面接前に要チェック!!採用担当者目線で考えてみる【面接の4つの落とし穴】

最近は、自粛生活などで自分を見つめ直す時間が増えている様で、転職希望者も増えています。

逆に企業の採用はコロナウイルスの経済的ダメージの見通しを測れない為に、採用を控えている会社も多くなり、就職、転職市場は激戦になっています。

この様な状況下では、面接においても採用を勝ち取るのは困難で、転職先を探している立場の方々には厳しい状況ですね。

私は、普段から企業の採用担当として日々面接を行っています。

厳しい状況下ではありますが、面接で上手く結果が出ない方には傾向があり、対策を立てるだけでも大きく結果が変わってくると考えています。

今日は、企業の採用担当者としての立場から、上手くいかない面接者の4つの傾向とその対策法をお伝えしていきたいと思います。

上手くいかない理由その1「本音が見えない」

まず、1つ目の面接が上手くいかない理由は「本音が見えない人」です。

本音が見えない人って信用ならないですよね?

皆さんも同じようにお考えだと思います。

「私は本音で話しているから大丈夫」って思っている方は要注意です!

実はこの問題の難しさは、「自分が本音で話しているか」が問われるのではありません。

「面接官が自分の事を本音で話す人だと認識してくれるか」が問われます。

よって、面接官の中で「疑わしい」となるだけで不採用になる可能性が高いという事を踏まえないといけません。

これが意外と難しいんです。

ちなみに残念ながら面接官は、嘘をついている人と正直に話している人を正確に見抜く事はできません。

嘘を見抜ける確率というのがアメリカの研究結果でも出ていて、2万4千人を対象に行った被験者が他人の嘘を見抜ける確率はたった54%だったそうです。

しかも、一般人だけではなく、面接官や警察官等の仕事柄、他人を問いただすことが多い人達を職業別で調べた研究でもほぼ5分5分の確率という研究結果が出ています。

つまり、個人差はあるものの、面接官のほとんどは嘘と本音を正確に見抜く事はできないという事です。

その為に、自分が本音で話していようとも面接官に嘘だと思われる可能性があるという事です。

ではどうすればいいのでしょうか?

私が面接をしていて本音で話していないと感じる事が多いのは「建前」の話が多い人です。

しかも、面接官はかなり早い段階で判断を行いますので、序盤の「自己紹介」や「志望動機」で様子を見る為に建前で話をすると無駄に「本音で話をしない人」の烙印を押される結果に繋がります。

なので、自分の思っている以上に序盤から積極的に自分をさらけ出す様に振る舞う事が重要なのではないかと考えています。

更に自分をさらけ出すのは相手の本音を引き出すにも有効な行為です。

自分をさらけ出す事で、面接官の本音も引き出してペースを掴みましょう。

素直に自分をさらけ出している方は、それだけで好印象ですよ。
話の内容よりもずっと大事な事だと思います。

上手くいかない理由その2「真面目な顔で真面目な話をする」

2つ目の面接が上手くいかない理由は「真面目な顔して真面目な話をする人」です。

残念ですが、「真面目な顔して真面目な話をする人」は高確率で落ちます。

これで不採用になっている方は非常に多いので気を付けて下さいね。

真面目な事はもちろん良い事なのですが、伝わりにくい事が問題になります。

メラビアンの法則という有名な法則があります。

これによると、人に与える印象の割合は以下の様になります。

視覚情報が55%(表情・仕草・見た目・視線など)

聴覚情報が38%(声質・声の大きさ・抑揚・テンポなど)

言語情報が7%(語彙力、話の内容など)

この結果を見ると、人は視覚情報と聴覚情報でほとんどその人の印象を決めているという事ですね。

人は見た目が9割なんて言われているのもこの為です。

もちろん面接官もこれに漏れず、見た目がニコニコ笑顔でいる人や、身振り手振りの大きい人、感情を込めて抑揚をつけて話をする人に好印象を持ちます。

そういった理由から真面目な顔してお話される方は、印象だけの評価で「悪い人じゃないけど、採用するほどでもないかな。」という評価になってしまいがちなんです。

もちろん、長く面接を行えば話の内容も徐々に伝わるのですが、最初の見た目で良い印象与えている人と与えていない人では差が出てしまいます。

何故なら、面接官の性質として序盤で良い印象を与えた人は「良いとこ探し」の面接を行いますが、序盤の印象が普通か良くないと「悪いところ探し」の面接を行います。

なので、序盤の見た目で与える印象が後半にも影響するという事です。

面接者からすれば、公平に話の内容で判断してほしいと思ってしまいますよね。

でも残念ながら面接官も人間です。

「自分は公平に判断のできる人間だ」と思っているけど、「様々な心理的な情報により判断が鈍る人間だ」という事を自分では認識をしていない事がほとんどなのが現実です。

その為、面接者はこれを逆手にとって積極的に視覚情報や聴覚情報から良い印象を早めに与える努力をする方が優位に立てるという事を是非覚えておいてもらいたいです。

面接官も所詮は人間なのだと思って対応してみましょう。

上手くいかない理由その3「みんなと同じ話をする」

3つ目の面接が上手くいかない理由は「みんなと同じ話をする人」です。

先程お伝えした通り、序盤で良い印象を与えると面接では優位に立てますし、面接官もしっかりこちらの話を聞いてくれる様になります。

そうなると話の中身も重要になってきます。

そんな時、沢山の応募者と同じようなエピソードや質問をしていると埋もれてしまいます。

企業の面接官は人気の企業であればあるほど毎日複数の面接者の話を聞いています。

そんな中でもきちんと全員の話を公平に聞くのが面接官の役割のはずなのですが、現実はそうもいきません。

面接官も普通の人間なので似たような話を聞かされると徐々にテンションが下がる事もあります。

就活生なら部活やサークル、ゼミで頑張った話は定番ですし、転職者なら前職で取り組んだ事や退職理由は定番です。

その様な話をする時は、人が興味を引くような特別なエピソード話ができないなら、自分の思っているより短めに話す事をこころがけましょう。

そうすれば、興味がある事なら面接官から深堀りされますし、興味がなければ次の話題に当たり障りなく進んでくれるでしょう。

更に質問タイムも重要です。

定番の質問である、「入社するまでにどんな事を勉強したらいいですか?」や「1日の仕事の流れを教えて下さい。」等には飽き飽きするほど答えています。

あまり他の応募者から聞かれなさそうな事を質問をする方が面接官に対するアピールになりますよ。

もちろん、質問タイムなので本当に聞きたいのであれば聞いても問題はないのですが、聞き方に変化をつけるのが重要ではないかと思います。

例えば、「1日の仕事の流れを教えて下さい。」を「1日の仕事の流れを想像してみたのですが、朝は〇〇で午後は〇〇でその後は〇〇の様な流れが多いのではないかと考えたのですがいかがでしょうか?」等、人と伝え方を変えるだけで印象は大きく変わると思います。

面接は人気企業ほど消去法で決める事はほとんどありません。

人との違いを見せて唯一無二の面接者である事をアピールする事が採用を勝ち取る近道ですよ。

面接者にとってその会社は一度きりの勝負ですが、面接官は沢山の応募者に対応しています。
それを理解した上で対策を考えましょう。

上手くいかない理由その4「相手のメリットを伝えられない」

4つ目の面接が上手くいかない理由は「相手のメリットを伝えていない人」です。

これもかなり多くの人が不採用になっている理由です。

面接という場は、企業にとっては面接者に自社がどれだけ魅力的かアピールする場です。

面接者にとっては企業に自分がどれだけ魅力的かアピールする場です。

これを理解せず、自分のアピールが不十分な中で企業の事だけを知ろうとして見送られるというのがありがちなパターンです。

志望動機は非常に分かりやすいと思います。

志望動機という言葉だけを聞けば、自分がこの会社を志望した理由を伝えれば良い事になります。

ですが、自分をアピールする意識を持っている面接者の場合は自分が志望した理由に加えて「〇〇という部分が御社の力になれると考えましたので志望致しました。」等の相手のメリットも合わせて伝える事をきちんと意識しています。

面接者の志望動機によくありがちなのが「御社では〇〇が成長できそうなので志望しました。」というのが良くあるのですが、これだけでは自分のメリットという意味で伝わります。

これを、「御社では〇〇を成長させる環境が整っており、その成長が御社の利益に直結する内容だと認識しております。私も早期に利益を上げて会社に貢献したいと考えておりますので志望しました。」に伝え方を変えてみます。

これだけで同じことを伝えているのですが、自分のメリットから相手のメリットも伝える文面に変わります。

序盤の志望動機から後半の質問タイムまであらゆる場面で意識してもらいたい内容ですので是非意識してみて下さい。

自分が企業にとって採用するべき理由があるという事をしっかり伝えて下さいね。

相手に採用するメリットを伝えるというシンプルな内容ですが、意外と抜けている事が多いので気を付けて下さいね。

まとめ

さて、今日は採用担当者の立場から4つの面接が上手くいかない理由をお伝えさせて頂きました。

上手くいかない理由4つは以下となります。

  • 本音が見えない人
  • 真面目な顔して真面目な話をする人
  • みんなと同じ話をする人
  • 相手のメリットを伝えていない人

その対策法は以下となります。

  • 序盤から積極的に自分をさらけ出す
  • 笑顔や身振り手振り、抑揚で早めに好印象を与える
  • 人と違う表現やエピソードを意識する
  • 自分を採用する事が企業のメリットであるという事をきちんと伝える

また、面接官も人間なので完璧などはありえません。

必要以上に身構える必要はありません。

むしろ、それを踏まえて対策を立てましょう。

残念ながら全ての面接に合格する人などいません。

その必要もありません。

自分を素直に表現して自分にあった企業を探しましょう。

今日お伝えした事があなたの面接対策に少しでもお役に立てれば幸いです。

応援しております。

キャリアコンサルタント

渡邊 和真

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