理想のリーダーになる為、リーダーシップとマネジメントの違いを知る

こちらの記事に興味をもって開いて頂きありがとうございます。

キャリアコンサルタントの渡邊です。

今日は、管理職に求められる能力「リーダーシップ」「マネジメント」についてお伝えしたいと思います。

私は普段から中途採用の面接官やキャリア相談をしているのですが、多くの方のキャリアプランに「管理職になりたい」という希望が出てきます。

そんな将来を描いている方々にとって必要な知識として「リーダーシップ」と「マネジメント」の違いや要素を今日はお伝えしていきたいと思います。

図解、リーダーシップとマネジメントの違い

リーダーシップとマネジメントの違いを図にまとめましたのでご覧ください。

リーダーシップとは、組織の将来のビジョンにメンバーを導く能力です。

長期的な視点で、ビジョンに向かう為のモチベーションを維持させるのがリーダーシップです。

マネジメントとは、組織の目標を達成させる為の施策を立案して実行する能力です。

現在の状況を把握し、システムやルールを管理し目的達成に向けた問題解決するのがマネジメントです。

違いを理解しておけば、どんな管理者を目指すのか?
今の自分には何が足りないのかを考えるのに役に立ちそうですね。

次に、表でまとめられた違いを詳しくみていき理解を深めましょう。

役割の違い

リーダーシップは将来のビジョンを提示する

リーダーの役割は、組織の未来の姿を創造させ、希望を持たせる事です。

将来のビジョンに共感してもらう事で、メンバーは実現に向けた強烈な推進力を得る事ができます。

リーダーとは「希望を配る人」のことだ。

フランスの皇帝・革命家 ナポレオン・ボナパルト

フランス革命後の民衆に希望を与えて支持を集め、皇帝まで昇りつめた革命家であるナポレオンらしい名言ですね。

組織に将来のビジョンを提示する。それがリーダーシップです。

マネジメントは具体的な施策を立案し、実行する

マネジメントの役割は、組織の資源をどう活用して目標達成するかを考えて実行する事です。

具体的な施策を提示する事で、メンバーは行動を開始することができます。

マネジメントとは、限られたヒト・モノ・カネ・そしてタイムをやりくりし、それぞれの最大活用を図ることである。

リクルート創業者 江副 浩正

マネジメントの役割をこれ以上ないほどわかりやすい言葉で表現されています。
ヒト・モノ・カネに加えてタイムを入れているところが組織の資源を明確に捉えていると感じます。

目標達成の施策を考え、実行するのがマネジメントです。

視点の違い

中長期的、未来志向のリーダーシップ

5年後10年後を見据えた会社の未来を伝えるのがリーダーシップです。

「組織をどうしたいのか?」

「その時にメンバーどうなっているのか?」

組織のメンバーが前向きになれる未来を描く事で、前に向かう気持ちを後押しします。

短期的、現在思考のマネジメント

現在発生している課題に取り組むのがマネジメントです。

「現在地はどうなっているか?」

「今は何ができるのか?」

今の現状に目を向け、足元を見て前に進む道を作っていきます。

未来を語る前に、今の現実を知らなければならない。

現実からしかスタートできないからである。

経営学者 ピーター・F・ドラッガー

将来に素晴らしい未来が描けていても、現状の課題を解決できなければ辿り着く事ができません。

活動内容の違い

人材のモチベーション管理を行うリーダーシップ

ポジティブなメッセージを発して、メンバーが自ら動く状態を作り上げるのがリーダーシップです。

メンバーが落ち込んでいる時には励まし、立ち上がる意欲を持たせたり、自ら行動して背中を見せて勇気を与えたり、モチベーションコントロールに尽力します。

リーダーに選ばれることは、王冠を与えられることではない。

他のメンバーの実力を最大限に発揮させる責任が与えられるのだ。

元ゼネラルエレクトリック社の最高責任者 ジャック・ウェルチ

人の上に立つのがリーダーではなく、自分の発信で他のメンバーの力を引き出すのがリーダーだという事ですね。

システムやルールの構築を行うマネジメント

組織内のシステムやルールを整備する事で結果を引き出すのがマネジメントです。

現在の組織の状況を定量的に分析し、機能させる方法を模索します。

メンバーの人員配置や予算管理、短期目標の設定、戦術の立案等を行いながら、PDCAサイクル(Plan計画・Do実行・Check評価・Action改善を繰り返すこと)を回します。

現実が主人である。

カリスマの公約、プログラム、思想に対し現実のほうが膝を屈することはない。

経営学者 ピーター・F・ドラッガー

リーダーシップが情熱的で美しいイメージがある反面、マネジメントが面倒で地味なイメージもありますが、システムやルールが安定しているからこそ皆が安心して力を尽くせるのではないでしょうか?

必要なスキル

人間的魅力や創造性が必要なリーダーシップ

メンバーに将来のビジョンを魅せるには、人間的な魅力が不可欠です。

いくら理想が素晴らしくとも、伝える人間に普段の行いや発言に問題があってはメンバーに届きません。

人を動かすことのできる人は、他人の気持ちになれる人である。

その代わり、他人の気持ちになれる人というのは自分が悩む。

自分が悩んだことのない人は、まず人を動かすことはできない。

本田技研工業の創業者 本田 宗一郎

人の気持ちを知るからこそ、人に共感してもらえる理想が伝える事ができるのかもしれませんね。

そして、魅力的な将来のビジョンを描く為にも、未来を創造する力が必要になるでしょう。

管理能力や実現力が必要なマネジメント

様々な状況を考慮し、対応できるシステムやルールを作り、運用する為には管理能力が問われます。

面倒だと感じる事であっても、必要なプロセスなのであればメンバーに順守させる規律を徹底しなければなりません。

そして、現在行われている施策が現実的で実現性があるかを論理的思考で測れるかどうかも問われます。

凡人が非凡な働きをできる組織が目指すべき組織である。

経営学者 ピーター・F・ドラッガー

強力なシステムは、組織を大きく底上げする事ができます。
人的リソースに頼らない戦いができるのもマネジメントの強みです。

求められる人物像の違い

この人に認められたら嬉しいと感じるリーダーシップ

組織のカリスマ的存在がリーダーシップです。

「この人が言うならチャレンジしてみよう!」

「信じてついていこう!」

「この人に認められたい!」

この様な感情を抱かせる人物がリーダーシップの高い人です。

能力以上に、謙虚さや責任感、情熱といった人格面が重要になりそうです。

勝ち戦には100人もの将軍が名乗り出るが、負け戦は一人で責任を負うのみだ。

第35代アメリカ合衆国大統領 ジョン・F・ケネディ

この様な潔い姿勢もリーダーシップに求められる要素の1つです。

この人に任せたら安心と感じるマネジメント

実務家としての能力が求められるのがマネジメントです。

メンバーが困った状況に陥ったとしても、冷静に状況を見極め、できる事に焦点を合わせて的確な行動を取れる人です。

「この人が取り組めばもう大丈夫!」

「安心して任せる事ができる!」

「どんな時も最善の手を考えてくれる!」

この様に感じてもらえる人がマネジメント力の高い人と言えます。

感情に流されない判断を下し、実務的な能力から安心感を与えられる人物が理想です。

まとめ

今日はリーダーシップとマネジメントについてお伝えさせて頂きました。

こうして比較してみると、相反する要素が多くみられますね。

つまり、両方の性質を持つのは難しいという事です。

リーダーシップとマネジメントを兼ね備えた理想の管理者はなかなか居ないという事ですね。

私自身もマネジメントの経験を振り返ると色々足りてなかったと反省します。
こうして要素分解すると自分にとって必要な事は何なのかを再確認できます。

だからこそ、今後、管理者を目指す方には是非とも理想の管理者を目指して頂きたいと思います。

幸いにも、リーダーシップやマネジメント能力は後天的に育てる事ができる能力です。

マネジメントの才能は、幸いにも音楽や絵画とは違って、生まれながらのものではない。

経営の才は、後天的に習得するものである。それも99%意欲と努力の産物である。

リクルート創業者 江副 浩正

そして、管理者になる前から育てる事ができる能力です。

管理職を目指している方は、ご自身の理想の管理者を描き、そこに至るプロセスを考えて実行してみて下さい。

そうすれば、リーダーシップとマネジメントを兼ね備えた管理者になれるのではないでしょうか。

それではまた!

国家資格キャリアコンサルタント 渡邊 和真

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