この記事に興味をもって頂きありがとうございます。
キャリアコンサルタントの渡邊です。
今日は少々センシティブな内容かもしれませんが、違法薬物について取り扱いたいと思います。
先日、俳優の伊勢谷友介さんが大麻所持で逮捕されました。
好きな俳優さんだったので作品が見れなくなるのは残念です。
伊勢谷さんは社会貢献性の高い活動をされていた事も知って注目もしていただけに、「何故だろう?」という思いに駆られて調べてみました。
これまでも、多くの芸能人が薬物により逮捕されており、特に大麻に関しては、「外国では合法とされている地域がある。」「アルコールやたばこより安全だ。」等という理由から物議をかもしています。
これまで私は「薬物は薬物だし、違法は違法でしょ!」と考え、特に気にする事は無かったのですが、この機会に最低限の知識だけはもっておこうと調べましたのでお伝えさせて頂きます。
薬物の種類
薬物に無縁の方は、種類の違いもわからないと思います。
まずは報道でよく耳にする違法薬物の種類と、それらがどんな薬物なのかを知っていきましょう。
アッパー系 | ダウナー系 |
---|---|
コカイン 覚せい剤(シャブ) MDMA(エクスタシー) カフェイン たばこ(ニコチン) | ヘロイン モルヒネ 大麻(マリファナ) アルコール |
薬物は、主にアッパー系とダウナー系で種類が分かれます。
アッパー系は、気分が高揚してテンションが上がる薬物です。
ダウナー系は、気分が落ち着き幸福感を得る薬物です。
薬物の有害性
それでは薬物の有害性について、わかりやすい図がありましたので比べてみましょう。
この表で見る限りだと、「ヘロイン」と「コカイン」は、依存性・有害性共に非常に高い数値です。
比べて「大麻」は、依存性・有害性が共にアルコールやたばこに比べて低い数値を示しています。
一時期、世間を賑わせたMDMA(エクスタシー)も低い数値を示しています。
「それなら大丈夫なんじゃないの?」なんて考える方もでてきそうですね。
こういった科学的根拠や研究結果があるからこそ、合法化を訴える方もいるという事なのでしょう。
しかし、本当に危険な薬物ではないのでしょうか?
それぞれの薬物をもう少し詳しく知っていきましょう。
ヘロイン
阿片(アヘン)から精製されるダウナー系の麻薬で、現在世の中にある違法薬物の中でも最悪の薬物とされています。
神経を抑制して桁外れの多幸感を得られるために乱用を繰り返してしまいます。
そして使用を断つことで、体中の筋肉や骨がバラバラになるような痛みや痙攣や嘔吐が起こるために身体的な依存も高く、抜け出す事ができません。
コカイン
南米産のコカの木を原料とした麻薬で、依存性の非常に高い薬物です。
気分が高揚し、体が軽く感じられて覚醒し、自信に満ち溢れます。
しかし、効果時間が30分程度と言われており、効果が切れると疲労感と不快感に襲われる為に乱用してしまい薬物依存が起こります。
幻覚症状を引き起こし、コーク・バグと呼ばれる皮膚の内側を虫が這いずり回っているような症状が起こることもあります。
覚せい剤
アッパー系の神経興奮剤で、やせ薬やセックスドラッグとして販売されている事もあります。
眠気や食欲が無くなり、頭がクリアになって疲労感も消え、神経が興奮して攻撃性が増します。
効果が切れると激しい脱力感や疲労感が起こる為に使用を繰り返してしまいます。
依存が進むと空耳や錯覚などの幻聴や妄想がひどくなり、錯乱して人に危害を加える可能性もあります。
MDMA(エクスタシー)
一時期ニュースで話題になったMDMAは、人工的に精製された覚せい剤です。
違法薬物である覚せい剤の分子構造に手を加え、法の網をすり抜ける目的で作られました。
よって、場合により元の薬物より効果が高められている場合もあり、危険です。
分子構造が近ければ同じような症状になるという事から、粗悪な材料が使われている事で死に至る事もあります。
たばこ
愛煙家の方からは「一緒にするな!」と言われそうですが、たばこに含まれるニコチンも合法的な依存性薬物です。
アッパー系として興奮作用を持ちますが、神経が興奮している状態であれば沈静効果をもたらします。
幻覚や幻聴などの症状こそ出ませんが、効果時間の短さから常習性が高く、依存から抜け出すのは困難です。
強い発がん性と受動喫煙の問題も忘れてはいけません。
アルコール
こちらも合法ではあるものの依存性薬物です。
お酒を飲むとハイになる方が多い事からアッパー系かと思いきや、ダウナー系の薬物です。
アルコールによって思考や自制心が抑制される為、感情が表に出たり、よくしゃべるようになります。
更に大量に摂取すると運動機能や平衡感覚まで抑制され、最終的には意識がなくなる作用があります。
また、自制心が抑制される事で攻撃性が増し、他者を傷つけてしまったり、多くの病気の原因になったりしている事からも、大量摂取は危険な薬物である事を注意していきたいですね。
大麻(マリファナ)
さて、今回も大きくニュースで取り上げられた大麻ですが、ダウナー系の効果とアッパー系の作用が両方あるようです。
テンションが上がり興奮する効果とリラックスする沈静効果の両方備えているんですね。
乱用すれば、学習や記憶などの認知機能の障害や注意力の低下を招き、精神的には不安障害や攻撃性が高まる事もあります。
精神的依存はあるが、他の薬物に比べて身体的依存は低いともされており、使用を辞めた時の離脱症状の存在も不明瞭な為、危険度が低い薬物だと認識されています。
大麻の合法化について
危険度がたばこやアルコールに比べて低いと言われており、合法化を進める意見も無くならない大麻ですが、合法化している国も危険性が無いと判断して合法化している訳ではありません。
本当なら大麻もアルコールもたばこも体には害悪なものですから無い方が良いはずです。
それでも合法化を進めるのは、政府が流通を管理して若年層に渡りにくくする事ができますし、使用者が無くならない以上は、密売組織の資金源になるより合法的なビジネスとした方が経済に良い影響をもたらすと考えての決断のようです。
実際にお酒やたばこが規制されないのは、業界団体があり、経済に貢献している部分が大きいからです。
規制すれば、裏で密売組織ができる事でしょう。
こういった事情があるからこそ、比較的危険度が低い薬物である大麻を合法とするかが議論されているんですね。
まとめ
さて、本日は違法薬物についてお伝えさせて頂きました。
「薬物は体に悪いからダメ!」と知らずに遠ざけるのも良いですが、知る事で自分なりに考える事ができます。
違法薬物は違法である以上、もちろん使用してはいけません。
ですが、合法か違法かの前に、人間としてそれがどの様なものでどんな影響があるのかを知り、判断できる様になる事が重要かと思います。
薬物の乱用は、貴方の身体と精神に悪影響を及ぼしますので絶対にやめてください。
これを読んで頂いた方のちょっとした知識になれれば嬉しいです。
国家資格キャリアコンサルタント 渡邊 和真