キャリアコンサルタントの渡邊です。
今日は、ビジネスや面接において、非常に有効な「ハロー効果」についてお伝えしたいと思います。
この効果は、皆さんも知らず知らずのうちに使っていたり、騙されている効果です。
ハロー効果について知り、上手く活用する事で大きな力になりますので、就活やビジネスで結果を出したい方は是非とも学んで頂きたいと思います。
ハロー効果って何?
ハロー効果とは、心理現象の一つです。
ある人物や物事について評価を行う時に、その対象の持つ目立つ特徴に引っ張られて評価が歪んでしまう現象の事です。
ハロー効果の「ハロー」は聖人の頭上にある光輪の事。
なにか一点に優れている人(光り輝く輪を持っている人)を見ると、他の何もかもが優れて見えちゃうような錯覚という事です。
こんな風に感じた事はありませんか?
- 容姿の優れた人を見て、仕事ができそうと感じる
- 演説が上手な政治家を見て、良い政策を持っていると感じる
- 偏差値が高い大学の卒業生なのでビジネスパーソンとして優れていると感じる
- 優秀な肩書を持っている人物の意見は正しいと感じてしまう
そして、これらは本当に正しい事だと思いますか?
容姿と仕事ができるかは関係ありませんよね?
演説が上手というのは話の伝え方の能力が高いという事ですが、政策とは関係ありませんよね?
高偏差値の大学の出身者は学力が高い事は間違いありませんが、必ずしもビジネスパーソンとして優秀とは限りませんよね?
優秀な肩書を持っている方なので、それなりの何か優秀な点はあるのでしょうが、全ての発言が正しい事などありえませんよね?
図にすると以下の様になります。
これらの一つの優れた特徴を見て全ての評価が高まる様な場合をポジティブ・ハロー効果と言います。
逆に、一つの欠点を見て全ての評価を下げてしまう様な場合はネガティブ・ハロー効果と言います。
髪がボサボサでスーツがヨレヨレのビジネスマンを見て、仕事ができないと感じるなんて事はありますよね?
それがネガティブ・ハロー効果です。
何故このような事が起こるのでしょうか?
ハロー効果はなぜ起こるのか?
ハロー効果は「認知バイアス」の一種です。
認知バイアスとは、様々な心理的要因によって、人間の判断や意思決定が歪められる錯覚の事です。
心理学的検証に基づいた認知の偏りです。
全ての人が必ずしも錯覚を起こす訳ではありませんし、影響の度合いは人によって異なります。
ですが、脳が錯覚を引き起こすので多くの人が少なからず影響を受けてしまうのがハロー効果です。
このような判断をしてしまうのは、人間が原始的な生活をしていた頃に物事を少ない材料ですぐに判断を行う事が生存に有利だった事が遺伝的に受け継がれている為と考えられています。
それなら上手に利用するのが良いのではないでしょうか?
ハロー効果を利用する
ハロー効果は、認知バイアスですから多くの人が少なからず影響を受ける事になります。
ハロー効果の凄いところは、影響の大きさや広さだけでなく、効果を理解をしている人にも影響があるという事にあります。
人間の認知能力には限界があります。
相手の全体を見て総合的に評価する事は人間には不可能なのです。
それだけ大きな力を持つハロー効果を活かす事ができれば、ビジネスや面接においてかなり優位に立つ事ができそうですね。
その為には人に伝わりやすい特徴を身に付ける事が有効になります。
同じ人物でも肩書の無い名刺よりも部長の名刺を出せば相手の態度が変わります。
「肩書なんて関係ねぇ!大事なのは中身だ!」とカッコいい事を言いたくなる気持ちもわからなくもないですが、残念ながら現実は肩書で人は判断する可能性が高いです。
他にも英語が話せるとか、わかりやすい資格を取るとか、有名な学校に行くメリットの大きさもここにあると思います。
「資格とか学校とか肩書とか時間のかかる方法が効果があるのはわかったけど、今から直ぐに活用できる方法は無いの?」
例えば、身だしなみを整えるのは思っているよりも効果的です。
貴方は自分に似合う髪型を知っていますか?
印象の良いメイクのやり方は知っていますか?
この身だしなみを整える効果は馬鹿にならないです。
実際に私が以前、営業マンのマネジメントをしてた頃、身だしなみがあまり良くない部下にスーツを新調させて靴を磨くようにし、美容室に連れて行き整えさせた事で営業成績が変わった事がありました。
服装やメイク以外にも、姿勢を良くするとか体を鍛えてスタイルを良く見せるのも効果的だと思います。
身だしなみ以外でも、言葉遣いや話し方の印象を変えるのもいいですし、笑顔の練習だって効果的です。
自分でトレーニングもできますし、ボイストレーニングに通うのも良いと思います。
また、ハロー効果を使えば自身の弱点を隠してくれます。
ついつい人は自分の欠点や弱点を克服する事に時間をかけがちです。
ですが、効率を考えるなら弱点を隠す事に時間や労力を使うよりも強みを伸ばす事に使った方が良いと思います。
きっと光り輝く自分の強みが自分の弱みを見えなくしてくれますよ。
まとめ
今日はビジネスシーンや面接でも有効な「ハロー効果」についてお伝えしました。
ハロー効果とは、ある人物や物事について評価を行う時に、その対象の持つ目立つ特徴に引っ張られて評価が歪んでしまう現象の事。
ハロー効果は、ポジティブにもネガティブにも作用する。
認知バイアスの一種で脳が錯覚を起こしている。
多くの人が影響を受けるだけでなく、理屈を知っている人にも効果がある。
ハロー効果を利用するにはわかりやすい特徴を身に付けるのが有効。
短所に労力を使うなら長所を伸ばす事に使う方が効率的。
以上ですが、貴方もハロー効果の活用はできそうですか?
意識する事で非常に有効な能力なので、是非とも活用してみて下さいね。
それではまた!
国家資格キャリアコンサルタント 渡邊 和真