
こちらの記事に興味を持って頂きありがとうございます。
キャリアコンサルタントの渡邊です。
今日は、ビジネススキルの「思考法」について焦点を当てたいと思います。
仕事をしていれば、常に課題と向き合う事になります。
「どうすれば、もっと売り上げが上がるのか?」
「どうすれば、もっと効率的に仕事がこなせるのか?」
「どうすれば、もっと職場の人間関係が良くなるのか?」
これらの様々な課題と向き合い、日々、試行錯誤をしています。
そんな課題解決へのアプローチの思考法は3つ、「論理思考」「デザイン思考」「アート思考」と呼ばれています。
これら3つのアプローチ方法を使い分けることで、課題に複数の視点からアプローチする事ができます。
今日はその3つの思考法についてお伝えさせて頂きます。
論理思考・デザイン思考・アート思考
論理思考(ロジカルシンキング)とは、情報を集め、そこから論理的に導き出される答えに辿り着く思考法です。
デザイン思考とは、複数の仮説を立てて、ブラッシュアップしながら答えを探していく思考法です。
アート思考とは、答えを探さずに、自分の選びたいアプローチを行うという思考法です。
これだけでは解りづらいので、プロセスを比較します。
プロセスの比較
まずは課題解決のゴール、課題が起きている理由、解決の障害になる要素、解決に役立ちそうな武器などの情報を集めます。
次に集めた情報の中から既成概念にとらわれずに、一番適切な解決法を導き出して実行する
まずは、現状の観察を行い、課題解決の手法を複数の仮説で考える。
その中からプロトタイプを作り、ブラッシュアップを重ねて解決に導く
自分がやれる事は何か、自分はどうしたいかなどを考える。
自分にとって魅力的であるアプローチを採る。
まだ、ちょっとわかりづらいでしょうか。
次に具体例で比べてみます。
3つの思考法の例
例として、あなたはキッチン用品の商品企画を考えなければなりません。
これを「論理思考」「デザイン思考」「アート思考」の観点から実際のアプローチを考えてみます。
情報を集めた結果、次の様な事がわかりました。
- キッチン用品の顧客層は、30代~40代の女性がメインターゲット
- 毎年冬が近くなると圧力鍋が売れる
- 価格帯は、15,000円~20,000円位の物が売れ筋
- 圧力鍋なら自社の技術的な優位性も保たれる
以上の事から、30代~40代の女性をターゲットにした、19,800円の圧力鍋を開発した。
とても、王道な考え方ですね。
必要な情報を集めて、その中から最適解を出しています。
売れるキッチン用品を開発する為に、アプローチの手法を複数考えてみます。
- 売れ筋の商品の企画開発を行う
- 最近は男性のキッチン用品の需要が伸びているので、あえてここをターゲットにしてみる
- 富裕層を狙った高額商品というのも競合他社とのすみ分けができる
その中から、今回は男性をターゲットにしたキッチン用品を商品化の方向で進める事にした。
今後は、どんな商品にするのかをブラッシュアップしながら開発を進める。
王道のアプローチも視野に入れつつ、他の可能性を模索します。
SNSの普及など、マーケティング手法が多様化した事で、細かいニーズにも応える事ができるようになった為、論理思考で導く最適解以外の選択肢が採れるようになり、デザイン思考が広まりました。
共通点として、論理思考もデザイン思考も顧客のニーズを探っており、顧客視点で思考しているのは同じです。
顧客ではなく、自分を起点として思考します。
- 自分は誰の為のキッチン用品を作りたいのか?
- 自分はどんなキッチン用品を作りたいのか?
- 商品のどこにこだわりたいのか?
自分は、世界一軽くて場所を取らないフライパンを作りたいので開発した。
サービスの多くは、顧客志向で考えられます。
その中でアート思考は、自分のこだわりを追求します。
その為、全く成果に繋がらない可能性を秘めていると同時に、顧客志向では辿り着けなかった答えが見つかる可能性も秘めています。
AI化が進み、データから最適解が簡単に割り出す事ができる様になり、違う選択肢、革新的なアイデアを生み出す為にもアート思考が注目されています。
まとめ
さて、今日は3つの思考法について書かせて頂きました。
3つの思考法とは
- 論理思考
- デザイン思考
- アート思考
【論理思考】
集めた情報から、最適解を導く思考法
【デザイン思考】
複数の選択肢から仮説を立て、ブラッシュアップしながら答えを探す思考法
【アート思考】
自分を起点にする事で、顧客志向では生まれない可能性を探す思考法
この3つの思考法は、論理思考⇒デザイン思考⇒アート思考という順序で注目された為、論理思考やデザイン思考は時代遅れの考え方だと捉えている方もおられます。
ですが、どの思考法が良いという話ではありません。
こうした3つの思考法があり、その時々でアプローチを変えたり、1つの思考で上手くいかない場合に別の思考で試すなど、相互が補完し合う関係性だという事です。
思考に行き詰った際は、この記事を思い出してみて下さいね。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
この記事が、あなたのキャリアにプラスになれば幸いです。
それではまた!
国家資格キャリアコンサルタント 渡邊 和真