こちらの記事に興味を持って頂きありがとうございます。
キャリアコンサルタントの渡邊です。
今日は、政治で使われる用語について解説したいと思います。
政治ってややこしくないですか?
理由の1つは、専門用語に溢れていて、理解するのに時間がかかるというものがあります。
でも、そのややこしい事を乗り越えて理解してくると、面白さが増してくるものです。
ドラマや漫画においても、ややこしい設定や世界感が理解できてきた時、キャラクターの立ち位置や主義主張が理解できてきた時に面白さが加速します。
政治も、基本的な政治用語を理解し、政治家達のキャラクターを理解すれば、面白くなるものなんです。
今日は、そんな中でもよく耳にする、「保守」と「リベラル」を中心とした政治的立場についてわかりやすく解説したいと思います。
政治のマトリクス
政治の立場をわかりやすく理解する為には、図解にするのが良いと思います。
実は、政治の立場を示すマトリクス(関係図)には、いくつも種類があります。
どれが正しい、正しくないという尺度さえも曖昧なところが、政治の難しさでもありますが、それらの様々な価値観や尺度を個人的に納得感のあるシンプルな図にしたものが下記内容です。
横軸で「個人主義」か「集団主義」、縦軸で「共生社会」を目指すか「競争社会」を目指すかで立ち位置を示す図になります。
個人主義と集団主義
個人主義とは、社会や組織よりも個人の権利や自由を尊重する立場を指します。
集団主義とは、反対に個人よりも社会や組織に価値を置く立場を指します。
個人主義的な考え方の例としては、社会的には選択的夫婦別姓、仕事においてはフレックスタイム制の導入を進めていく等、個人の権利を広げたり、選択肢を増やそうとする考え方になり、集団主義はその反対の立場を取ります。
全てではありませんが、組織の統治体制が強いか弱いかという尺度が表現として一番近いのではないかと思います。
共生社会と競争社会
共生社会とは、組織に属する人々が支え合い、平等な暮らしができる事を目指す立場を指します。
競争社会とは、社会のルールの中で競い合う事で、活性化を図る立場を指します。
主に組織の経済面の尺度を測る指針となります。
共生社会は、人々が平等な暮らしになり格差がなくなる反面、結果を出した人と出さなかった人の待遇の差が少なくなる為、モチベーションの低下を引き起こして経済が停滞する可能性があります。
競争社会では、競争による活性化が起こりやすく経済的な発展が望める反面、格差が広がる危険性を秘めています。
昨年のアメリカ大統領選挙の立場をマトリクスに入れてみる
先述の通り、横軸が統治体制が強いか弱いかの尺度で、縦軸が経済面の競争力の尺度になります。
例として、2020年の大統領選挙の立場をマトリクスに入れてみたのが下の図です。
トランプ氏は、ビジネスマンとして厳しい競争社会を生き抜いてきただけあり、政治思想にも反映されています。
その為、どちらかというと集団と競争を重視する傾向が強い共和党の中でも、右下に位置するのではないかと思います。
対するバイデン氏は、医療保険制度などの社会福祉の強化を訴えており、競争よりも共生を目指している事が伺えます。
ですが民主党の前候補のクリントン氏に比べると、極端な個人主義的考え方ではなく、全体的に中心に近いポジションを取っている印象でした。
こうやって、トランプ氏の様に極端な立場を取る人は、熱狂的な支持者を集める事ができますし、真ん中に近い立場を取る人は、幅広い層に支持される可能性を持つものの、凡庸な印象を与えてしまう場合もあります。
今回の図は、個人的な考えの元で入れていますので、「いや、トランプはもっと右でしょ!」とか「民主党はもっと柔軟な考え方をしているので下にも右にも広いでしょ!」なんて方もおられると思います。
それが、政治の難しさであり、面白さなんだと思います。
芸能人を「この人はこんなタイプだよね!」って話しているのと同じように、政治家や政党をこの表にそれぞれが当てはめて話せるようになれば、政治に興味を持つ人も増えるのではないかと思います。
保守とリベラルとは?
では、「保守」と「リベラル」についてお話をしようと思います。
それぞれを図に当てはめると下記のようなポジション取りになるのではないかと考えています。
またこれも賛否両論出そうな図なんですが、、、
基本的な考え方としては、保守派は旧来の風習や伝統を重んじる考え方で、リベラルは自由や個性を重んじる考え方です。
その中でも、保守はどちらかというと競争社会に立場を置く考え方で、リベラルは共生社会よりの立場を取る事が多いイメージなので上図の様になりました。
よく耳にする「右派」「左派」というのは、この図で言うところの右寄りか左寄りを指す言葉で、極端な右寄りを「極右」といい、極端な左寄りを「極左」と言います。
日本の政党だと自民党がいわゆる「保守政党」なので、立憲民主党はリベラルだと思われがちなのですが、立憲民主党自体はリベラルではないという立場を取っており、少し真ん中寄りのイメージかなと思います。
では、実際の政策について比較してみます。
- 集団的自衛権行使の為、安全保障関連法を支持(憲法改正に積極的)
- 選択的夫婦別姓に反対
- 靖国神社公式参拝に賛成
- 原子力発電は必要
- 安全保障関連法に反対(憲法改正に消極的)
- 選択的夫婦別姓に賛成
- 靖国神社公式参拝に反対
- 原子力発電は不要
伝統を重んじる保守派が憲法改正に積極的で、自由を重んじるリベラル派が消極的とか、上の図にあてはめると違和感のある事もでてくるのが不思議ですね。
これは、保守派は国のアイデンティティを重視する事から、戦後にGHQの元で作られた憲法を日本の価値観に合わせた内容に変える方が正しいという姿勢のようです。
この様に、何故その立場を取っているのかを考えるのも面白いかもしれませんね。
まとめ
今日は政治的な立場について書かせて頂きました。
政治的な立場は、「個人主義」か「集団主義」の統治体制の強弱、「共生社会」か「競争社会」の競争力の強弱でポジションを見ると理解しやすいのではと思います。
個人主義:社会や組織よりも個人の権利や自由を尊重する立場
集団主義:個人よりも社会や組織に価値を置く立場
共生社会:組織に属する人々が支え合い、平等な暮らしができる事を目指す立場
競争社会:社会のルールの中で競い合う事で、活性化を図る立場
そして、保守とリベラルの立場は次の要素になります。
保守:集団主義で競争社会を目指す立場
リベラル:個人主義で共生社会を目指す立場
いかがでしょうか?
少し、立ち位置がシンプルになり、理解しやすいですよね。
もちろん、こういった立ち位置は、もっと複雑で線引きも明確ではないものです。
ですが、理解の入り口としてシンプルな考え方にしてみるのも良いのではないでしょうか?
ここまでお読みいただきありがとうございます。
この記事が、あなたのキャリアにプラスになれば幸いです。
それではまた!
国家資格キャリアコンサルタント 渡邊 和真