こちらの記事に興味を持って頂きありがとうございます。
キャリアコンサルタントの渡邊です。
今日は「キャリアとトレードオフ」についてお伝えしたいと思います。
私は普段から転職活動など、キャリアに関する相談を受ける事が多いのですが、多くの方がキャリアにおけるトレードオフに悩まされています。
「仕事に注力し、家族を顧みずにいたせいで家庭が崩壊した」
「プライベートな時間を優先したいので、正社員の仕事は諦めて派遣で働いた」
「毎日残業で体を壊してしまった」
この様に何かを手に入れる為に別の何かを犠牲にする。
そのようなキャリアを選択してしまい、追い詰められて「バランスよく全てが安定している仕事はないものか?」と多くの方が悩まれています。
今日は、このキャリアのトレードオフ問題について考えてみます。
幸せなキャリアは4つの柱で考える
幸せなキャリアかどうかは、「仕事」「健康」「家族」「友人」の4つの柱がどれだけ充実しているかが決まります。
「お金は?」と言われる方もいるかもしれませんが、お金自体はただの紙切れですし、仕事が充実して「稼ぐ力」があれば手に入ります。
仕事
仕事とは「誰かに貢献して対価として収入を得る事」です。
仕事が充実していれば、誰かに貢献する事で満足感を得られてやりがいを感じる事ができ、生きる為の収入が手に入ります。
主に「やりがい」と「お金」の2つがあります。
健康
仕事をして、美味しいものを食べて、好きなところに出かけて、友人や家族と遊ぶ、これら当たり前の事も健康が充実していてこそです。
「精神的な健康」と「肉体的な健康」の2つがあります。
家族
家族とは、一番距離の近しい人間関係になります。
人生をサポートし合う関係性で、毎日を共に過ごす為、関係性が充実していれば、癒しや活力を得る事ができます。
友人
家族と同じ人間関係ではあるものの、家族では得られない充実感をもたらしてくれるものが友人です。
自分とは違う「会社」「家庭」「学校」などのコミュニティーで生活しており、家族では得られない多様な価値観をもたれしてくれ、場合によっては家族に話せない事を共有する存在になりえる場合もあります。
これら4つの柱をどれも充実させたいと願うものなのですが、現実的に可能なのでしょうか?
キャリアはトレードオフが現実なのか?
まず、トレードオフとはどういう意味なのでしょうか?
トレードオフとは、何かを得る為に別の何かを犠牲にしなければならない関係の事
「あちらを立てればこちらが立たず」の両立できない関係性
キャリアはこのトレードオフで選ぶのが現実的なのでしょうか?
実際に、家族との関係は良好で、仕事も上手くいき、友人にも囲まれ、健康な人もおられます。
4つの柱を充実させている方も実際におられるので、手に入れる事は可能です。
どうすれば手に入る
残念ながら、今まで私が出会った4つの柱を充実させている人の中で、最初から4つ全てが充実している人はいませんでした。
その全てが「最初は4つの柱の優先順位を決めて、どれかをトレードオフにしてきた人」ばかりでした。
「若いうちに無理がきくから健康は犠牲にして仕事に費やそう!」
「仕事は転々としてきたけど、人間関係には非常に気を遣って人脈は広げてきた。」
こうしてトレードオフで何かを犠牲にしながらも、自分を磨き、最終的に4つの柱を充実させていく事を目標に行動してきた人達だけが手に入れています。
「私は恵まれて無くても良い!それなりにバランスが取れていれば良い!」って思う方もいるかもしれませんが、そう言っている人でバランスの取れたキャリアを手に入れている人を見た事がありません。
よほど恵まれた環境でない限りは、「4つのバランスが取れるキャリアは難しい」という認識を持つ事から始める必要がありそうです。
優先順位を決める
まずは、4つの柱の優先順位を明確にする事から始めてみましょう。
「仕事」「健康」「家族」「友人」どれが自分にとって大事なのか、どれなら犠牲にできるのか、向き合った事はありますか?
ここを明確に決めるだけでも、非常にキャリアのデザインがしやすくなりますのでオススメです。
最後に
幸せとは人それぞれです。
4つの柱が充実している事に越した事はないですが、トレードオフで何かを犠牲にする事で別の柱が充実すれば、4つ全てが充実しなくても幸福だと感じる人もおられます。
その為にも、是非とも自分の価値観に向き合って優先順位を考えてみて下さい。
その上で、4つの柱全てを手に入れたいと願うなら、簡単には手に入りません。
転職などで環境を変えただけで手に入るとは思わない方が良いでしょう。
「どの会社、どの業界に転職すればバランスの良いキャリアが手に入るのか?」と考えるだけではなかなか手に入れるのは難しいと思います。
今の自分ならどうすれば手に入るのかを考え、目標を定め、その為に必要な職場を探すという視点を持つ必要がありそうですね。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
この記事が、あなたのキャリアにプラスになれば幸いです。
それではまた!
国家資格キャリアコンサルタント 渡邊 和真