こちらの記事に興味を持って頂きありがとうございます。
キャリアコンサルタントの渡邊です。
今日は、正しい日本語の難しさ「類義語」についてお伝えしたいと思います。
日本語は、一般的に浸透している意味で使うと、本来の正しい意味じゃなく使っている事がよくあります。
私も考えもしなかったのですが、先日、何気なく付けていたテレビドラマで、強烈に耳に残ったやり取りがありました。
A「今、私の話した内容が事実です。」
B「それは真実かもしれませんが、事実ではありません。」
この様なやり取りで、事実と真実に別の意味がある事に気付かされました。
大人になれば、この様な正しい日本語の意味を知っておかないと恥ずかしいと感じるようになりますよね。
知っておくべき大人の教養として内容をシェアさせて頂きます。
事実と真実の違いは?
事実・・・本当の事、実際に起きた出来事、客観的
真実・・・本当の事、嘘偽りの無い事、主観的
事実も真実も本当の事を指すのですが、一番の違いは「事実は客観的」で「真実は主観的」だという事です。
ちょっとわかりづらいですよね?
例を出します。
AさんはBさんを自宅に招きました。
Aさんは、「美味しい晩御飯を食べさせてあげるから家においでよ」と言い、Bさんは、「晩御飯を食べさせてくれるなら行くよ」と答えました。
そして、Aさんの家に行って出てきたのは「たこ焼き」でした。
Bさんは、「たこ焼きなんておやつじゃないか!晩御飯を食べさせてくれると言ったのに!」と主張しました。
Aさんは、「たこ焼きは、晩御飯だよ!私は週に2回は食べている!」
この場合はどうなるのでしょうか?
「Aさんがせっかく出してくれたんだから文句言うなよ!」という気持ちは、一旦、胸にしまっておいてください。
Bさんの「たこ焼きはおやつだ!」という主張と、Aさんの「たこ焼きは晩御飯だ!」は、自分の偽りない主張なのでどちらも真実です。
そして、「Aさんの家で出た晩御飯はたこ焼きだった」が事実となります。
別の例を出します。
Aさんを殺した容疑者としてBさんが捕まりました。
Bさんは、「私が階段から突き落としてしまった。私が殺してしまったのだと思う」と言っています。
ですが、実際に調べを進めてみると、Aさんの死因は「階段から落とされた後、強盗に暴行を加えられた為」とわかりました。
この場合はどうでしょう?
Bさんの、「私が階段から突き落としてしまった。私が殺してしまったのだと思う」は真実でしたが、事実ではありませんでした。
事実は、「Aさんは、Bさんに階段から突き落とされた後、強盗に暴行を加えられた為」です。
非常にややこしいですね。
理解していても使い方を間違えてしまいそうです。
他にも色々、類義語の使い方
他にもある類義語で意味の混同しそうなものを一部紹介します。
給与と給料
給料・・・正規の勤務時間に対する報酬、基本給
給与・・・給料に、残業代や賞与や各種手当が足された報酬
これは結構間違えて使ってそうですね。
「最近残業が多いから、給料増えたんだよ。」は間違った日本語という事です。
休日と休暇
休日・・・労働義務を負わない日の事
休暇・・・労働義務がある日に、その労働が免除される日の事
どちらも休みには変わりはありません。
会社との契約として、労働義務を負う日と負わない日で、休日と休暇は分けられています。
基準と標準
基準・・・明確に示された、判断や評価のよりどころ
標準・・・明確ではない、平均的や一般的な判断や評価のよりどころ
ルール化されているのが基準で、「平均的」「一般的」「代表的」なのが標準です。
以後と以降
以後・・・今から後
以降・・・指定した○○から後
どちらも○○より後という意味ですが、以降はいつからかを示して使います。
なので、「以降は気を付けるように!」は、いつからかを指定していないので使い方としては正しくないという事になります。
異議と異論
異議・・・他の人と違う意見、反対の意見、不服の意見
異論・・・他の人と違う意見
どちらも他の人と違う意見という意味ですが、異議の方が意味が広いですね。
ちなみに、異論を反対の意見という意味で使いたいなら「反論」となります。
適切と適当
適切・・・過不足なく当てはまっている
適当・・・ほどよく当てはまっている
これは、適当の使い方を間違えている方は多いのではないでしょうか。
「でたらめ」や「いい加減」という意味で適当を使う方も多いのですが、本来の意味とは違います。
効果・効能・効用
効果・・・行為によって出された結果
効能・・・行為によって出される働き
効用・・・行為の使い道
風邪薬の効果は、風邪が治るという結果
風邪薬の効能は、咳や鼻水などの風邪の諸症状の緩和
風邪薬の効用は、風邪を治す為、風邪の諸症状を抑える為
まとめ
やはり、日本語って難しいですね。
他にもたくさんありそうで、知らず知らずのうちに間違えていそうです。
確かに、多少は本来と意味の違う使い方であろうとも、世の中にまかり通っている意味であれば、指摘を受ける事は少ないと思います。
ですが、そういった本来の意味ではない日本語を使っていると、分かる人からの評価が下がる事もありますので、大人の教養として美しい日本語は身に付けていきたいものですね。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
この記事が、あなたのキャリアにプラスになれば幸いです。
それではまた!
国家資格キャリアコンサルタント 渡邊 和真