マクロ視点とミクロ視点とは?わかりやすく解説

最近は新型コロナウイルスの影響で自宅で過ごす事が多くなり、特に観るわけでもないテレビを点けっぱなしにしている事も多くなりました。

そんな中、あるテレビCMが目に飛び込んできました。

「きみと一緒だから、どこへでも行けるのに。」

「きみと一緒だから、行けないところがある。」

これは「公益財団法人日本盲導犬協会」のテレビCMです。

斉藤和義さんの軽やかな音楽に乗せて、やさしいアニメーションと共に深いメッセージが突き刺さるCMでした。

盲導犬ユーザーの方々は、盲導犬と一緒だからこそどこにでも出掛ける事ができる。

それにも関わらず、盲導犬の受け入れ拒否により一緒だから行けないところがあるという問題があり、盲導犬の受け入れが当たり前になって欲しいという願いを込めたメッセージCMですね。

たった15秒、2行のメッセージで伝えたい事が伝わる良いCMだなと思いました。

ですが、それと共に若干の違和感も覚えました。

「凄く良いCMだと思うのに?メッセージは伝わるのに?」

「何故違和感があるのだろう?」

性格がひねくれているから?

それもあるのかもしれません。

違和感の正体は視点の違い

考えてみるとそれは「視点」の問題でした。

今日お伝えしたいのはそんな「視点」の話。

皆さんはマクロ視点ミクロ視点はご存じでしょうか?

僕がとても大事にしている「ものの見方」です。

この視点の違いに先程のCMに感じた違和感の答えがありました。

私は普段、仕事で部下の教育等に携わる事も多く、このマクロ視点とミクロ視点を持ってもらうように伝えています。

仕事においてもプライベートにおいても意識して使い分けると問題が解決できる事が多く重要なスキルだと思います。

そんなマクロ視点とミクロ視点とは?

どの様に使い分けるのかを先程のCMを例にお伝えしたいと思います。

マクロ視点、ミクロ視点とは?

まず、マクロ視点とミクロ視点の違いは次の様になります。

マクロ視点:全体的、抽象的な視点

ミクロ視点:部分的、具体的な視点

先程のCMを観た時は主にミクロ視点で見ています。

盲導犬ユーザーの立場盲導犬を広めようとする立場の視点ですね。

だからこそCMに共感するし、問題意識を感じるのだと思います。

そして、違和感があった時はマクロ視点で観ていたのです。

どのお店も盲導犬を受け入れる事になればそれが社会全体にとって本当にプラスなのか?

違和感の正体はこれでした。

こんな風により広い視野で物事を捉えている状態がマクロ視点です。

マクロ視点だと全体を見渡せるので、ミクロ視点で見ていた時には気付かない問題点や解決法に気付きやすくなります。

客観的に物事を確認したい時に役に立つ視点ですね。

ただ、これでは違和感や問題点を具体化する為に、今度はまた別のミクロ視点で見てみます。

例えば、犬が苦手な人や犬アレルギーを持っている人の視点ではどうでしょうか?

盲導犬が受け入れられる事でそういった人達の安らかに過ごせる場所は奪われるという事にもなりえます。

他にも盲導犬を積極的に受け入れているお店の視点はどうでしょう?

現在は、犬が一緒に入れるお店が少ないからこそ、それをお店の特色としてビジネスを行っているお店もあるのではないでしょうか?

受け入れるお店が増えれば、その分お客様は分散しますので別の特色を出さないといけなくなるかもしれません。

この様に一つのミクロ視点で見ていたものが、一度マクロ視点で見る事により違和感に気付き、様々なミクロ視点で見ると色々な立場や考え方がある事が分かります。

これは、どの視点が正解でどの視点が不正解かという話ではありません。

こうして色々な視点でものを見て、知って、考える事が重要だという話です。

その上で自分なりに考えてベストな選択肢をとれる様にするのが今回お伝えしたい「ものの見方」です。

自分の周りを見渡してみると、意外と自分から見えている視点や感じている視点だけでものごとを捉えている場合が多いのではないでしょうか?

凄く勿体ない事だと思います。

視点を切り替えながら物事を観察する事で色々な事に気付きが生まれるものです。

視点の切り替えが有効な場面とは?

例えば職場の上司の指示に納得がいかないとかはどうでしょう?

部下がミクロ視点で見ており、上司がマクロ視点で見ている事で話が合わない事が良くあります。

部下は「大きな事ばかり言って、現場が見えていないんじゃないの?」

上司は「自分の専門や通例でしかものが見えておらず、志が低いんじゃないの?」

こんな感じで上手くいかない事がよくありませんか?

どちらが悪いのではなく、自分の視点だけで物事を見ているから起きる問題です。

それぞれが一度視点を変えてみる事でお互いが分かりあえるかもしれませんね。

他にも数字を見る時なんかはどうでしょう?

数字は嘘をつかないとは良く言いますが、嘘をつかない数字を使ってものごとを上手に見せる事ができます。

例えば、「日本人の2人に1人はがんになる。」これを聞いて大きな不安を感じた人もいるかもしれません。

これは、国立がん研究センターが公表しているデータに基づいているものなので数字自体は嘘ではありません

これをマクロ視点で見ると、60歳までにがんになる人は10%以下に過ぎず、2人に1人になるのは他の要因も含めて死亡リスクが高まる世代になってからだという事がわかります。

少しイメージが変わりませんか?

数字の見方でも、視点を変える事で正確にものごとを把握できる様になります。

この様にマクロ視点とミクロ視点を上手に使い分ける事で、ものごとがきちんと判断できる様になり、それによって解決できる事もでてきます。

今解決しないといけない問題がある場合や、違和感を覚える様な事があるならば、視点を意識して変えてみる事で道が開けるかもしれませんね。

まとめ

今日は大事なものの見方、マクロ視点とミクロ視点についてお伝えさせて頂きました。

まとめると、次の様になります。

マクロ視点:全体的、抽象的な視点

ミクロ視点:部分的、具体的な視点

どの視点で見るのが正解という話ではなく、様々な視点で見て、知って、考える事で今まで見えなかった選択肢や解決法が見えてくる。

是非、このマクロ視点とミクロ視点を使ってものを見る様な意識をもってみて下さいね。

この内容が少しでもお役に立てれば幸いです。

国家資格キャリアコンサルタント 渡邊 和真

おすすめの記事