こちらの記事に興味を持って頂きありがとうございます。
キャリアコンサルタントの渡邊です。
今日は、【ポータブルスキル】についてお伝えさせて頂きます。
私は普段から面接や転職相談などを受けており、よく耳にするのが「自分を成長させたい」という思いです。
転職活動においても、「今の職場での成長に限界を感じている」とか「理想的な自分になる為のステップ」として活動を始める方も多いです。
それらの方々に「では、具体的にどんな能力を成長させたいのですか?」と聞くと、意外にも深く考えていなかったという人達も多いものです。
せっかくなら、自分のキャリアに有益な成長をしたいですよね?
その為、今日はどの様なキャリアを構築するにあたっても有益な「ポータブルスキル」についてお伝えさせて頂きます。
ポータブルスキルとは?
ポータブルスキルとは、業種や職種が変わっても通用する「持ち運び可能な能力」を指し、厚生労働省でも提唱されています。
長い人生において、キャリアの方向転換などを行う方もおられる事と思います。
その様な時に、この「ポータブルスキル」を育てておけば、キャリアチェンジを行う際の大きな武器となります。
転職時に求められるのはスキル
就職活動で求められるのは、経験が無い分「やる気」「ポテンシャル」「企業風土とのマッチング」等が重要視されますが、中途採用になれば「経験」「スキル」が求められます。
実際に初めて転職活動した方に話を伺うと「中途採用では実務で活きるスキルが重視される。もっと他の業種でも役に立つスキルを身に付けておけば良かった。」と多くの方がこの様な感想を持たれています。
だからこそ、業種や職種が変わっても通用する「ポータブルスキル」を身に付ける事が、自身のキャリア構築において重要になってきます。
ポータブルスキルの要素
業種や職種が変わっても通用する、ポータブルスキルとは、どの様な要素があるのでしょうか?
上図の通り、ポータブルスキルは大きく分けると2つ、「仕事のやり方」と「コミュニケーション」です。
仕事のやり方は、どの仕事であっても共通する順序があります。
- 情報を集めて現状を把握する
- 現状から課題を発見する
- 課題を解決する為の計画を立案する
- 計画を実行する
多くの仕事がこの概念によって進みます。
その為、仕事のやり方の要素は以下の4つとなります。
- 現状把握能力
- 課題発見力
- 計画立案
- 実行力
そして、仕事は一人ではなくチームで完結させるものも多いですから、人との関わり方である「コミュニケーション」が求められます。
組織においてのコミュニケーション力は、4つの要素で構成されます。
- 顧客対応力
- 社外対応力
- 上司とのコミュニケーション
- 同僚や部下とのコミュニケーション
「社外の顧客からはとても信頼されており、結果も出しているものの、社内のコミュニケーションが雑で社内で嫌われている人」もいれば、「社内外問わずにコミュニケーションを発揮できる人」もいます。
「同僚や後輩に慕われつつも、上司へも敬意をもって接して信頼を勝ち取れる人」もいれば、「後輩には好かれるが、上司からは嫌われがちな人」もいます。
こうしたコミュニケーションの4つの要素もどの様な業種や職種においても必要とされる能力になります。
これらのポータブルスキルを持っている人は、どんな業界にキャリアチェンジしようとも、専門知識と専門スキルをプラスする事で活躍できる人材になる事ができる為、会社から求められる人材になるのです。
転職活動に必要なスキル
では、実際に転職活動を行う際に必要なスキルはどの様なものでしょうか?
まず、どの業種や職種でも活躍できる要素、ポータブルスキルを持っている事は有利になります。
ただ、仮にポータブルスキルを備えているとして、面接の場で「私は業種や職種が変わっても通用する、ポータブルスキルを所持しているので御社でも活躍できます!」と伝えたら合格できるのでしょうか?
面接では、「どんなスキルを身に付けているのか」ではなく、「身に付けているスキルがどう伝わるか」が問われます。
「何を伝えるか」ではなく「どう伝わるか」を考えなければ上手くいきません。
如何にポータブルスキルを身に付けていようとも、それが面接官に伝わらなければ転職活動は上手くいかないのです。
その為、転職活動に必要なスキルは次の様になります。
まずは、アピールしたいスキルである、ポータブルスキルは必要になり、その上で如何に身に付けたスキルを伝えるかも重要になります。
よって、「ポータブルスキル+伝える力」が転職活動で必要なスキルとなります
そして、伝える力は4つ
- 伝えたい事をわかりやすく相手に伝える「話す力」
- どうすれば自分の身に付けたスキルが相手に伝わるのかを「考える力」
- 伝えるべき内容をまとめて文章化できる「書く力」
- 実は伝える力になる「聴く力」
話す力
伝えるといえば話す力になる方も多いでしょう。
やはり、面接の場では相手からの質問に対して、的確な受け答えが求められますので必須の項目です。
- わかりやすい構成である「総論・各論・結論で話す」
- ポイントの数を絞って「数字で示す」
- 難しい話をわかりやすく伝える「例を挙げる」
これらの要素が、伝える為の話す力になります。
考える力
先述の通り、スキルを持っているだけで転職活動が上手くいく訳ではありません。
どうすれば相手に伝わるのかを考えなければならないのです。
「書類で伝えるなら?」「経営陣が面接官なら?」「WEBの面接なら?」
何で、どの様に、どんな場面で、誰に伝えるのか?
それぞれで伝え方を考え、変えていかなければなりません。
- 分かりやすく伝える方法を論理的に考える「ロジカルシンキング」
- 場面を想像して戦略を立てる「仮説思考」
- たくさんの面接者に埋もれない様に人と違う発想ができる「ラテラルシンキング」
これらの要素が、伝える為に考える力になります。
書く力
面接が得意な方であっても、書類選考が通らなければ、面接の場面をつくる事さえできません。
経歴書を上手にまとめられる人物は、実際に仕事で使う資料や報告書類をまとめる事が得意だろうと想像もできます。
昨今は、テキストチャットでやり取りを行う会社も増えており、より文章で伝えるニーズは上がっているのではないでしょうか?
- 必要な情報だけに絞って配置する「レイアウト」
- 文章は捉え方を間違える事も多いので、意図を間違えずに書く「文章表現」
- 形として残ってしまうので、誤字脱字を減らす「チェックと修正」
これらの要素が、伝える為の書く力になります。
聴く力
聴く力とは、相手の情報を収集する等、伝える力ではないと考えがちですが、実は聴く力に優れている事で相手に伝わる事もたくさんあります。
- 伝えるべき相手のニーズを引き出す「傾聴」
- 聴いた事を確認し、理解や安心を伝える「要約」
- 相手に気付きを与える「質問」
これらの要素が、伝える為の聴く力になります。
まとめ
今日は、ポータブルスキルとそれを活かした転職活動で必要なスキルについて書かせて頂きました。
ポータブルスキルとは、業種や職種が変わっても通用する「持ち運び可能な能力」を指します。
ポータブルスキルは「仕事のやり方」と「コミュニケーション」の2つで、それぞれの構成要素は以下となります。
【仕事のやり方】
- 現状把握能力
- 課題発見力
- 計画立案
- 実行力
【コミュニケーション】
- 顧客対応力
- 社外対応力
- 上司とのコミュニケーション
- 同僚や部下とのコミュニケーション
そして、転職活動では、アピールするべきポータブルスキルに併せて、それを伝える力が必要になります。
【転職活動で必要なスキル】
ポータブルスキル+伝える力
【伝える力】
- 伝えたい事をわかりやすく相手に伝える「話す力」
- どうすれば自分の身に付けたスキルが相手に伝わるのかを「考える力」
- 伝えるべき内容をまとめて文章化できる「書く力」
- 実は伝える力になる「聴く力」
キャリアを構築していく為に成長をしたいと考えている方は、手に職をつける為に専門スキルを手に入れるのも良いですが、私はどんな業種や職種でも役に立つ、ポータブルスキルを身に付ける事をオススメします。
そして、それを活かした転職活動をする為に、伝える力も身に付けると有利だという事を覚えておいて頂くのも良いのではないでしょうか。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
この記事が、あなたのキャリアにプラスになれば幸いです。
それではまた!
国家資格キャリアコンサルタント 渡邊 和真