録計画も進んでおり、「大徳寺」「禅林寺(永観堂)」「嵯峨野・嵐山地域一帯」「東山一帯」「大原・八瀬地区」「鞍馬・貴船地区」が追加登録を目指しています。

そして皇室関連の「京都御所」「桂離宮」「修学院離宮」は国宝級の史跡ではありますが、皇室の個人所有の為、国の管理である事が選定条件の世界遺産にはなりません。

【古都京都の文化財】17ヶ所の魅力

そんな【古都京都の文化財】は、地球や人類の歴史的文化財であり、次世代に受け継ぐべき財産です。

では、認定された17ヶ所はどの様な場所なのでしょうか?

賀茂別雷神社(上賀茂神社)

通称、上賀茂神社(かみがもじんじゃ)と呼ばれる事が多い、賀茂別雷神社(かもけいかづちじんじゃ)ですが、京都最古の歴史を有する神社です。

下鴨神社と併せて賀茂神社と総称され、京都の三大祭りである葵祭が有名です。

本殿、権殿の2棟は国宝、その他34棟の重要文化財に指定されており、祭祀に際して天皇より勅使が遣わされる全国で16社しかない「勅祭社」にも定められている格式の高い神社と言えます。

上賀茂神社公式HP

https://www.kamigamojinja.jp/

賀茂御祖神社(下鴨神社)

こちらも通称、下鴨神社(しもがもじんじゃ)と呼ばれる事が多い、賀茂御祖神社(かもみおやじんじゃ)です。

上賀茂神社と併せて賀茂神社と総称され、葵祭が有名なのも同じです。

糺の森(ただすのもり)と呼ばれる一直線に伸びた参道が有名で、地元の方の森林浴や散歩コースとして人気があります。

下鴨神社公式HP

https://www.shimogamo-jinja.or.jp/

教王護国寺(東寺)

平安京の正門である羅城門の東西を守る寺院として建立されました。

ちなみに西寺は早期に衰退し、今は西寺址が史跡に指定されています。

その後東寺は、弘法大師空海に下賜され、真言宗の根本道場となり、東寺真言宗の総本山でもあります。

「金堂(本堂)」「五重塔」「御影堂」は国宝で、中でも五重塔は京都のシンボルにもなっており、木造塔として日本一の高さを誇ります。

そして、毎月21日には「東寺弘法市」(フリーマーケットのようなイメージです)が開催されており、地元住民と観光客で賑わいます。

東寺公式HP

https://toji.or.jp/

清水寺

清水寺は、平安京に遷都される前からの開かれている歴史のある寺院です。

画像にもある清水の舞台は、京都でも屈指の観光スポットで、四季折々の風景を楽しめる為、季節を問わずに多くの参拝客が訪れます。

本堂は国宝に指定されており、15棟の重要文化財(建物)、木造千手観音坐像を始めとした重要文化財(美術工芸品)に指定されている品も多くあります。

清水寺公式HP

https://www.kiyomizudera.or.jp/

延暦寺(比叡山)

京都市左京区から滋賀県大津市にかけての比叡山全域を境内とする寺院です。

最澄により開かれた天台宗の総本山で、平安から鎌倉時代にかけて高野山に並ぶ仏教の中心地でした。

また、比叡山で修業した主な僧に、浄土宗の開祖「法然」、臨済宗の開祖「栄西」、曹洞宗の開祖「道元」、浄土真宗の開祖「親鸞」、日蓮宗の開祖「日蓮」と多くの著名な僧がおり、「日本仏教の母山」と称されます。

比叡山全域が史跡として登録されており、10の国宝と多くの重要文化財があり、西は京都の街を一望し、東は琵琶湖を眼下に望む景勝地でもあります。

比叡山公式HP

https://www.hieizan.or.jp/

醍醐寺

真言宗醍醐派総本山の寺院で、国宝や重要文化財を含む約15万点の寺宝を所蔵しています。

有名なのが、2月に行われる「五大力さん」の愛称で親しまれる「五大力尊仁王会」で、男性が150kg、女性が90kgの餅上げで力比べが行われます。

そして、「桜の醍醐」としても有名で、日本さくら名所100選にも選ばれています。

これは、豊臣秀吉が700本の桜を植え、「醍醐の花見」を大々的に開催されたからで、毎年4月には「豊太閤花見行列」を催しています。

醍醐寺公式HP

https://www.daigoji.or.jp/

仁和寺

宇多法皇の創建で、真言宗御室派の総本山、宇多法皇が起居する場所とした事から「御室御所」とも呼ばれています。

御所とは、天皇など位の高い方の邸宅を指します。

仁和寺は「御室桜」が有名で樹の高さが2m~4m程度と低い桜です。

「花が低い」と「鼻が低い、お多福さん」をかけて、「お多福桜」と呼ばれて親しまれています。

仁和寺公式HP

http://www.ninnaji.jp/

平等院

元々は公家の別荘だったものを藤原道長が譲り受け、その子藤原頼通が寺に改めました。

国宝の鳳凰堂が10円玉の硬貨にも描かれている事でも有名ですが、一万円の紙幣に描かれている鳳凰も平等院鳳凰堂の像なんですよ。

正面から本堂を見る際に、池に本堂がくっきりと浮かび上がる景色は見事な美しさです。

平等院公式HP

https://www.byodoin.or.jp/

宇治上神社

宇治上神社は平等院のすぐそば、平等院を鎮護する神社だったと言われており、徒歩10分ほどの場所にあります。

世界遺産を構成する資産の中では規模が小さく、平等院の華やかさと比べると落ち着いた雰囲気がありますが、本殿は日本最古の神社建築で国宝に指定されています。

高山寺

世界遺産に指定された資産のほとんどが街中にある中、北山杉が生い茂る山中にあるお寺で、観光客も比較的少なく、ゆったりした雰囲気を楽しむ事ができます。

高山寺は日本ではじめて茶が作られた場所として知られ、「日本最古の茶園」の碑が立っています。

「鳥獣人物戯画(ちょうじゅうじんぶつぎが)」が有名で、国宝に指定されています。

高山寺公式HP

https://kosanji.com/

西芳寺(苔寺)

35000平方メートルにおよぶ庭園は苔で覆われており、その美しさから「苔寺」として親しまれています。

参拝するには、往復はがきによる事前申し込みが必要になります。

参拝料は3,000円ですが、写経体験住職の説法は「おもしろい」と評価が高く、事前予約制の為、ゆっくり参拝できるのも嬉しいですね。

西芳寺公式HP

http://saihoji-kokedera.com/top.html

天龍寺

将軍足利家と後醍醐天皇ゆかりの禅寺としての格式ある寺院です。

臨済宗の寺院の寺格である、京都五山の第一位が天龍寺でもあります。

観光地の嵐山にあり、初代住職である夢窓疎石(むそうそせき)が手掛けた「曹源池庭園」の美しさは有名で、有名な嵯峨野の「竹林の小径」にも隣接しており、観光しやすいスポットです。

天龍寺公式HP

http://www.tenryuji.com/index.html

鹿苑寺(金閣寺)

京都の観光スポットといえば、必ず挙がるであろう定番スポット金閣寺ですが、正式名称は鹿苑寺(ろくおんじ)と言います。

室町幕府三代将軍の足利義満が山荘北山殿を造ったのが始まりで、極楽浄土の世界を描いたとされています。

金閣、銀閣、飛雲閣(西本願寺)と併せて「京の三閣」と呼ばれています。

国の特別史跡、特別名勝に指定された庭園「鏡湖池」に映る金閣は「逆さ金閣」と呼ばれており、美しい景色を見せてくれます。

金閣寺公式HP

https://www.shokoku-ji.jp/kinkakuji/

慈照寺(銀閣寺)

金閣寺と併せて有名な銀閣寺ですが、こちらの正式名称は慈照寺(じしょうじ)と言います。

室町幕府八代将軍の足利義政の山荘・東山殿として建てられました。

金閣寺のような華々しさはありませんが、義政が生涯をかけて自らの美意識のすべてを投影したと言われる、簡素枯淡の美しさが見どころです。

銀閣寺公式HP

https://www.shokoku-ji.jp/ginkakuji/

龍安寺

龍安寺は、小堀遠州(こぼりえんしゅう)作、枯山水の石庭「龍安寺の石庭」が有名です。

15個の石が虎を表し、白砂の河を渡る姿を映し出していることから「虎の子渡しの庭」とも呼ばれています。

15個の石が5.2.3.2.3と配置されており、どの角度から見ても、他の石に隠れる事で15個全てを一度に見ることができないそうなのでお越しの際は試してみて下さいね。

龍安寺公式HP

http://www.ryoanji.jp/smph/index.html

西本願寺

親鸞によって開かれた浄土真宗本願寺派総本山で、正式名称は「龍谷山本願寺」ですが、東本願寺と区別する為の西本願寺が通称で、「お西さん」と親しみを込めて呼ばれています。

国宝の御影堂は、東西48メートル、南北62メートル、高さ29メートルと木造建築としては世界最大級の大きさで、貫禄があります。

先述した「京の三閣」の1つである飛雲閣は、三層からなる楼閣建築で、金閣、銀閣とはまた違った趣があります。

西本願寺公式HP

http://www.ryoanji.jp/smph/index.html

二条城

世界遺産の17ヶ所の資産の中で、寺社仏閣ではなく、唯一の城郭として選ばれています。

現在の二条城は、徳川家康が天皇の住む京都御所の守護と上洛の際の宿泊所として築城したものです。

江戸時代の始まりである、徳川家康の将軍宣下の舞台であり、江戸時代の終焉、徳川慶喜の大政奉還の舞台でもあり、徳川家の栄枯盛衰を見つめてきた日本史上の貴重な歴史遺産です。

国宝の「二の丸御殿」では、「ウグイス張り」の廊下や数多くの重要文化財が含まれた豪華な「障壁画」は有名です。

二条城公式HP

https://nijo-jocastle.city.kyoto.lg.jp/

まとめ

今日は、京都の世界遺産についてお伝えさせて頂きました。

京都の世界遺産は、「古都京都の文化財」として17ヶ所の資産で1件の世界遺産として登録されていました。

古都京都の文化財
  • 賀茂別雷神社(上賀茂神社)
  • 賀茂御祖神社(下鴨神社)
  • 教王護国寺(東寺)
  • 清水寺
  • 延暦寺(比叡山)
  • 醍醐寺
  • 仁和寺
  • 平等院
  • 宇治上神社
  • 高山寺
  • 西芳寺(苔寺)
  • 天龍寺
  • 鹿苑寺(金閣寺)
  • 慈照寺(銀閣寺)
  • 龍安時
  • 西本願寺
  • 二条城

まとめていると、改めて世界遺産という人類の宝物であるという事を実感し、大切にしていかなければならないという気持ちになりました。

やはり、「知る、学ぶ」という事の大切さを実感しますね。

行った事がない場所もありましたので、近いうちに実際に訪問してみたいと思います。

皆さんもお近くの世界遺産について改めて調べてみるのも良いのではないでしょうか?

ここまでお読みいただきありがとうございます。

この記事が、あなたのキャリアにプラスになれば幸いです。

それではまた!

国家資格キャリアコンサルタント 渡邊 和真

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