悩み、苦しみから抜け出したい!仏教視点の解決法【苦集滅道】

こちらの記事に興味を持って頂きありがとうございます。

キャリアコンサルタントの渡邊です。

人間である以上、皆、何かしらの悩みや苦しみは抱えている事と思います。

仕事の事、恋愛の事、家庭の事、人は様々な事に悩みを抱えつつも、解放されたいと願っています。

今日は、悩みや苦しみから解放される方法について仏教の教えからお伝えしたいと思います。

何故、仏教の教えなのかというと、私は信心深い仏教徒という訳ではありません。

ですが、仏教というものの教えの中には、非常に人間の本質を捉えていると感じるものが多いからです。

哲学的であり、心理学とも通ずる様な教えもあります。

そんな、魅力的な仏教の教えの中から「悩みや苦しみから解放される方法」についてお伝えしていきます。

ブッダの教え【四諦】

「四諦(したい)」とは、ブッダが悟りを開いたあとに説いた教えで、「苦集滅道(くじゅうめつどう)」という4つの真理の事です。

四諦は、4つの「諦め(あきらめ)」と書くのですが、「諦める」と聞くとネガティブな印象をもってしまう方も多いと思います。

ですが、本来の「諦める」は「明らめる」という言葉からきています。

つまり四諦とは、4つの諦め(やめてしまう)という意味ではなく、4つの真理を明らかにするという意味になります。

では、4つの真理、苦集滅道とは、何でしょうか?

苦諦人生には苦しみが存在する
集諦苦しみとは、煩悩(ぼんのう)を集めて生まれる
滅諦煩悩を滅すれば、苦しみも滅する
道諦煩悩を滅する為の道がある

苦諦(くたい)

人間が生きていれば、悩みや苦しみがあるのが必然であり、そこからいかに抜け出す事ができるのかを追求したのがブッダです。

その為には、まず「苦しみとは何か」を明らかにします。

根本的な苦しみは、四苦と呼ばれ、「生」「老」「病」「死」とされます。

その根本的な四苦に加えて、「愛別離苦」「怨憎会苦」「求不得苦」「五蘊盛苦」の四苦を合わせて八苦と呼びます。

四苦八苦の語源ですね。

八苦

生苦:生まれたことに対する苦しみ

老苦:老いていくことに対する苦しみ

病苦:病にかかること、その痛みや苦しさに対する不安

死苦:死に対する恐怖、死後の不安

愛別離苦(あいべつりく):愛する者と別離する事

怨憎会苦(おんぞうえく):恨んでいる相手や憎んでいる相手と会う事

求不得苦(ぐふとくく):求めるものが得られない事

五蘊盛苦(ごうんじょうく):五蘊(人間の肉体と精神)が思うがままにならない事

集諦(じったい、じゅうたい)

集諦とは、「苦しみは、尽きない煩悩が集まって生まれる」という心理です。

中でも、代表的な3つの煩悩として「三毒」があり、「貪瞋痴(とんじんち)」と呼ばれています。

三毒

貪欲(とんよく):必要以上に求める心

瞋恚(しんに):怒りや憎しみの心

愚痴(ぐち):真理に対して無知で愚かな心

人間には、三毒に代表される様な様々な煩悩があるからこそ、四苦八苦する訳です。

滅諦(めったい)

滅諦とは、「苦しみを消滅させる為には煩悩をなくす必要がある」という真理です。

この滅諦こそが、修行を行い、悟りの境地とされます。

道諦(どうたい)

道諦とは、「滅諦に至るための道がある」という真理です。

それを「八正道(はっしょうどう)」と言います。

八正道

正見(しょうけん):正しいものの見方をする

正思(しょうし):正しい考えをもつ

正語(しょうご):正しい言葉を使い、嘘や悪口を言わない

正行(しょうぎょう):正しい行いをする

正命(しょうみょう):正しい手段で生活を営むこと

正精進(しょうしょうじん):正しい努力をする

正念(しょうねん):正しい心をもつ

正定(しょうじょう):正しく精神が統一されており、乱されない

これらの8つには、全て「正」の字がついています。

正しいとは、「真理に合った」「調和のとれた」という意味です。

これが意外と難しい事で、「正論」が必ずしも正しい訳ではなく、「平等」ならば必ずしも正しい訳ではありません。

正しさは、視点や立ち位置で変わるもの。

物事の本質真理を見極められる状態でなければ「正」を追求する事ができないから難しいのかもしれませんね。

まとめ

今日は、仏教の教えの「四諦」「苦集滅道」について書かせて頂きました。

「苦しみは人間の煩悩が生み出しており、煩悩を滅すれば苦しみが消える。八正道により、煩悩を滅する事ができる。」という教えでした。

「正しさ」を知り、生き方を見直せば、自分本位にならず、煩悩を滅するまでにはならずとも、むやみに振り回されずに、悩み苦しむ事も少なくなるのだと思います。

単なる思想にとどまらず、意外と論理的な教えですね。

実は仏教の般若心経の中には、「無苦集滅道」と記されています。

これは、「苦集滅道が無」という否定をしている訳ではなく、「悟りへの道が苦集滅道だけではない」と説いているそうです。

悩み苦しみから解放される為には、苦集滅道だけが道ではあらず、それだけには執着してはいけないということです。

悩み苦しみから解放される道がひとつではないように、何事においても目的への道は複数あるものです。

1つの意見や教えに固執せず、色々な教えを学び、視野を広げる事が大切だと改めて感じさせてもらう事ができました。

ここまでお読みいただきありがとうございます。

この記事が、あなたのキャリアにプラスになれば幸いです。

それではまた!

国家資格キャリアコンサルタント 渡邊 和真

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