キャリアコンサルタントの渡邊です。
夢を追い、やりたい事を仕事にしている人はキラキラして見えますよね。
でも、実際に夢ややりたい事を追いかけている人は多くはないかもしれません。
「夢ってどうすれば見つかるんだろう?」
「やりたい事で仕事をして食べていくって難しいんじゃないの?」
こんな考えの方が現実的かもしれません。
そこで今回は「偶然がキャリアの8割」だという理論を紹介したいと思います。
その理論は、【プランド・ハップンスタンス理論】といいます。
この理論には、やりたい事や夢を無理に追いかけずとも、より良いキャリアを歩むヒントが隠されていそうです。
今日はどの様な理論なのか、どう活用すれば良いかをお伝えしていきます。
プランド・ハップンスタンス理論とは?
【プランド・ハップンスタンス理論】を訳すと【計画的偶発性理論(けいかくてきぐうはつせいりろん)】
なんだかややこしそうな名前ですが、どの様な内容なのでしょうか?
プランド・ハップンスタンス理論は、スタンフォード大学の名誉教授、ジョン・D・クランボルツ教授らが1999年に提唱したキャリア理論です。
1999年なので、比較的新しい考え方とも言えるのではないでしょうか?
個人のキャリアの8割は予想もしない偶然の出来事によって決定されている。
その偶然を計画的に引き起こす事で自身のキャリアをより良いものにしていく。
キャリアの8割は予想もしない偶然の出来事によって決定されている
世の中では、「自分のキャリアは、ゴールを見据えてそこに向かってステップアップを重ねるもの」とされるのが一般的ですよね?
夢、達成したい事を思い描き、そこに向かう為の適正を見極め、プロセスを考え、能力を高めながら道を進むという王道のキャリアプランです。
ですが、現実を見てみると、自分の意図して無い偶発的な出会いや思ってもいなかった出来事でキャリアが形成されている事の方が多いです。
実際に、一般的な社会人を対象にクランボルツ教授が行った調査結果では、18歳の時になりたいと考えていた職業に実際就いている人の割合はたった2%でした。
確かに世の中のリアルはそうかもしれませんね。
「じゃあ、成り行きに任せろって事?」
「それって、結局はやりたい事を追いかけなかったり、夢を見つけられなかったりする妥協なのであまり良くない選択肢なんじゃないの?」
こう思われる方もおられると思います。
そこでもう一つのポイントが出てきます。
「その偶然を計画的に引き起こす事で自身のキャリアをより良いものにしていこう」このような考え方です。
偶然を計画的に引き起こすとはどういう事でしょうか?
偶然を計画的に引き起こす事で自身のキャリアをより良いものにする
偶然とは、人生を漫然と過ごしていても色々な事が起こります。
しかし、ポジティブな偶然もネガティブな偶然も起きてしまいます。
なので、偶然の出来事を待つのではなく、ポジティブな行動や精神で過ごす事により、より良い偶然を計画的に引き寄せるというアプローチです。
そんな事できるのでしょうか?
プランド・ハップンスタンス理論では、ポジティブ偶然を計画的に引き寄せるアプローチが提示されています。
次はそれをお伝えします。
より良い偶然を計画的に引き寄せるアプローチ
プランド・ハップンスタンス理論では、より良い偶然を計画的に引き寄せるアプローチを行う為に必要な行動特性が5つ提示されています。
- 好奇心
- 持続性
- 柔軟性
- 楽観性
- 冒険心
それぞれをについて考えてみたいと思います。
好奇心
興味が湧けば行動してみるのが肝心だという事です。
専門分野以外の事に挑戦する事で新たな自分の可能性を発見したり、積極的な行動が素晴らしい出会いを生んでくれたりします。
好奇心を持って行動しましょう。
- 常にアンテナを張る
- 関心を持った事を学ぶ
- 誘われたら一度試してみる
持続性
継続は力なりという考え方です。
時にはやりたくない仕事もあると思います。
ですが、投げ出さずに前向きに続けて上達する事で好きになる事もあります。
失敗してもあきらめずに続ける事で成功する事もあります。
持続性を意識した行動をしましょう。
- やめたい時、本当に今投げ出していいのか考える
- 失敗をしてもあきらめない
- やりたくない事も一定期間やってみる
柔軟性
固定観念に囚われないオープンマインドの意識です。
理想や信念を持つ事は良いと思いますが、柔軟にアップデートしていけると更に良いと思います。
年齢を重ねて自信を深める事で代わりに柔軟性を失う事がありますので要注意ですね。
柔軟に取り入れる行動を心掛けましょう。
- 理想や信念をより良い方向に変える意識を持つ
- 他者の意見を積極的に取り入れる
- マクロとミクロの視点を持つ
楽観性
何事もポジティブに捉えることです。
ポジティブな姿勢の人の下には多くの人が集まります。
ネガティブな要素には、必ずポジティブな要素が隠れていますので、ポジティブな要素に目を向けるようにしましょう。
- 成功を信じて取り組む
- 悪い事が起きた時、その中で良かった事を探す
- 笑顔で過ごす
冒険心
リスクを恐れない事です。
失敗する事で周囲の評価が下がる事を気にしてしまいがちですが、人は挑戦して失敗した人にも敬意をはらうものです。
それよりもやらずに後悔する事の方がリスクではないでしょうか。
冒険心を持って行動しましょう。
- 失敗を恐れずに取り組む
- やりたい事があれば結果は考えずに始めてみる
- リスクがあるからこそ大きなチャンスだと信じる
まとめ
さて今日は【プランド・ハップンスタンス理論】をお伝えさせて頂きました。
夢がなかなか見つからない人、やりたい事探しをしているが見つからない人は、考え方を変えてみるのも良いかもしれませんね。
まずは目の前の人生、仕事、人間関係にポジティブに向き合ってみる。
そうする事で思いもよらない偶然のチャンスや出会いを引き寄せる事ができるのではないでしょうか?
貴方のキャリアに新しい可能性を感じてもらえたら幸いです。
それではまた!
国家資格キャリアコンサルタント 渡邊 和真