やりたい事、好きな事を仕事にする為の就活は正しいのか?

「やりたい事をみつけて、夢を持って働きたい!」

みんな誰しもが一度は考えた事があるのではないでしょうか?

世の中の成功者達はみんな口を揃えてこう言います。

「やりたい事をやればいい!」

「やりたい事に夢中になってれば成功に近づくよ!」

私もこの意見に対して基本的には賛成です。

私もキャリアコンサルタントとして多くの人のキャリアに関わってきました。

その上で、やりたい事を仕事にすれば、人生の多くの時間を幸せを感じられる様になると思いますし、実際に周囲のやりたい事を仕事にしている方は、本当に楽しそうにお仕事をされています。

では、就活においてもやりたい事を仕事にする就活を行うのは正しいのか?

それを今回は真剣に考えていきたいと思います。

やりたい事を仕事にするのを是とするかどうかは結構意見が分かれるところですね。
せっかくなのできちんと考えてみましょう。

まずは何故やりたい事を仕事にするべきなのかを改めてきちんと考えてみる

さて、先程も書かせて頂いた通り、私もやりたい事を仕事にするべきだと考える1人です。

やりたい事を仕事にするために資格を取り、日々勉強し、こうして発信も行っています。

こんな名言もあります。

汝の愛するものを仕事に選べ、そうすれば生涯一日たりとも働かなくても済むであろう

                                       中国の思想家 孔子

やりたい事を仕事にしている時点で、もう労働している事にもならないという意味ですね。

紀元前にこんな考え方を持てる孔子さん凄すぎますね!!

では、改めて何故やりたい事を仕事にするべきなのかをきちんと考えてみます。

メリットその1.楽しい

やりたい事を仕事にすると楽しいですよ。

そりゃあそうです。好きなんですから。

努力って大変なイメージありますよね?

好きな事が仕事にできたらその大変な努力も大変じゃなくなるんです。

私は、学生時代は死ぬほど勉強は嫌いでしたが、今、キャリアデザインや心理学、ビジネスの勉強をするのは楽しくて仕方なくなりました。

「今日も新しい事を覚えた、早く仕事を通して誰かに伝えたい!」こんな気持ちです。

ところで皆さんは残業は好きですか?

好きな事を仕事にしていると、気づいたら夜中になってたりします。

子供の頃、テレビゲームをしていて気づいたら夜中だったのと同じです。

本当に熱中しているんだと思います。

やりたい事を仕事にするって本当に楽しいですよ。

メリットその2.上達が早い

やりたい事を仕事にするって上達が早いんです。

これも当然かもしれませんね。

技術の向上にはやはり掛ける時間も重要になります。

好きだからこそ熱中して仕事に掛ける時間が多くなると、必然的に上達が早くなります。

知識の吸収も早いですよ。

仕事に必要な要素だと、本を読んでいても「ここは使える」とか「ここはもう少し伝え方を変えてみよう」とか考えながら読みます。

そして得た知識を仕事を通じて発信する為、使った知識が定着しやすくなるんです。

元メジャーリーガーのイチローさんも、野球愛していたから上達したと言っていました。

やりたい事を仕事にすると上達が早いのは間違いなさそうです。

メリットその3.志を同じくする仲間が集まってくる

やりたい事を仕事にすると、志を同じくする仲間が集まってきます。

これは、とても大事だと思います。

やりたい事を仕事にしている人は、キラキラしていませんか?

とても魅力的に見えるんです。

その人の言葉一つひとつにも説得力が生まれます。

それに共感した人達が集まってくるんです。

そして自分のやりたい事に共感してくれている人達と過ごす時間がとても魅力に溢れています。

私も、やりたい事に向き合っている過程で知り合った人達と過ごす時間はかけがえのない時間となっています。

とにかく共感できる事が多いんです!

メリットその4.成功できる可能性が高い

やりたい事を仕事にすると成功できる可能性が高いと思います。

これは、今までのメリットを総合した様な話になります。

やりたい事だからこそ楽しく働け、上達が早い。

当然スキルが高く、知識が豊富な人ほど成功する可能性は高くなることでしょう。

そして周囲に仲間がいる方は、人を助けて人に助けられて、一人で頑張っている人間よりも大きな力で物事を動かす事ができる様になります。

これも成功する可能性を引き上げてくれる事でしょう。

実際に、私が「100人インタビュー」という形で取材を行っている人達は、仕事で望んでいたような成功を手に入れている方も多いのですが、全ての方がやりたい事を仕事にしています。

(そういう人を選んでインタビューしているからかもしれませんが、、、)

100人インタビューのページはこちら↓↓↓

さて、こうなってくるとやりたい事を仕事にするしかない!ってなるんですが、本当にそうなんでしょうか?

そこはやはり落とし穴もあるものです。

次は、やりたい事を仕事にする注意点を考えてみましょう。

やりたい事、好きな事を仕事にする注意点

さて、散々やりたい事を仕事にするメリットをお伝えしたのですが、やりたい事を仕事にする注意点もきちんと考えてみましょう。

注意点その1.中途半端な覚悟だと上手くいかない

やりたい事を仕事にしても中途半端だと上手くいかない事も多いです。

現在は、昔に比べてやりたい事を仕事にできる要素は増えたと思います。

例えば昔は「ゲームなんて一円も特にならないんだから勉強しなさい!」なんて言われてましたが、今はプロゲーマーなんて職種が生まれてます。

アイドルなんて限られた人しかなれない存在だったのが、地下アイドルやネットアイドルなんて存在で生計を立てている人もいますよね?

YouTuberなんてその最たるものじゃないでしょうか?

自分のやりたい事をやってそれを発信し、共感してくれる人が増える事で収入になり、生活ができるというわけです。

IT技術やSNSの発達で、仕事の選び方の自由度は大きく変わったと思います。

喜ばしい事だと思います。

ですが、その道で生きていける「プロ」という存在になる為の道が容易になった訳ではないんです。

むしろ、自分のやりたいと感じている事なら他の人にとっても魅力的な事の可能性も高いでしょう。

競争相手は多くなったと考える方が自然なのかもしれません。

やりたい事で生きる為には、そういった競争社会の中で生き残らなければならないんです。

そして周囲の競争相手も同じようにその仕事が好きで、やりたいという人達です。

中途半端な思いや覚悟では、上手くいかないかもしれないという事は注意しておくべき事かもしれません。

思いを持って向き合う覚悟がないなら、ある程度の安定した仕事を選ぶ方が幸せな事なのかもしれません。

注意点その2.やりたい事を見つけるのは難しい

やりたい事を見つけるのは簡単ではありません。

こちらも非常に注意して頂きたい事です。

「やりたい事を見つければ幸せになれるよ!」こう言われてきたのに?

現時点でやりたい事を見つけられている方は良いと思います。

では今、やりたい事を見つけていない人はどうすれば良いのでしょうか?

良く言われるのは「自己分析」ですね。

ちなみに私も自己分析は非常に大事なのでやった方がいいと思います。

ですが、自己分析ってすぐに結果が出ないんですよ。

自己分析は、その時の感情や状況で変わってきたりするので、回数を重ねたり、環境が変わる度に継続的にやり続けて、初めて理解が進むものです。

私も未だにずっと自己分析はやり続けています。

更に自己分析は自分の中にあるものから気付きを得る行為ですが、やりたい事が外にあった場合はみつからない訳です。

その場合は、外に見つけに行かないといけない。

日々の学びや遊び、仕事、人との出会いを繰り返していく中で見つける可能性もあるという事です。

なのでやりたい事を見つけるのは簡単ではありません。

学生時代に確信を持ってやりたい事が決まっている人の方がレアな存在でしょう。

やりたい事を探す方が見つかる可能性が高まりますが、探せばだれでも簡単に見つかるという事ではないという事を理解して取り組む必要はありそうです。

それなら、適度な仕事を探して就職する方が幸せかもしれませんね。

やりたい事を仕事にするにはメリットだけじゃなくて、注意点もありそうですね。
じゃあ、どっちが良いんでしょうか?

じゃあ、どっちが良いの?

さて、やりたい事のメリットをお伝えした後に注意点もお伝えしました。

じゃあ、結局どっち?

やりたい事を仕事にするべきなの?そうじゃないの?ってなります。

最初に書かせて頂いた通り、私は最終的にやりたい事を仕事にする方が良いと思っています。

ただ、特に就活においてはやりたい事探しに夢中になり過ぎるのも危険だと思っています。

少し実体験を元にお伝えします。

疑問を感じたのはある就活生の就活相談から

先程にも書かせて頂いた通り、私は基本的にやりたい事を仕事にする方が良いと考えています。

ところが、就活においてはやりたい事を求める就活だけが正解ではないのではないかと思い始めるきっかけがありました。

私は普段、就活生の支援も行っているのですが、ある就活生に出会いました。

彼は、関西でも有数の難関私立大学に通い、就活にも早くから取り組んでいました。

自分の趣味嗜好や得意分野等を把握すべく自己分析を繰り返し、OB訪問もできる限りこなし、インターンにも積極的に参加していました。

かなり優秀な就活生だと思います。

私が話を聞いても概ね問題がない内容でした。

  • 過去にどんな経験があり、その上で現在どの様に考えるに至ったのかが整理されていた。
  • 将来どの様になりたいか、その為に何が必要かまである程度明確にされていた。
  • 自分はどんな事に喜びを感じるのか、我慢できなことはどんな事なのかを把握していた。
  • 自身の得意な事や苦手な事を理解していた。
  • どんな働き方が良いかも考えていた。
  • 希望する企業についても調べており、企業ごとの質問内容などもまとめられていた。

内容を聞かせてもらっても改めて、就活をきちんとやったのだろうという印象。

多少気になる事をアドバイスはしたものの、概ね完成されていると感じました。

「充分な内容だと思う。そのまま頑張ったらいいよ。」と私は声をかけてその日は終了しました。

ところが数日後、その就活生から連絡をもらう事になります。

「なんかまだ、納得がいかなくてモヤモヤするので相談にのってもらえませんか?」

それまでに相談にのってきた就活生でリピートするのは、内容に不安がある就活生ばかりでした。

そんな時、どんな不安要素があるのか概ね察しがつく事が多かったのですが、今回はどこに不安があるのか思いつかない。

会って話を聞いてみる事にしました。

やはり、客観的な視点では問題がない内容でした。

ただ本人は「本当にやりたい事がこれなのか確信がもてない。本当にこれでいいんでしょうか?」こんな感じで納得がいかない様子でした。

この状態をどうしてあげれば良いのかを考えだした事が、今回のテーマ「就活において、やりたい事を仕事にする就活を行うのは正しいのか?」を考えるきっかけになる出来事でした。

就活生やりたい事に確信を持てない理由

この就活生がやりたい事に確信を持てない理由はどこにあるのかを考える為に、キャリアや心理、脳科学の本等を調べました。

そして一つの答えに辿り着きました。

それは、必ずしもやりたい事は確信を持ってみつかる訳ではないという事です。

好きを見つけるのではなく、好きを育むという考え方ですね。

ある研究では、「情熱を注げる事だから努力ができる」という事ではなく、「努力をしたから情熱が生まれる」そうです。

「きちんと準備してきたからこそ、今日のプレゼンに熱意を持って取り組める!」

「これだけの勉強をして知識を得たからこそ、この仕事が天職だと思える!」

こういう考え方です。

かのスティーブ・ジョブズも名言を残しています。

すばらしい仕事をするには、自分のやっていることを好きにならなくてはいけない。

                             アップル社の共同設立者 スティーブ・ジョブズ

つまり、最初は小さな好きな事や興味のある分野でスタートし、そこで情熱を注いで努力する事でやりたい事に確信が持てるという事になります。

最初から確信を持って「これだ!」と思う事なんて幻想だという事です。

確かに例の就活生にはあてはまる様な気がします。

興味や方向性は導き出されているのにそこに確信が持てないからモヤモヤする、、、

例えるなら白馬の王子様を待っている乙女状態」でしょうか?

「そんな確信を持ってこれだといえる存在は現れないよ!!」って思うわけです。

この話を就活生にこの話をして、「今は決断と行動が必要なのでは?」と伝えました。

あれから一年、、、

今もまだ確信はもっていないそうですが、これで良かったんじゃないかと感じ始めているそうですよ。

やりたい事をみつけられない人は、少しでも興味のあることからはじめてみるとそれが天職に変わる事があるかもしれませんね。

まとめ

さて、今回はやりたい事、好きな事を仕事にする為の就活は正しいのか?について考えてみました。

実際、どちらが正しいのかは答えが出ていない様な気もしますが、、、

それも含めてお読みいただいた方に判断して頂ければと思います。

ちなみに私の考えでは、やりたい事や好きなに確信を持っている人は迷わず進むべし!

そうじゃない人は、興味のある事に思い切って飛び込んで情熱を注げばそれが天職になるかも?

就活後も継続的に自己分析を続けて、仕事においても遊びにおいても積極的に新しい事をしていれば、確信を持てる仕事に巡り合う事ができると思いますよ!

さて、あなたはどう考えますか?

少しでも今回お伝えした事があなたの就活にプラスに働く事を祈っています。

頑張ってくださいね!!

国家資格キャリアコンサルタント

渡邊 和真

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