知っておきたい大人の教養【年末とお正月の日本文化】まとめ

こちらの記事に興味を持って頂きありがとうございます。

キャリアコンサルタントの渡邊です。

毎年、この時期になれば、新年を迎える準備や、年末年始に行われる行事や習慣を意識しますね。

普段からなんとなく行っているしきたりや、参加している行事にも意外と知らない事は多いものです。

今回は、知っておきたい大人の教養として年末年始の日本文化についてお伝えしたいと思います。

正月事始め

正月事始め(しょうがつことはじめ)とは、正月を迎える準備を始める日で12月13日です。

12月13日は旧暦で「鬼宿日」にあたる事から、年神様を迎える準備を始めるのにふさわしい日とされました。

鬼宿日とは、「鬼」が付く日なので悪い日に感じがちですが、「鬼が宿にいて外に出歩かない日」なので鬼に邪魔されない吉日とされているそうです。

この正月事始め頃から、大掃除行い、掃除が終わればお正月飾りを始めます。

お正月飾り

お正月飾りとは、「門松」「しめ縄」「鏡餅」ですね。

先述の通り、お正月飾りは、正月事始めから年明けまでにやれば良いのですが、あまり良くないとされている日もあります。

お正月飾りを飾り始めるのが良くないとされている日は、12月29日と12月31日です。

12月29日は「29=二重の苦」の意味があります。

12月31日は葬儀と同じ「一夜飾り」で縁起が悪いとされています。

門松

門松は、年神様が迷わないように家へ案内する為の印として玄関先に飾ります。

葉が長く太い「雄松(おまつ)」と短く細い「雌松(めまつ)」があり、玄関に向かって左に雄松、右が雌松を飾ります。

しめ縄

しめ縄は、神様が宿る場所の印として飾ります。

神様の領域と現世を隔てる結界となり、不浄なものが中に入らないようにする厄払いの役目も果たします。

その由来は、天照大神が天の岩戸から出た際に、もう一度戻らない様にしめ縄で塞いだ事のようです。

お正月では、そのしめ縄に縁起物などの飾りをつけたものが飾られます。

鏡餅

鏡餅は、年神様が来られた時の居場所として飾ります。

年神様へのお供え物とも言われています。

日本の三種の神器の1つも鏡であるように、鏡は神様が宿る神聖なものとされています。

その鏡に見立てたお餅を、陰と陽に見立てて二段に重ねて飾ります。

大晦日

大晦日(おおみそか)の「晦日」とは、月の末日の事を指します。

1年の最終の晦日なので「大晦日」と呼ぶのです。

年越しそば

大晦日の年を越す前に食べるのは「年越しそば」ですね。

年越しそばの由来は諸説あります。

  • 細く長いので、長寿を祈って食べる様になった。
  • 途中で切れやすい麺類なので、苦労と縁が切れる。
  • 職人が散らかった金銀を集める為にそば粉を使った事から、金運が上がる。
  • 蕎麦は雨風にさらされても、陽の光を浴びると元気になる事から、無病息災への願い。

除夜の鐘

大晦日のことを、旧年を除く日として、徐日とも呼びます。

その為、除夜の鐘の「除夜」というのは、大晦日の夜を指します。

そして、108回という数は、人間の煩悩の数を表しており、煩悩を取り除いて清い心で新年を迎えるという意味があります。

元旦と元日

元旦と元日の違いはご存知ですか?

元旦は、1月1日の朝という意味になります。

「元」は初めという意味、「旦」は「-」地平線の上に「日」があるという字なので、朝や日の出の意味なので、併せて、1月1日の朝(初めの日の朝)を指します。

元日は、シンプルに1月1日を指します。

初夢

初夢に見ると縁起が良いとされているベスト3「一富士、二鷹、三茄子」は有名ですね。

以降は、「四扇、五煙草、六座頭」とされています。

良い夢を見るには、七福神の乗っている宝船の絵を枕の下に敷いて寝ると良いとされてきました。

そして、その絵には次の回文を書き入れると良いそうです。

長き夜の 遠の眠りの 皆目覚め 波乗り船の 音の良きかな

なかきよの とおのねふりの みなめさめ なみのりふねの おとのよきかな

七福神が乗っている宝船の絵に書き入れる回文

上記は、前から読んでも後ろから読んでも同じ文になります。

お年玉

元々は、「お年魂」と書いたそうです。

年神様へのお供え物である丸い餅には、神様の魂が宿るとされています。

その魂の宿った餅を、年少者に分け与えていた事がお年玉の始まりのようです。

初詣

初詣の由来は、家長が大晦日の夜から元日の朝にかけて氏神神社に籠る「年籠り」という習慣です。

年籠りが、大晦日の「除夜詣」と元日の「元日詣」に分かれ、元日詣が初詣の原型になりました。

現在では有名な寺社に参拝するのが一般的ですが、せっかくなので由来を考えると、まずは自分の氏神様にお参りするのが良いのではないでしょうか?

お賽銭

元々は金銭ではなく、お米などの穀物が供えられていたそうです。

現在でも、神社でお祓いをした時に収める「初穂料」という名称を目にした事がある方もいると思いますが、お米などの穀物が供えられていた頃の名残です。

やがて貨幣取引が一般化する事で、金銭に代わり「賽銭」となりました。

おみくじ

初詣に行けば、一年の期待を込めておみくじを引く方も多いと思います。

元々は、国の祭政に関する重要事項において、神の意志を問う為に行われた籤引きが起源とされています。

おみくじの運勢が良い順番に「大吉⇒吉⇒中吉⇒小吉⇒末吉⇒凶⇒大凶」が一般的ですが、細分化されたり、順番が入れ替わったりもします。

ちなみに、引いたおみくじは、結んで帰るのも良いですが、書いてある内容を教訓にする為に持ち帰るのが良いという考え方もあるそうです。

松の内

松の内とは、正月の門松を飾る期間の事です。

一般的に東日本は7日、西日本は15日が多いとされています。

松の内を過ぎたら正月飾り(門松としめ縄)を片付けます。

片付けた正月飾りは、1月15日前後に神社で行われる「どんど焼き」に持っていくのが良いでしょう。

七草粥

七草粥は、1月7日の「人日の節句」の朝に食べる料理です。

その一年の無病息災を祈って食べます。

七草粥の材料は、

  • 芹(せり)
  • 薺(なずな)
  • 御形(ごきょう・ははこぐさ)
  • 田平子(はこべら・はこべ)
  • 仏座(ほとけのざ・こおにたびらこ)
  • 菘(すずな・かぶ)
  • 清白(すずしろ・だいこん)

この様な短歌もあります。

せり なずな

ごきょう はこべら

ほとけのざ

すずな すずしろ

春の七草

春の七草の短歌

ただ、地域によって使う材料は違いもあります。

今回ご紹介したものが比較的一般的なものとして受け取って下さい。

鏡開き

鏡開きは松の内が終わってから行います。

その為、東日本では1月11日に行われる事が多いですが、西日本では1月15日や20日に行われる事が多いです。

鏡開きでは、年神様にお供えした鏡餅を、お雑煮やお汁粉にしていただき、無病息災長寿家内安全を祈ります。

鏡餅は神様が宿っていたものですから、刃物で切る事はせずに、木づちや手で割る様にします。

まとめ

さて、今日は【年末年始の日本文化】について書かせて頂きました。

お正月は、年神様をお迎えし、その年一年の幸せを願う大切な期間です。

こういった文化、慣習、しきたり等は徐々に薄れつつあるようにも感じますが、知ってさえいれば「今年はちょっと正月飾りをやってみよう!」とか考えるかもしれませんし、実際にやってみると少し気分が良くなるものです。

更に今日お伝えした内容は一般的な事ですが、それぞれの土地で文化が違いますから、地元の年末年始の文化を調べてみるのも面白いかもしれませんよ。

是非、いつもとは少し違った年末年始を過ごしてみて下さいね。

ここまでお読みいただきありがとうございます。

この記事が、あなたのキャリアにプラスになれば幸いです。

それではまた!

国家資格キャリアコンサルタント 渡邊 和真

おすすめの記事