こちらの記事に興味を持って頂きありがとうございます。
中卒キャリアコンサルタントの渡邊です。
今日は一次面接についてお伝えしたいと思います。
「一次面接がなかなか通らない!」と悔しい思いをされているかもしれません。
意外かもしれませんが、中途採用の一次面接の通過率は20~30%程度と言われています。
新卒採用では50%程度と言われているので、かなりの違いがあるのがわかりますね。
つまり、10人に7、8人は不採用になっているという事ですから、簡単なハードルではない事もわかります。
私は中学卒業後、転職を繰り返す度に面接を経験しておりますし、現在は採用担当として選考を進める立場でもあります。
その双方の経験を踏まえて、一次面接の対策についてお伝えしていきます。
一次面接の選考ポイント
一次面接において最重要なのは「印象」だと断言できます。
私は仕事柄多くの採用担当者との繋がりがありますが、一次面接においてどの会社も必ず「印象」を重視しています。
会社によっては、飛び抜けて印象が良いだけで一次面接を通過させるという会社もある程です。
よって、大げさではなく、7割は印象で決まると思ってください。
- 身だしなみに清潔感がある
- 終始笑顔で対応できている(口角が上がっている)
- ハキハキと受け答えできている(挨拶や言葉遣い)
もう少し詳しく印象について知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。
そして残りの3割は一次面接の担当者によって重視する項目が違います。
一次面接と二次面接以降の違い
ところで、一次面接と二次面接以降の違いについてはご存知でしょうか?
大きな違いは、面接官の違いです。
もちろん、会社によって違いはありますが、一般的には下記のケースが多いです。
- 一次面接:現場リーダークラスや人事担当者
- 二次面接以降:管理職クラスや役員クラス
- 最終面接:社長や役員クラス
面接官の格が違えばアピールすべきポイントや対策が変わってきます。
これを深く考えずに面接を受けると不採用が続いてしまう事になりかねません。
では、実際に一次面接の担当によっての対策の違いをお伝えしていきます。
もし、面接担当者が「現場リーダークラス」や「人事担当者」以外の場合は別の記事を参考にして下さいね。
一次面接が現場リーダークラスの場合
面接担当者が現場リーダークラスの場合、次の様な事を考えています。
- 担当業務をこなせるスキルや経験はあるだろうか?
- 一緒に働いても良い人かな?
現場で実際に働く方は、管理職や経営陣よりも担当業務に必要なスキルや経験について詳しいはずです。
質問も、「職務経歴」について聞かれる事が多く、応募者のスキルや経験が担当業務に応用可能かの再現性が問われます。
そして、同じ現場で働くスタッフとして「この応募者と一緒に働きたいか?」は必ず考えてしまうものです。
一次面接が人事担当者の場合
面接担当者が人事担当者の場合、次の様な事を考えています。
- 二次選考に進めて問題ない人だろうか?
- すぐに辞めないかな?
二次選考の面接官は主に管理職以上が対応します。
その為、問題のある人物の選考を進めてしまうと、「なんでこの人選考通過させたの?」と怒られてしまう場合もあります。
よって、挨拶や言葉遣い、会話のキャッチボールなど基本的な内容は重視されます。
さらに、人事という部署は、離職率の低下を求められる部署でもありますので、「定着性」を求めています。
「退職理由」や「志望動機」について深堀りされる事が多くなりがちです。
一次面接の流れと対策
これまでの内容を踏まえて一次面接の流れと対策についてお伝えしていきます。
- 自己紹介
- 職務経歴(退職理由)
- 志望動機
- 自己PR
- 逆質問
自己紹介
面接は通常は「自己紹介」からスタートします。
自己紹介のポイントは2つです。
- 簡潔に伝える
- 質問するポイントを作る
自己紹介に限った話ではありませんが、長い話は絶対にNGです。
特に最初の自己紹介で話が長いと印象が悪くなりがちです。
- 名前
- どんな会社で(例:自動車部品のメーカーで)
- 何をしてきたか(例:新規開拓営業に従事しておりました)
- 本日はよろしくお願いします
以上の構成で短くまとめて下さい。
あとは、面接官が深堀りしてくれます。
職務経歴
自己紹介が終われば職務経歴について聞かれます。
以下の2パターンが考えられます。
- 自己紹介の流れから、そのまま職務経歴について質問されるパターン
- 「職務経歴について説明してください」と改めて説明を求められるパターン
質問された場合は、聞かれた事に回答が長くなりすぎないように答えていくだけで進むので比較的容易です。
説明を求められる場合には注意が必要です。
特に別業種から転職を希望する場合は、知識が無い人にも理解できる様な説明力が必要になります。
人事担当者といえども、あらゆる職種に精通している訳ではありません。
- 何をしている会社で
- どの様な業務に携わってきたか
専門用語は使わず、誰にでもわかるように説明できる内容を予め考えておきましょう。
職務経歴についての深堀り
そして、職務経歴では必ず深堀りする質問があります。
代表的な質問内容は2つ
- 「お仕事で特に力を入れた事があれば教えて下さい」
- 「残した実績があれば教えて下さい」
どちらの質問も、できるだけ具体的に答える事を意識してください。
<「力を入れた事」対策>
「力を入れた事」を聞かれている場合は下記の内容で構成するのがおすすめです。
- どんな課題があり
- それに対してどんなアプローチを取り
- 結果がどうなった
世の中の仕事は全て「課題解決」です。
事務職でも、営業でも、接客でも、マーケティングでも、変わりありません。
自分が行った課題解決事例を具体的に伝えられるように予め準備しておきましょう。
<「実績」対策>
「実績」を聞かれた場合は「数字」を用いて「定量的」な回答を行います。
- 営業なら「売上高」や「順位」などの実績
- WEBマーケティングなら「PV数」や「クリック率」などの改善実績
- 人事なら「応募者数」や「離職率」などの改善実績
転職理由
そして、職務経歴で必ず聞かれるのが転職理由です。
ポイントはたった1つ
会社の不満点を口が裂けても言わない事
不満点があるから辞めるという人が大多数だと思います。
あなたが言う通り、会社側に大きな問題があるのかもしれません。
ただそれでも面接時に不満点を挙げるのは、1ミリもメリットが無い事は断言できます。
絶対に転職すると決めていたとしても、「今の会社に不満はありませんが、良い会社があれば転職しようと思っています。」くらいのスタンスが最強だと思います。
よって、次の2択で転職理由を考えて下さい。
- 上昇志向の転職理由を考える
- 転職に至る、自分に責任があった部分を探し、改善の意志と共に伝える方法を考える
深堀りされるとついつい不満点を伝えてしまいがちなので注意してくださいね。
志望動機
志望動機は何故質問されるのでしょうか?
一番の理由は、「定着性」を知りたいからです。
実は人材採用には非常にコストが掛かります。
採用するだけで1人あたり数十万~百万程度の経費が掛かり、入社直後は生産性も低い為に給料を払うと赤字な事も多いです。
にも関わらず、短い期間で退職されてしまっては会社も大変です。
会社に入る強い理由がある人=長く働いてくれる可能性が高い人
だからこそ面接官は志望動機を重視します。
- 会社のビジョンやミッションへの共感
- 募集職種と希望がマッチしている
- 自分の将来のビジョンに必要な要素が得れる会社である
志望動機は必ず「何故?」と深堀りされます。
答えられるように準備しておきましょう。
自己PR
「自己PR」や「強み」などは必ず聞かれる質問です。
ポイントは2つ
- 募集職種に合ったPRを行う事
- オリジナリティ
募集職種に沿ったPRとなると、ありがちな事をアピールする方も多いです。
面接官は毎日何人もの応募者と会っています。
その為、人と同じような自己PRをしても届かない事が多いです。
営業職を例にすると、
「私はコミュニケーションが得意で~」
「私の長所は傾聴力です。相手の良さを引き出す事が得意で~」
この様なPRは、毎日耳にしているので「あぁ、、またか、、、」と思うだけです。
そもそもコミュニケーション力も傾聴力も、わざわざアピールしなくても面接していれば伝わるものです。
自分にしか伝えられない何かを探してみて下さい。
逆質問
逆質問は「聞きたい事を聞く時間」ではありません。
重要なアピールポイントです。
面接は、前半が重要で逆質問の時にはほとんど「通過」か「見送り」が決まっているとも言われています。
実際に、私が面接をしていても逆面接の段階でほぼ決めている状況です。
ですが、そこから逆転させてくれた例が多くあるのも事実です。
逆質問は、逆転の大チャンスなのです。
逆質問に関しては以下の記事で詳細を書いておりますので参考にして下さい。
一次面接でよくある悩み
面接においてよくある質問が2つあります。
- 嘘はついて良いの?
- 在職中に転職活動した方が良いの?
面接時の嘘について
「嘘も方便」とは言いますが面接時に嘘はついて良いのでしょうか?
これに関しては意見が分かれるところかもしれませんが、私の意見は「完璧にやり通せるならOK」です。
面接官は質問の回答の真偽が疑わしい場合は深掘りを行います。
その為、嘘をつくなら深堀りに対応できるだけの準備はしておきましょう。
もし、疑念を残したまま面接を終えてしまうと「嘘か本当かわからないので見送ろう」となります。
くれぐれも、嘘はハイリスクである事は認識しておきましょう。
大変でも在職中の転職が有利
在職中の転職は苦労が伴います。
大量の求人から希望の条件を探すのはもちろんですが、面接日程のやりとりや、面接日程の確保が難しい場合もあります。
それでも、辞めてから転職よりも在職中の転職をおすすめします。
理由は「余裕」です。
<退職後の転職活動のリスク>
多くの場合で、いざ転職活動を始めても思う様な結果が伴わない事がほとんどです。
転職活動の内定を取ることは簡単では無いからです。
そんな中で退職してしまい、生活に余裕が無い中で焦り、妥協し、次の職場でも不満が溜まるという事態に陥る事も少なくありません。
また、なかなか内定のでない中で空白期間が延びると、「空白期間は何をしていたんだろう?」や「なかなか内定が出ないという事は問題がある人なのかな?」などの余計な疑念が生まれる危険性があります。
<在職中の転職活動のメリット>
在職中の転職活動は苦労も多いですが、面接という交渉の場で有利に働きます。
転職理由の項でお伝えしましたが、絶対に転職すると決めていたとしても、「今の会社に不満はありませんが、良い会社があれば転職しようと思っています。」というスタンスが利用できる事が最大の強みです。
これにより、前職についての不満を伝える必要が無くなり、相手に足元を見られる事も無くなります。
それどころか、応募者が魅力的ならば、良い条件を引き出す交渉ができるかもしれません。
上記理由で在職中の転職を強くおすすめします。
もし、退職後の転職をするなら以下の3つのポイントを確認してからの方が安全だと思います。
- 次の仕事が決まる根拠がある(希望職種に対する強い自己PRができる等)
- 半年間は仕事が決まらなくても困らない
- 空白期間があっても面接官が納得する理由が伝えられる
不安があるなら、辞める前に何社か面接を受けてみて自身の市場価値を知ってから辞めるのも良いかもしれませんね。
最後に
今日は一次面接に関してお伝えしました。
昔に比べて転職に対する偏見は無くなり、ハードルが下がった印象のある転職ですが、中途採用の企業の内定率は高くはありません。
転職するなら「今より良い会社」を求めておられるのでしょう。
良い会社ほど当然競争が激しく、内定率は10%以下が当たり前です。
完璧な転職活動の準備は思っている以上に大変です。
ですが、あなたにとって重要な転機でもあります。
納得できる転職になるようにしっかり対策して下さいね。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
この記事が、あなたのキャリアにプラスになれば幸いです。
それではまた!
中卒キャリアコンサルタント 渡邊 和真