こちらの記事に興味を持って頂きありがとうございます。
キャリアコンサルタントの渡邊です。
今日は、会社員にとっての顧客という存在について考えてみたいと思います。
「顧客ってお客様だろ?」という風にシンプルに考えればその通りなんですが、「ちょっと視点を変えてみると違う形で見えてくる。」というお話です。
面接でよく聞く「顧客に喜んでもらえるように働きたい」
私は普段から採用担当として面接対応をしております。
面接で求職者の転職の軸を聞くと、「顧客に喜んでもらえるように働きたい。」「顧客のニーズを汲み取れる仕事がしたい。」なんていう声をよく聞きます。
顧客から頼りにされる事や、感謝される事にやりがいを感じる方が多いという事です。
顧客の為に働きたいという事は、もちろん素晴らしい事だと思いますが、少し違和感を感じる部分もあるのです。
求職者が言う「顧客」とは、「入社する会社のサービスを利用するお客様」を指しているのだと思いますが、それは、求職者にとっての顧客なのでしょうか?
顧客とは?
そもそも顧客とは何でしょうか?
Wikipediaによると
顧客とは、自社の商品やサービスを販売する対象のこと。
Wikipediaより
なんだか当たり前の様な事ですが、図にすると下の様になります。
会社は顧客にサービスの提供を行い、顧客からサービス提供の対価を頂く。
これが、顧客との関係性です。
会社員にとっての顧客とは?
では、無事に面接で内定をもらい、会社員として働いた場合の顧客とは誰なのでしょうか?
ここで、多くの方は「会社の顧客が自分の顧客」だと考えています。
先述した、面接で「顧客に喜んでもらえるように働きたい。」という方も「会社の顧客が自分の顧客」と考えている訳です。
ですが、私は「会社の顧客が自分の顧客」という考えに違和感を感じるのです。
下記の図をご覧ください。
上図の様に、会社は顧客にサービスの提供を行い、顧客からサービス提供の対価を頂きます。
しかし、その会社で働く会社員は、会社の顧客にサービスの提供は行いますが、対価は自分に支払われません。
更に言うとサービスの提供も自分のサービスを提供しているのではなく、会社のサービスを代わりに提供しているに過ぎないのです。
はたして、これでも「会社の顧客が自分の顧客」と言えるでしょうか?
これが私が言う違和感の正体です。
では、会社員にとっての本当の顧客は誰なのかを考えてみます。
フリーランスの人達で考えるとイメージがしやすいのではと思います。
フリーランスの人達は、営業力や事務処理能力やデザイン力等の「自分の持っているスキルや経験」をサービスとして顧客に提供する事で対価をもらっています。
これって会社員も一緒なんじゃないでしょうか?
会社員という個人にとっては、それぞれの「スキルや経験という労働力」が提供できるサービスで、そのサービスを雇用されている会社に提供し、その対価を会社からもらっています。
つまり、「会社員にとっての顧客は、雇用されている会社」だという考え方もできるのではないかと思うのです。
上図の様な関係性が実は自然なのではないでしょうか?
しっくりこない方もいるかもしれませんね。
でもこの関係性で物事を考えると仕事への向き合い方が変わります。
会社の顧客を大切にするのは、自分の顧客だから大切にするのではありません。
自分の顧客である会社にとっての顧客だから大切にするのです。
会社で働いている人達は、取引先の人達と思い接するのです。
取引先のニーズに応えてサービスを行う様に、会社のニーズを自分のサービスで満たす様に行動するのです。
面接とは、自分を顧客に売り込む営業活動なのです。
そうしていれば、会社の顧客が喜んでくれて頼りにしてくれるように、会社から頼りにされ、感謝されるような存在になれるのではないでしょうか?
まとめ
今日は、会社員にとっての顧客とは何かを考えてみました。
お伝えしたのは、「会社員にとっての顧客とは、雇用されている会社」という考え方でした。
何故なら、会社員は自分の持っているスキルや経験というサービスを会社に提供し、対価をもらっているからです。
少々特殊な考え方かもしれませんが、いつもと違う視点で物事を捉えると違う世界が見えてきます。
視点についての記事はこちらも参考にして下さい↓↓↓
これも1つの考え方として頭の隅に置いておいて頂くと、柔軟な思考の助けになるかもしれませんよ。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
この記事が、あなたのキャリアにプラスになれば幸いです。
それではまた!
国家資格キャリアコンサルタント 渡邊 和真