エリスの【ABC(DE)理論】を簡単解説 アドラーの目的論との関係性

こちらの記事に興味を持って頂きありがとうございます。

キャリアコンサルタントの渡邊です。

今日は、アルバート・エリス【ABC(DE)理論】についてお伝えしたいと思います。

物事の受け取り方の理論についてのお話になります。

人と人とのコミュニケーションにおいて重要になる受け取り方。

「すごく怒っちゃったけど、よく考えたらそれほどの事でもなかったな、、、」

「そんなつもりじゃなかったのに、、、悲しませる事になっちゃったな、、、」

これらは伝え方と受け取り方の問題です。

もちろん伝え方が悪い場合もあるでしょうが、この理論では受け取り方に焦点を当てています。

カウンセリングはもちろん、ビジネスや日常生活においても役に立つ理論ですよ。

ABC理論とは?

アメリカの心理学者アルバート・エリスが提唱した【論理療法】の理論がABC理論と言います。

ABC理論とは、起こった出来事が同じでも、受け取り方結果が変わるという考え方です。

ABC理論

A=Actibating Ebent(出来事や事実)

B=Belief(信念、受け取り方、解釈)

C=Consequence(結果)

「怒られたから、腹が立った!」

「失恋したから、悲しくなった、、、」

人は、○○が起きたから○○の結果になったと思いがちですが、実は受け取り方次第で結果は変えられるという事です。

ABC理論のポイント

【出来事】⇒【結果】ではない。

【出来事】⇒【信念(受け取り方)】⇒【結果】である。

例えば、異動してきた上司が、やる気満々にみんなを鼓舞したとします。

「売上が上がれば、みんなの待遇も良くなるから、協力し合って会社の売上を上げよう!」

すると、Aさんは、

「みんなで協力し合えば、もっと会社が良くなるかもしれない。この上司に協力しよう。」

対して、Bさんは、

「なんか、張り切ってる上司が来たな~面倒くさい事になりそうだなぁ、、、」

上記の例では、「上司の発言」という出来事は共通ですが、AさんとBさんの受け取り方が違うので、それぞれの抱いた感情の結果が違います。

起こった出来事よりも、受け取り方で結果が決まるという事です。

この考え方ってアドラーの目的論と似てますね。

アドラーの目的論との関係性は?

エリスは、北米アドラー心理学会の会員でしたので、少なからずアドラー心理学の影響を受けています。

アドラーの目的論とエリスのABC理論

【目的論】

「原因があって結果が作り出される」ではなく、「何か目的があって、クライエントの考え方や価値観がその結果を作り出している」

【ABC理論】

「出来事があって結果になる」のではなく、「出来事があって、それを受け取った人の信念で結果が決まる」

原因や起きた事象そのもので結果が決まる訳ではなく、信念考え方価値観等の受け取り手で結果が決まるというのは、どちらも共通していますね。

アドラーの目的論からエリスのABC理論に発展していると言えるのではないでしょうか?

アドラーの目的論はこちら↓↓↓

ABC、、、【DE】とは?

ABC理論にはDEを加えてABCDE理論とも呼ばれます。

ABC理論では、Bの信念で結果が決まるという事がポイントだという事は先述しました。

そのBには2種類のBeliefがあります。

2種類のBelief

Rational Belief ラショナルビリーフ(合理的な信念)

Irrational Belief イラショナルビリーフ(非合理的な信念)

イラショナルビリーフ(非合理的な信念)とは、どの様なものでしょうか?

イラショナルビリーフ
  • 人から愛されていないと価値がない
  • 人に才能を認められていなければならない
  • 感情に流されて判断するのは良くない事だ
  • 失敗したら自分が悪い
  • 全てを完璧にこなさなければならない

私たちは無知によって道に迷うことはない。

自分が知っていると信ずることによって迷うのだ。

フランスの哲学者 ジャン・ジャック・ルソー

先入観思い込みレッテル偏見、こういった不合理的な信念が、悪い結果を生むのです。

ですが、その非合理的な信念であるイラショナルビリーフである場合にも、良い結果に上書きするようにカウンセリングを行うのが、ABCDE理論です。

D=Dispute 反論・否定

E=Effect 効果

非合理的な信念であるイラショナルビリーフに対して、反論を行い、結果に良い効果を与えるという事です。

例えば、上司から仕事を任されましたが、「嫌な仕事を任されたと感じた」と捉えたとします。

それに対して、「面白い部分もあるのでは?」とか「任されるとは信頼されているのでは?」等と反論し、「嫌な仕事」というイメージから⇒「仕事を任されて良かった」に結果を書き換えるのがABCDE理論です。

まとめ

今日はABCDE理論をお伝えさせて頂きました。

A=Actibating Ebent(出来事や事実)

B=Belief(信念、受け取り方、解釈)

C=Consequence(結果)

D=Dispute 反論・否定

E=Effect 効果

出来事や事実で結果が決まるのではありません。

出来事の受け取り方(信念)で結果が決まるのです。

もし、非合理的な信念で悪い受け取り方をしてしまいそうなら、非合理的な信念を否定し、良い結果に導くというのがこの理論です。

カウンセリングだけでなく、仕事や日常のコミュニケーションにおいて、毎日でも使える理論だと思います。

是非、意識してみて下さいね。

ここまでお読みいただきありがとうございます。

この記事が、あなたのキャリアにプラスになれば幸いです。

それではまた!

国家資格キャリアコンサルタント 渡邊 和真

おすすめの記事